約 1,429,206 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/7788.html
「判定不一致修正依頼」にてクソゲー判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 アメリカ横断ウルトラクイズ 【あめりかおうだんうるとらくいず】 ジャンル クイズ 対応機種 スーパーファミコン メディア 8MbitROMカートリッジ 発売元 トミー 開発元 元気 発売日 1992年11月20日 定価 8,700円 プレイ人数 1人 判定 ゲームバランスが不安定 クソゲー ポイント 原作再現度は高い鬼畜難易度も原作再現機内クイズが鬼門子供向けどころか大人でも普通に脱落する超絶高難易度見てる分には面白い 日本テレビ関連作品リンク 概要 特徴・評価点 膨大な問題量 原作要素を上手く再現 その他 賛否両論点 問題点 容赦なく牙を剥く3択問題 その他 総評 余談 概要 日本テレビ系列で放送されていたクイズ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を原作としたクイズゲーム。過去にはGBやFCで展開されていたが、本作でSFCにも進出した。トミーのSFCソフト第1弾でもあり、色々な意味でブッ飛んだ内容となっている。一見子供向けのゲームに見えるが、忠実に番組の厳しさを再現した結果、内容は常軌を逸した難易度となっている。セーブもパスワードも用意されてはいないため、腕に覚えがある諸君が本気で挑むならかなりの時間を費やす事を覚悟されたし。なお、難易度はEASYとNORMALが用意されており、NORMALクリア達成者には専用のエンディングが用意されている。(後述) ちなみに実況キャラは実際の司会者である福澤朗とは全くの別人。ただし、熱血キャラは本作の雰囲気とマッチしているのでさほど違和感はない。 冒頭から「ジャストミート」と言っているので福澤氏がモデルであるのは間違いない。 特徴・評価点 膨大な問題量 幅広いジャンルから膨大な問題が出題、まさにウルトラクイズと言える。3択問題・機内30問で遭遇した問題がこちら… + あまりにも膨大なのでクリックで展開 地学 氷河の浸食 U字谷/大陸移動説 プレートテクトニクス/京都のポンポン山/台風は中心付近で風速17m/s 栄養学 豆腐 にがり/うなぎ、人参 ビタミンA/ジャガイモの粉 片栗粉/ウメボシ クエン酸/ビタミンC イチゴ/こんにゃく くじゃく/卵の栄養成分ではないもの ビタミンC/七草がゆ のびるは入れない/味加減 塩加減/ブランデー バルーン/ビール ホップ花/お米の名前 白雪姫/フグの別名 キタマクラ/ドイツ料理で白ワインで煮込むもの 鯉 生物学 絶滅 旅行バト/火くい鳥、ダチョウは足が速い/動物・昆虫 フェロモン/魚 カラス/毒花 スズラン/赤い金魚の赤ちゃん 黒色/フグ毒 テトロドトキシン/アカゲツ アンコウ コビー ピレネー犬/馬の視野 350度/ラクダが飲んだ水 胃/ゴリラのシタベロ 黒/怒ったとき胃液を吐く ラクダ/ツパイ 猿/オナラの主成分 99%は水素 第2の心臓 足の裏/脳と体重の比率 人間とハツカネズミ/カゲロウの卵 うどんげ/食料 アカガエル科/動物と植物の中間的生物 ミドリムシ/金鳳花の別名 馬の足形 天文学 ビッグバン/皆既日食 ノストラダムス7の月/地球 45億年前/月は1ヵ月で地球を回る/白鳥座X-1 ブラックホール/宇宙で最も多い元素 水素/太陽 -26.8等星/ヘビ座 スポーツ アメリカンフットボールのタッチダウン 6点/ラグビー サッカーから始まった/バレーボール用語でないもの タッチダウン/ポロ/マレット レスリング 9m/ボクシングチャンピオンの次 1位/バイアスロン 射撃とスキー/1992年アルベールビル冬のメダル ガラス製/勝ち越し 給金直し/サッカーボールの5角形 12/行司 19歳 地理 仙台市 鹿児島/ヘブライ グループ キブツ/ホットバナナ/タイの国名 自由/仙台の姉妹都市 アカプルコ/アフガニスタン カブール/ワシントンの南 オレゴン/マスカリン諸島 ドードー/国旗 赤/シーボルト 台風 歴史 ボイコット 人名/初めて汽車に乗った日本人 ジョン万次郎/フランス革命 徳川家斉/国定忠治 長岡忠次郎/ガウディ 建築家/風の又三郎 高田又三郎 ハイジャック1号 北朝鮮/写真発明 フランス/鹿鳴館 コンドル/第二次世界大戦時の中立国 スウェーデン/ロシア最後の王朝 ロマノフ 最古の写真 風景/夏目漱石 胃潰瘍/クレオパトラ七世 腕を噛まれて死んだ/イギリス初の核実験 クリスマス島/1989年11月チェコスロバキア プラハ革命 1991年8月19日 レッドマンデー/五重塔 東寺/バルト三国で一番最初に独立 リトアニア/ダイナマイトより先に発明された ミシン 創作 笛吹けども踊らず 聖書/ノアの方舟 アララト山/孫悟空 西遊記/竜のモデル 9種類 独裁者 ヒンケル/女 地獄の使い/遠藤平吉 怪人20面相/エミリー・ブロンテ 嵐が丘/カルメンの作者 メリメ/俳句23,500句 井原西鶴/国破れて山河あり 杜甫/石頭 きんごろう/宝塚歌劇団に存在しない組名 風/実在しないの 東洋道中ひざくりげ/「吾輩は猫である」の猫の死因 水死 シャルル・ペローのグリム童話以外 親指姫/一休さん だいとく寺/藤子不二雄AとF/ウィンピーの好物 ハンバーガー/長靴をはいたネコ/赤毛のアン プリンスエドワード/ホームズ 猫/シュルツ スヌーピー チャーリー・ブラウン ピーナッツ/ベンケーシー 神経外科/映画「第3の男」 オーストリアの観覧車/とらさん ふゆ子/南アフリカ共和国の国歌 ベートーベン作曲 ピノキオ 鯨の胃/ピーターパン ネバーランド/エニックスの第1弾ソフト ドアドア/ドラミちゃんの好物 メロンパン 社会 ミスター 長嶋茂雄/本田宗一郎の遺産 松下幸之助の10分の1以下/相撲取り・小錦関 サリー/日本人初のF1レーサー 高原敬武 地下鉄の走っている都市 北京/ブルートレイン トワイライト/山手線の停車駅 29(*1)/山手線で「田」が付く駅数 5駅 ペリカン 日本通運/NTT 電電気公社/アメリカの24時間ニュース局 CNN/アメリカの玩具専門店 トイザらス/ホワイトハウス 地上4階建て 沖縄の米軍基地 全土の11%/出生届 14日以内/日本の主な米 ジャポニカ/日本初のスクランブル交差点 熊本県/だはんこく だだをこねる/道路標識で青が主体 指示標識 最も新しく創設されたノーベル賞 経済学賞/暴力団のゆすり ミンボー/サンリオ製品でないもの レモンとサクランボ/ベトナム女性の民族服 チョーサン/レバノンのイスラム教のシーア派の最大の民平組織 アマル/中国の国花 梅/×印 警察署 科学 1つの文字 1バイト/コンピューター 2進法/VHFのV VERY 単位 オンス 重さ/1海里 長い/メートル はかる/ボクシング ポンド その他 ファン・シャン あやとり/石の家 ジンバブエ/農林100号 こしひかり/普通名詞 正露丸/競馬 カンカンなきする/丁半/大技 穴熊/パン ポルトガル語 落第 進級/牛べこ/水沸騰 水蒸気/アルバイト ドイツ語/3K 危険きつい汚い/上下誰にでも従順な人 ラッコ/アブラカタブラのアブ 父 大相撲の新弟子検査で必要な体重 75Kg以上/チェーンソーの使用などで起こる障害 振動病/火事 バックドラフト/弦楽四重奏の楽器 3種類/新幹線の一本のレールの長さ 1,500m/持ち物預り所 クローク/山にハチマキがかかれば晴れ/ノーランズのCDでカバーされていないの 中森明菜 「日本製のメンソールタバコの賞味期限 7ヶ月」という出題も。タバコを販売している店員でも分からないだろう。 ここまで確認されたがまだまだ全容は未知数である。あまりにも範囲が広く適当に分類するだけでも一苦労という膨大さである。 非常に手間がかかっており、ウルトラクイズの名に恥じないものとなっている。しかし、それが問題点として牙を剥いて来るのは皮肉な話である。 見ての通り、子供向けどころか大人たちにとっても難問ばかりで、ほとんどのプレイヤーは機内クイズで脱落したと思われる。 原作要素を上手く再現 プレイヤー登録 最初に性別を選んで平仮名4文字を入れてキャラを登録して参加する。作中では司会者から頻繁に名前を呼んでもらえる仕様になっている。 名前の入力では裏技も用意されており、特定の名前で始めると色々な事が始まる。 ステージ構成 日本からニューヨークまで色々なステージが用意されており、内容も〇×クイズ、じゃんけん、機内クイズ、ばら撒きクイズ、1対1の早押し対決など実際に行われたものである。 更に本編ではMODE7(*2)を活用したゲームが数多くあり、ボール回転ゲーム、レース、シューティングなどあらゆるゲームが用意。それらを乗り越えたら勿論、ニューヨークでの早押しクイズが待っている。 開始前には一枚絵が用意。熱血野球マン、飛行機からの顔出し、ケンタッキーではカーネルおじさんなど盛りだくさん。そして司会者が場を盛り上げたりルールを説明してくれる。クリアした際は自由の女神の夜景で花火が打ち上がる。更に、序章の30問のクイズの後は、フラダンスで取り囲んでくれたりする演出まで用意。本当の地獄はこれからだ… ステージ4、グアムのどろんこクイズからが本編であり、ここまで到達したプレイヤーには更なる試練が突き付けられる。 以降はサンノゼ、ネバダ、キーウェスト、ケンタッキー、ワシントン、ニューヨークまでの全10ステージで、多彩なゲームが登場する。 音楽 BGMもテレビ番組と同じ曲が使われており、更に各ステージ毎に専用のBGMが用意されている。例えばネバダレースの曲は哀愁とスピード感が見事に調和しており、3Dグラフィックも相まって広大さも表現されている。 音声も使われており、じゃんけんの掛け声や、ばらまきクイズのBGMにはチュッとアクセント、BGMと音声の合せ技も行われている。 細部までのこだわり タイトルでは水面の揺らぎ、司会者は瞬きや口パクを行うが、ルール説明と2択問題では異なる顔グラフィックまで用意されている。ステージクリア後の花火の際はその光が女神に当たった際に照らすなど細かい。 更に、パネル当てでは1枚・2枚・4枚同時と当たった枚数に応じて効果音も違ったり、罰ゲームのモグラ叩きも場所によって背景が異なる。 このように、膨大な出題数では終わらず、素材とその活用の仕方も非常に優れていると言える。 その他 NORMALが難し過ぎるプレイヤーのためにEASYが用意されている。というよりはEASY前提の調整である。 要求正答数が減少したりミニゲームのステージが易化する方向で変化したりする。ただし出される問題の難易度が易しくなるわけではないので、焼け石に水かもしれないが……。 エンディングも充実 EASYクリアでは今度はノーマルにジャストミート!と言われた後に、テレビ画面にスタッフロールが流れる。その後は寝かしつけられてZZZ…子供向けのゲームらしい〆方となっている。 NORMALのエンディング + 一応真のエンディングなので閉じる 司会から優勝賞品の贈呈を告げられて、翌朝行ってみると自由の女神がエンディング曲とともに迎えてくれる。女神の手にはスーパークイズ王になった主人公のためにウルトラライトプレーンが用意されており、これで日本に帰るとの事。出発した後で終わっているが本編をクリアした主人公にとってはウィニングランに違いない。以降はスタッフロールに合流。 賛否両論点 各ステージの対戦要素が薄い GB版2と同じで(一部ステージを除いて)通過人数は考慮されず自分がノルマをクリアすればOKという形式で、他の参加者と競っている感覚は薄め。FC版のように競っている感バリバリのタイプが好きな人には寂しく感じるかもしれない。 司会者の福澤朗から名前を呼んでもらえるのは主人公のみで、他の参加者の名前が出てくる事はない。 ステージ4~ステージ9でゲームオーバーになると罰ゲーム「もぐら叩き」があり、失敗するとどろんこクイズからのやり直しである。 敗者復活を兼ねた罰ゲームがもぐら叩きしかなく、物足りない。先に出ているGB版1やファミコン版では敗退したステージごとに変化があったのだが…。 ただしもぐら叩きの難易度は相当緩く、意図的に叩かなこうとしなければ失敗しない程度のレベル。ステージ9時点のノルマでもタイムに十分余裕がある。 問題点 容赦なく牙を剥く3択問題 機内クイズ 「ゲームドーム 〇×」、「成田 じゃんけん」を越えて来たプレイヤーに立ちはだかる序章の鬼門である。おそらく、本作に挑んだプレイヤーを最も脱落させたパートであろう。 3択問題が30問、矢継ぎ早に出題されるので次々と答えて、正解数が規定の数に達していればクリアというもの。 出てくる問題は先ほど挙げた膨大な問題からである。 答えても正解・不正解に関わらず同じ効果音が鳴るため判別が付かない。しかも最後に正解数も表示されず状況は一切分からないため、正解を覚えて次で活かす事も出来ないのが非常に厄介である。 ボーダーラインが明示されないが、それぞれNORMALで20問・低難易度のEASYですら16問とどちらにしろ50%以上の高い正解率を要求されるので、適当に選んで運良く突破という展開は望まない方がいい。 しかしそれは全てを運に任せた場合の話。確実に正解を選べる問題がいくつかあれば、残りは勘で選んでも突破出来る確率が上がる。EASYなら6~8問程度正解を選べればクリア圏内には入るだろう。 膨大かつマニアックな問題も多く、制限時間も短く矢継ぎ早に来るためにメモを取る暇すらない。これらの厳しい要素が合わさった事により、多くのプレイヤーがEASYクリアすら出来ずに脱落してしまった。 本編 子供向けとしては難しいゲームに、更に3択クイズが加わる。 ゲームが出来ても、クイズで正解できないと制限時間が迫っている中でポイントを減らされたり、一発でゲームオーバーが確定するものがある。 例えば、ネバダレースでは司会が「クイズに正解すればゲージはマンタンだ!」と有利になるような言い方をするが、フルゲージから始めてギリギリ完走出来るようなバランスなので、1問でも外して次のコースへ行くと燃料切れが確定してしまう。 ただしネバダレースは道中ゲージ回復ポイントがいくつかあり、(時間のロスは出るが)その上で停止することで一気にゲージ全快できるという事に気付ければだいぶ楽にはなる。ネバダは5コース目をゴールすればクリア(クイズ正解はゲージ回復のみ作用)なので、一種の救済措置とも言える。 問題も難しく、例えば「アルファベット大文字で逆さにしても同じなのはいくつ?」という問題は制限時間10秒少しで「ADEHIOX」(*3)の7文字を理解しないといけない。 ゲームは勿論クリアできることが最低条件であり、さらにクイズの結果もコースの難易度が変わるなどという生易しいものではなく、確実に正解するのが前提というもの。難しい要素が合わさった事でより厳しさを増している。 ニューヨーク 決勝は3択早押しの一騎討ち。 先に10点先取した方の勝ちで、お手付きは点数を減らされる。マイナス3になったら脱落というもの。 本作のラスボスを務める相手はこちら 名前は、けんいち/けんじ/しんじ/たけふみ/のぶあき/ひでゆき/よしゆき/けいこ/さとみ/なおみ/まなみ等。グラフィックは男性が2種類、女性が1種類。 本編を勝ち抜いて来ただけあって強さはやはり尋常でなく、相手が回答権を得たらその問題は確実に相手の正解になってしまう。つまり相手に10回取られるまでがこのステージのタイムリミットといえる。 稀に問題が1行程度しか表示されていないのに相手が早押ししてくる。幸い10問全てを早押しされることは無いが、理不尽を覚える展開ではある。 最終決戦というためか、このステージのみ負けると敗者復活もなく、どろんこクイズまで戻されてしまう。今までのステージで敗者復活があっただけに油断していると、大幅に戻されることになるので絶望を感じるだろう。 3択クイズの正解が出ない 本作には練習モードもないのでどの様な問題が出てくるのかは実際にゲームで触れるしかないのだが… まず、機内クイズでは正解・不正解などの結果が全く分からないので練習にはならない。 本編でも3択を突き付けられるが外した際の正解は非表示で、残り2択のどちらが正解なのかは不明のまま。 ニューヨークでの早押しでは相手に回答された際は伏せられてしまう。どうせ相手に拾われる問題なのだから正解を示して欲しかったところである。 3択クイズを効果的に覚えられるようなステージは少なく、クイズゲームでおなじみの問題回収はまるで風呂の水をスプーンですくい出すくらいの効率でしかないだろう。 クイズゲームであるのにプレイヤーに正解を覚えさせる気がないのが、本作の致命的な欠点であろう。 その他 多くのゲームについて レースやシューティングなど色々と用意されているが、1つ1つは専門で発売されている作品には敵わずに中途半端なものとなっている。 また前述の通り、難コースと3択クイズを両立させるのがデフォでどちらが欠けてもゲームオーバー確定なので厳しい。 フレンドリーな仕様だったら、パーティーゲームとしての道も開けたかも知れないのに… セーブやパスワード機能がない 凶悪な難易度のためかコンティニューは無制限だが、最初から最後まで通しでやるのは難しい。なお、ニューヨークの決勝で負けるとコンティニューのチャンスすらなく一気に戻されてしまう。 裏技ネームの入力でステージセレクトは可能だが、その場合キャラ名がTOMYで固定されてしまう。さらに裏技ネームには漢字入力が必須で、漢字を使うこと自体がまず裏技なので普通はわからない。 2人プレイがない ニューヨークの早押しを上記のCPUではなく、普通の人間と勝負するモードがあれば良かったという声は多い。 総評 膨大な問題数、多彩なゲーム、素材も数多く用意され、SFC第1作目からMODE7などの機能をフルに活用しているだけではなく、細かいところまで作り込まれている。 しかしながら、多くのプレイヤーは3択クイズに為す術もなく30問の前に散っていき、それらを見る事はなかった。 良作になる可能性を秘めながらクソゲーになってしまった本作に対し、「本当に勿体ないゲームだった」とプレイヤー達は評している。 余談 アメリカ横断ウルトラクイズは同社から1年間隔で、GB版・FC版が発売されている。 なお、FC版では「クイズ真理教」が入信を強要して来るなど、当時ならともかく今となっては笑えない事態になっている… その後は、SS・PSでも発売されている。しかし、いずれにせよ常人が手を出すようなシロモノではない。 ウルトラクイズを題材にしたゲームは他に、1981年に電子ゲーム版(ツクダオリジナル)、1983年にアーケード版(タイトー)、1994年にFM-TOWNS版およびWin/Mac版(富士通パソコンシステムズ)が発売されている。 またボードゲームがトミーから複数発売されている。 トミーは後に、他のクイズ番組もゲーム化しており、『なるほど!ザ・ワールド』では問題数が膨大で難易度も高いが、正解・不正解に関わらず答えが必ず見られるようになっている。 ミニゲームも数多く用意されており逆転を狙えるので最後まで熱い展開が続く、大人数で色々なモードを選べるフレンドリーな仕様であり、パーティーゲームとしてもオススメしたい一品となっている。 SFC第1作目から最難関を突き付けて来たトミーであるが、年をまたいだ3ケ月後に『ウォーリーをさがせ! 絵本の国の大冒険』を発売している。 こちらは本作と対照的に難易度低めのアドベンチャーゲームとなっている。 ステージ1の◎×クイズについて 最初の1問は必ず「自由の女神」に関するクイズとなるが、幾つかの問題パターンはあるが、どの場合でも女神クイズの正解は×で固定である。 この◎×クイズでは◎と×の陣地に移動する為に20秒の制限時間が儲けられているが、コントローラーのSTART+SELECT同時押しすることでタイムを一気に0まで減らすことが可能な隠し要素があり、陣地締め切りまでの待ち時間を短縮出来る。 ただしプレイヤーが陣地に間に合わなければその問題は不正解扱いとなるので注意が必要である。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6330.html
ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 絶対に捕まってはいけないガースー黒光りランド 【だうんたうんのがきのつかいやあらへんで ぜったいにつかまってはいけないがーすーくろびかりらんど】 ジャンル 絶対つかまってはいけない対戦逃走アクション 対応機種 ニンテンドー3DS メディア 3DS専用カード 発売元 アルケミスト 開発元 企画 プラネットG 開発 リリースユニバーサルネットワークスタジオ最前線 発売日 2015年12月17日 定価 4,800円(税別) プレイ人数 1~4人 セーブデータ 2個 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 クソゲー ゲームバランスが不安定 ポイント 2015年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点 ガバガバなAI・マップ・カメラ鬼の仕様が極端すぎる時々発生するエラー落ちある意味出演者の気持ちがわかる 日本テレビ関連作品リンク クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 概要 あらすじ ゲーム内容 操作 ゲームの大まかなルール その他の遊び 問題点 原作企画との相性 ゲームそのものの問題点 評価点 総評 余談 概要 日本テレビ系列の深夜番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』発祥、2020年まで放送されていた大晦日年越し企画「笑ってはいけないシリーズ」の「笑ってはいけないスパイ24時」以来登場したワンコーナー「絶対に捕まってはいけない」をモデルにした鬼ごっこ・障害物競争のようなゲーム。 あらすじ ガースー黒光りランドに囚われてしまったプレイヤーは、他の逃走者であるガキメンバーと協力して黒光りランドのボス、ガースー大王を倒すことに。 ゲーム内容 鬼の探索をかいくぐったり追跡を脚力やアイテムを使ってかわしながら、ゲームで定められた目標をこなすのが本作の大まかな流れ。 原作要素はそれなりに登場するが、そこから改変されている部分も多い。 操作 基本 ゲーム開始時にマイキャラ(途中からの性別と名前は変更不可)を決めることになる。 鬼ごっこの参加者は基本的に4人。一人プレイではプレイヤーはマイキャラを操作し、残りはガキメンバーことレギュラー出演者であるダウンタウンの「松本人志」「浜田雅功」、ココリコの「遠藤章造」「田中直樹」、「月亭方正」のデフォルメキャラが務める。 ダメージという概念は存在するが、体力などはなくいくら怪我をしてもゲームオーバーはない。 移動はスライドパッド対応、L・Rボタンでカメラアングルを左右に回転可能。 投擲 Aボタンで目の前の物体をつかみあげ、再度Aを押すと前方に山なりに放り投げる。ライバルも担ぎ上げることができる。ライバルが物体を持っている状態の場合、ライバルだけを担ぎ上げることになりそれまで持っていた物体は近辺に落下する。 アイテムを持ち運んでいる間は移動速度が下がり、途中で鬼のお仕置きやステージギミックによるダメージなどを受けると持っていたアイテムを落としてしまう。ダメージにひるんでいる間は目の前の物体を担ぎ上げることができない。 アイテム 投擲とはまた別にプレイヤーの探索を補助する消費型のアイテムがある。 ステージ各所に置いてある箱を触るとストックされて、Xかタッチパネルの専用アイコンに触れることで使用できる。 鬼から逃げるもの、ライバルを妨害するもの、マップ全体を一望しアイテムの位置を確認するといったものがある。 コスチュームという原作にはないシステムが存在し、鬼の罰ゲーム(及びその巻き添え)、ステージギミックなどでダメージを受けるとインナー姿になってしまう。コスチュームを着ていないとアイテムが取れず使用もできなくなるため、使いたい場合はステージ各所にある更衣室に入る必要がある。 + アイテム一覧 火の玉 プレイヤーの前方に火の玉を発射する。 電撃ドクロ プレイヤーの周囲に設置型の電撃を配置する。触ると連続的にヒットする。 たらい、爆弾、うんこ、ニセアイテム箱 プレイヤーのいる位置に設置する形で配置するアイテム。 たらいは比較的当てるのが難しい。爆弾とうんこは触ったり爆風に巻き込まれるとライバルにはダメージ、鬼はひるませられる。ニセアイテム箱は障害物として使える。ニセアイテム箱以外はプレイヤー本人にもダメージが及ぶので注意。 藤原寛 使うと自分以外のライバルすべてのアイテムを没収する。 消える薬 一定時間透明人間になる。鬼に追跡されているときはこれを使うだけで撒くことが可能。 駿足 一定時間移動速度が上昇する。物体を運んでいる状態に対しても多少の効果を発揮する。 無敵 一定時間ダメージを受けなくなり、この状態の逃走者にぶつかったライバルや鬼はダメージを受けて転ぶ。 虫眼鏡 使うとマップ全体図を一望する。Yボタンを再度押すことで、元通りの表示に戻る。 秘宝集めで使用すると秘宝の位置が表示されるようになる。 浜田ゴリラ 使うと目的地へと一瞬でワープする。 マップ 下画面に表示される。プレイヤーと鬼の位置、レースにおける次のチェックポイントとゴールの位置が表示される。 Yボタンで表示方法の切り替えができる。具体的にはプレイヤーの向きに合わせて回転させるか、固定させるかの2種類。 基本的にプレイヤーの近くしか表示されないが、虫眼鏡のアイテムを取ることで一定時間全体を見渡すことが可能。秘宝集めの場合は秘宝の位置もわかる。 その他、マップには「ガースーコイン」と呼ばれるコイン型のアイテムが散らばっている。おにごっこ中に効果はないが、クリアしたときに所持していたコインは持ち帰ることができ、ゲーム内の買い物に使うことができる。 ゲームの大まかなルール 黒光りモード いわゆるストーリーモード。作ったマイキャラに対してガキメンバーをデフォルメしたNPC3人がライバルとなって登場。以下の3つのゲーム(秘宝集め、レース、サバイバル)を5分ずつ行い、総合得点を競う。 「ヘイポー」、「ピカデリー梅田」、「腰振りおばちゃん」、「新おにぃ」、「板尾創路」の名前を冠したチャレンジがある。 ヘイポー、梅田、おばちゃんの3つを総合1位でクリアすることで新おにぃ、板尾のチャレンジが解放され、この2つをさらに総合1位でクリアすることで、最終ステージであるガースー大王チャレンジに挑める。 + 3つのゲームの詳細 第一戦:秘宝集め ステージに散らばる秘宝を抱えて、スタート地点にある噴水のようなオブジェへと投げ入れるとポイントになる。 金は5点銀4点銅3点、赤と青は1点、時間の許す限りランダムで出現し続ける。 第二戦:レース 鬼に会わないように走り、各所のチェックポイント7つを順番に通過していく。この後にゴールにたどり着くとクリア。早くたどり着いた順にポイントが割り振られる。 マップにはゴールと次のチェックポイントの位置が表示されるほか、足元の矢印が大まかに次のチェックポイントおよびゴールのおおまかな方角を示してくれる。 第三戦:サバイバル ルールはシンプルで鬼に捕まったら即退場。 生き残った時間の長さに応じてポイントが振り分けられる。 1~4位から順に、20、10、5、1点が基本。レースでは前の人にあまりにも差をつけられたりすると、サバイバルではあまりにも早く脱落したりすると点数が入らない模様。 タイムアップまで生き残ると1位とみなされ、必ず20点入る。 ボスバトル 6つめのガースー大王チャレンジのみで行われる。 ステージに現れる青いオブジェをつかみあげて中央にいる「ガースー大王」に向かって投げつける。 オブジェは落とすと爆発し爆風に巻き込まれるとダメージ。「ガースー大王」に当てることができればポイント1点が入る。 青いオブジェを持つキャラを担ぎ上げるとオブジェがその場に落下し爆発してしまうので、秘宝集めと異なり青いオブジェを奪い取ることはできない。 制限時間は存在せずガースー大王を倒した時点での得点の高さに応じて順位が分けられる。 黒い鬼 プレイヤーを見つけると追いかけまわしてくる。彼らに捕まると「デデーン!」の効果音の後、「(マイキャラの名前に応じたニックネーム)、OUT!!」とボイス付きで言われた後にお仕置きを執行される。 鬼はマップに配置された黒いロッカーのようなオブジェの近くにいるとそこから一定間隔で出現する。 足の速さや索敵範囲には個人差があり、なかには普通に逃げているだけで追いつかれない鬼もいる。基本的に罰ゲームは捕まらないとどんなものになるかわからないが、蝶野や江頭2 50、ムエタイ戦士といった例外もいる。 基本的に食らった後は服が脱げるのはもちろんのこと、キャラは痛みにひるみ続けるため食らった後の数秒はいつも通りに走れない。 + キッツいお仕置き一覧 吹き矢、ケツハリセン 比較的普通な罰ゲーム。 ハットしてグー 爆竹付きのメキシカンな麦わら帽子をかぶせられる。その後、プレイヤーめがけて一定時間爆弾が落下し続けるが、罰ゲームの中で唯一うまく走り回ればひるまずに抜け出すことが可能。しかし一回でもあたってしまえばフラフラになってしまいその後の爆弾にもヒットし続けることになる。 パイ投げ 投げられた直後は視界不良になり、操作面でもスライドパッドの通りにまっすぐ走れなくなる。 蝶野ビンタ、さそり固め、江頭2 50ガス 集めたコインが周囲に飛散してしまう。 タイキック 蹴られるまでにムエタイ戦士が踊るため、お仕置きを受けるまでのタイムロスが他のものよりも多め。また蹴られると彼方まで吹っ飛ばされ、別の場所にワープさせられる。 その他の遊び フリープレイ、みんなで遊ぶ 好きなルール(秘宝集め、レース、サドンデス)を選び、ステージ、制限時間(1~10分)、アイテムの有無を選択する。 ガースー城を選ぶとガースー大王討伐のみ行える。 「フリープレイ」はNPC対戦、「みんなで遊ぶ」は本ソフトを持っているプレイヤーとローカル通信対戦ができる。 キャラクターエディット マイキャラの名前・性別以外の外見の特徴、服装を変えられる。 ショップ ステージに落下しているゲームコインで買い物が可能。ひととおりの黒光りモードで1位をとるとすべての衣装が解放される。 コレクション いままでの戦績やそれに応じて解放された特典や、ガキの使いやあらへんで!!にまつわるちょっとした基本知識も閲覧できる。 問題点 原作企画との相性 原作の再現度の低さ 喋るキャラは藤原元マネージャーのみ。他のメンバーは鬼に捕まろうが特に目立つリアクションをしてくれない。 参加NPCもマイキャラとその他3人(ガキメンバーから抽選)なので、原作のような出演者同士の絡み合いや駆け引きはない。番組におけるこの企画の面白さのひとつでもある「鬼に捕まってからのリアクション芸」「参加者の人間性の汚さ」を垣間見られるわけでもない。 ガキ使ゲーでありながらガキメンバーを操作できない。必ずマイキャラを使う必要がある。ゲームの戦績に応じてダイナマイト四国といった少しマニアックなキャラを閲覧できるようにはなるが、彼らも例のごとく逃走キャラに参加させられない。 原作番組の後期にあった「松本が拉致されて残りのメンバーで救出に向かう」「山崎に目立つギミックがつけられる」といったイベントもない。 鬼ごっこという題材について 基本的にソースとなる鬼ごっこの規模自体が小さい。本作は特典要素こそ加えてはいるものの、やれることの大半は鬼から逃げ回って場合によっては目的の場所へ移動するぐらいなので、お世辞にも内容が濃いとは言えない。 元となった鬼ごっこは決して「参加者が」楽しいゲームではないため、原作で当たり前に起きていた鬼との接触が非常にうっとうしいものに。 この参加者にとっての理不尽さは、ゲームバランス調整で多少マイルドにしたり、逆に他のゲームの追随を許さない長所にできたかもしれないが、本作に至ってはそれに成功していない。 おそらくこの点が本作のもっとも苦痛な場面なのだが、システムでも説明したように鬼に捕まってからお仕置きをされてまともに走れるようになるまでがものすごく長い。しかもそのフラフラと歩いている間に鬼に出会っても原作番組のように空気を読んでスルーしてくれるなんて事はなく、当然のように捕まえに来る。マップも狭く逃げ場が少ないうえ、出現ボックスがある地点で鬼に捕まると、際限なく登場する鬼にハメられ続けるといった原作にはない事態まで発生する。 藤原元マネージャーのキャラについて ゲームの司会進行はダウンタウンの元マネージャーである藤原寛がボイス付きで行ってくれる。 メニューといったモード選択の際に、藤原がプレイヤーを闇雲にけなしてくるところも原作再現。褒めるときもあるにはあるのだが、本作のひどさ(後述)を目の当たりにした後にけなされると尚更神経を逆なでされる。ボイスといいシステムといいただでさえ殺風景な本作の中、せめてもの賑わいにはなっているかもしれないが、実際には「ノーボイスの中ただ1人うざったい」という印象になりがち。 ゲームそのものの問題点 ボリューム・シナリオ整合性 ゲームの根幹となる黒光りモードをひととおりクリアするのに要する時間はせいぜい2時間。いくらなんでも短すぎる。 ステージを進めても、結局地形とステージのダメージギミックが多少変化するだけなのでこの短いプレイ時間であってもマンネリを感じてしまう。 対戦モードは一応ある。一種の障害物競走のようなところもあるため『マリオカート』の感覚で遊べなくもないが…。 そもそもこのゲームを持っている人としか対戦ができない。本作を持っている友人を探すのは難しいはず。 ある意味ガキ使らしい不可解さと言えばそうかもしれないが、黒光りランドのボス、「ガースー大王」を倒せという共通の目標を持っておきながら、マイキャラとNPCの競争が常に行われているのもおかしい。 ガースー大王の討伐までの流れも、ガースー大王の体力(非表示)が尽きるまで苦手な「水色のもの」をひたすら持ち上げて彼のところまで運び投げつけ続ける。それだけ。 大王は火炎放射や落石で攻撃してくることはあるが、食らったところで大してペナルティがあるわけでもなく…。 不親切・邪魔なギミック マップで拾えるアイテム、鬼の罰ゲームの効果、マップにあるギミックに関しては説明なし。特に複雑なルールこそないため早めに覚えてしまうことは可能だが、不親切と言わざるを得ない。 鬼の位置は常に下のマップから確認できるのに、鬼の登場ポイントや更衣ボックスといった攻略に重要な場所は表示されない。 目標物のある方角はキャラの足元にある緑色の矢印が教えてくれるのだが、あくまで「方角」であり道のりがわかるわけではない。矢印通りに行動して行き止まりに嵌ってしまうことも。 マップの表示も見にくい事が原因のひとつでもあるのだが、通れそうで通れないところがわりと多い。 第二ステージであるピカデリーのチャレンジでは、マップの端に別のフロアへと移動するワープパッドがあるのだが、当然これも説明なし。レースの際に当たり前のように使うことになるので、他のNPCの行動を見よう見まねで覚えでもしない限りここでまず最初につまずく。 鬼に追われた時に専用のBGMはかかり画面が赤い点滅で曇るのだが、鬼を撒いてもこれが解除されないことが多々あるので、このBGMが鬼の感知に役立たないだけでなく画面が見にくくなるという被害も。 アイテムの仕様 大きな問題点とは言い難いが、なぜか前方に火の玉を飛ばすものや、虫眼鏡でステージマップを拡大させてかえって見にくくしてしまう物、他メンバーのアイテム没収といった、あまり役に立たないアイテムもある。 使用制限をつけたかったのか、ダメージを受けた後は更衣室に入って服を着なおさないとアイテムが使えない。しかしこの調整のため、鬼に捕まらない人ほど有利になってしまうという偏った展開に。上記のように、アイテムが必ずしも強くはない事は幸いだが。 動作の重さ ステージを選択した時の読み込みに20秒ほどとかなりロード時間を要する。 まるで電波の悪いところで通信対戦しているかのような処理落ちラグが一人プレイでも頻繁に発生する。ロード画面ですらこの処理落ちラグが発生する。 キャラカスタマイズ時、パーツを変えるたびになぜか2秒くらいのフリーズが入る。ガースーコインでの買い物時も同様にフリーズが発生する。 カメラが周囲の障害物に非常に弱く、「カメラが存在するであろう空間」を障害物に重ねてしまうとカメラが真上にはじかれてしまい、キャラを至近距離から見下ろすような視点になってしまい操作が非常に困難。第4,5ステージは狭いところが多いため、下手に探索すると鬼にも襲われやすくなり不利。 各種の調整不足がもたらすいびつな難易度 ゲーム攻略のために求められるアクションが、あまりにも身も蓋もなさすぎる。 上での繰り返しになるが、黒鬼は黒いボックスの近くにいると問答無用で湧いてくる。危険地帯であることには変わりないが、うっかりここでお仕置きを受けて足止めを受けようものなら、際限なく涌く黒鬼に半永久的にシバかれ続けることに。ゲーム攻略の上で特に必要がないのであれば、黒いボックスには絶対に近づいてはいけない。 ヘイポーチャレンジのようなステージにワープパッドがある場合は、それを使うだけで鬼を撒ける。 NPCのAIは率直に言ってしまうとバカ。 ライバルとなるガキメンバーは、開始時こそ目標物に向かって最善ルートを選んでせっせと行動するのだが、一度妨害されるとその後はしばらく棒立ちして何もしなくなることが多い。お宝さがしで拾い集めてきたお宝を妨害によって手落とされても、何食わぬ顔でその辺をウロウロし続けるか別の宝をぼちぼち探しに行く。また、罰ゲームを受けてパンツ一丁になっても滅多に更衣室に入らない。というかそもそもアイテムをほぼ使わない。 あらゆる場所でそうなるわけではないが、鬼が壁越しのキャラを追いかける際に回り込むという発想に至らず、ずっと壁にめり込むように走り続ける例もある。 逆に、鬼の知覚設定や判定がバラバラ(足の速さにも差があるので単なる個性分けかもしれないが)で、かなり遠くにいる鬼が背後や壁の死角にいるマイキャラを感知してベストなルートを選びながら追跡してくることもあれば、比較的近い所を横から通り過ぎても反応しないこともあるので対処が難しい。 対戦プレイ時のゲームバランス 得点計算とペナルティを受ける受けないの条件が非常に極端なので、別のプレイヤーとの対専用ツールとして機能していない。 明確に順位をつける2,3のゲームは、1位 20点 2 10点 3位 5点 4位 1点。具体的な条件はよくわからないが、前の順位との差が開きすぎていると点数が一切入らない模様。一位には必ず高得点が入るため一人がぶっちぎってしまうことはザラ。 「サバイバル」は当然鬼に捕まらなければいいので、鬼の出現地点の黒いボックスから遠い所まで避難して、下画面を見ながら鬼と一定距離を保ちつつ待機すればよい。というかむやみに動くと逆に危ない。それでも見つかってしまうことはあるが、正直そこまでくるとただの運ゲーであり、パーティーゲーとしての機能を保持するのも難しい。 「レース」も何かしらのアイテムで妨害しさえすれば簡単に独走でき、「秘宝集め」も同じような理屈で、わざわざ探索して襲われるよりも他のライバルが遠くからせっせと持ってくるお宝を奪い取って自分の点数にしてしまった方がはるかに効率がよい。 以上2項目をふまえると、理不尽な難易度をもたらす要素もあるが、それのかいくぐり方さえ覚えてしまえば途端に歯ごたえのないゲームへと早変わりする。難易度調整もできない。 時代錯誤感、3DSにそぐわない内容 マップがただでさえ見にくくカメラアングルで遠くを見回すこともできないので、スライドタッチしてマップだけでも周囲を確認できる機能があってもよかったと感じる。 全編3D非対応。またこのようなUIまわりの壊滅的なところは一昔のゲームでもなかなかお目にかかれない。 評価点 音響演出 番組に使われていたBGMではないが、通常の探索時にはなかなかセンスのいい音楽が流れる。また使いまわしは無くチャレンジごとに違う曲が用意されている。 キャラの名前の頭文字に合わせて、鬼に捕まった時の藤原元マネージャーの肉声による「○○、OUT!!」の掛け声の呼び方がかなり細かく変わる。「まつもと」や「はまだ」等のレギュラーは勿論、他の一般的な名字はおろか、「みやさこ」等の他の吉本芸人の音声まで多数が収録されている。ここの多様さは昨今のゲームの中でも素直に褒めるべき点。 オリジナリティ ゲームをする上ではかえって邪魔な存在にもなりがちだが、ダメージを受けると服が脱げて服を着なおすまではアイテムが使えないという縛りが入っていることで、ゲームの単調性が少しは薄れていると思われる。 マイキャラを女キャラにすることも可能、ナースや学生服といったコスプレにも対応している。 4人集まってパーティーゲームとして遊べば、敵NPCの珍妙なAIもあいまっていつもとは調子の違う不思議なバトルができる、かもしれない。人が集まればの話だが。 ただし、他のキャラに持ち上げられると投げられるまでレバガチャやボタン連打をしようが脱出できないため、実際にやるとそれはそれで問題が発生しそうである。 5つあるチャレンジ(ヘイポー、梅田、おばちゃん、新おにぃ、板尾)が冠するロゴは、きちんと5種類分用意されている。だからどうしたと言われたらおしまいだが。 局所的な再現度 登場人物のガキメンバーやゲストキャラはしゃべらないとはいえ、Miiとはまた違った方法でキャラ再現がされているが、なかなか本人と似ている。 レギュラーメンバー5人や藤原マネージャーは勿論、「ガースー」「ヘイポー」と言ったスタッフ、「板尾創路」や「蝶野正洋」、「江頭2 50」などのゲストキャラ、「ピカデリー梅田」や「新おにぃ」、「腰ふりおばちゃん」、「今夜が山田」などのマニアックなものまで、ガキ使の名物キャラはほとんどが出演している。 コレクションにて鬼ごっこには登場しないガキ名物も本作に少々存在する。集めるのは少し骨が折れるが、特典要素に関してはクオリティはさておき数はそれなりに豊富。 鬼に見つかると警告のBGMに変化するが、「有用なアイテムを持っていない限りは発見された時点で手遅れ」という点に関しては、ある意味原作をよく再現している。 総評 内容の酷さに一通り慣れることができれば暇つぶし程度には遊べるだろう。また、コレクション要素などでファンアイテムとしての最低限の奥深さこそ備えてはいる。 しかし、ガキ使への愛が詰まっているとはお世辞にも言い難く、アクションゲームとして基本的な部分に致命的な粗まで存在し、単体のアクションゲーとしての体をなしてすらいない。 番組の企画を無理やりゲームに落とし込んだゆえに、システムや原作の良さが共倒れしたという事はよくある話だが、本作はその典型例に収まらず時代錯誤すら思わせる香ばしいクオリティのクソゲーとなってしまった。製作陣が無謀な開発予算とスケジュールのもと本作を作ったのでは、とどうしても勘ぐってしまう。 余談 2015年度クソゲーオブザイヤー携帯機部門でノミネートされるも次点止まりとなった。 本作の開発元とされていた「プラネットG」は企画とプロデュースのみを担当し、実開発は「リリースユニバーサルネットワーク」と「スタジオ最前線」に丸投げしていた事が後に判明した。 発売元の「アルケミスト」はかつてアダルトゲームのコンシューマ機向け移植で名を馳せたメーカーだが、本作発売から4ヵ月後にアルケミストは倒産し、2017年に完全消滅した。 これにより2016年4月11日をもってダウンロード版の配信終了。同社から発売された他の3DS用ソフトも全て配信終了した。本社側としては何とも後味の悪い結末となってしまった……
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9160.html
ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞クイズ 【るいざぐろすほろうぃっつしょうくいず】 ジャンル クイズゲーム 対応機種 Android 4.1以上 発売元 株式会社baton 配信開始日 2020年2月3日 定価 無料 プレイ人数 1人 レーティング 3歳以上 判定 クソゲー ポイント 二択クイズ一問に答えるだけの「ゲー無」YouTube動画視聴前提の「内輪ネタゲー」 QuizKnock関連作品AstroCleaner / 限界しりとり / ホロウィッツ賞クイズ / Wallprime / Tonguess / 人狼将棋 / SprintShout /超換気 / 白地図マインスイーパ / リーガル・ジャーナル / 漢字ダッシュ / MINE BLOCKS / QKS 概要 開発経緯 ゲーム内容 問題点 評価点 総評 余談 概要 テレビ番組『東大王』などで知られる伊沢拓司が代表を務める、YouTuber・テレビタレントとして人気のクイズ集団「QuizKnock」によって開発されたクイズゲーム。 「ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞」とは、1967年よりコロンビア大学で選考が行われている、生物学・生化学において多大な貢献をした研究者に贈られる賞であり、Google Playストアのページでは「このアプリをマスターするだけで全ての日本人ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞受賞者を網羅できます!」とアピールしている。 開発経緯 このゲームは、QuizKnockメンバーの1人であるふくらPが自ら開発・リリースを行なっている。 「何らかのチャレンジで誰よりも高得点を取ったら優勝」という動画企画において、「とにかく高得点を取れるゲームを作ること」を目的に開発しており、クイズゲームとしての品質は度外視されている。 + 動画 即ちこのゲームはクイズゲームとして遊ぶことを想定していない「内輪ネタゲー」であり、QuizKnock視聴者にとっては「バカゲー」のような存在となっている。 しかし、単体のゲームとして見た場合だとおバカな要素は無きに等しく、開発経緯を考慮せずに手に取った場合はとてつもない「ゲー無」となっていることがわかる。 ゲーム内容 スタート画面をタップすると、クイズの画面に移る。 「生物学や生化学の研究者に贈られるルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を現在、日本人で唯一受賞したのは誰?」というクイズであり、選択肢に「利根川進」と「木村資生」の二択が表示される。 正しい選択肢をタップするとクリアとなり、スコアとして「1不可説不可説転点」を獲得できる。 + 解答 「利根川進」が正解。 結果画面をタップすると、スタート画面に戻る。 以上。 問題点 たった一問の二択クイズに答えて終わりという中身の無さ。 無料のクイズゲームとはいえ、あまりにも「ゲー無」である。 「全ての日本人ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞受賞者を網羅できます」という宣伝文句だが、これは「ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を受賞した日本人はリリース時点で1人しかいないため、クイズも一問しかない」というジョークである。 また正解したとして、その人物がどのような功績でルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を受賞したか等の説明は一切ない。(*1) ユーザーの目に優しくない背景色。 本ゲームを構成する4画面全ての背景色が、ビビッドカラー単色となっている。 そして文字は黒の単色であまり大きくないためかなり見づらく、よく見ようとすると背景色で目がやられてしまう。 他のQuizKnockメンバーからも「マゼンタそのまま貼るのやめろ」とツッコまれている。 クイズ画面の「利根川進」と「木村資生」を同時にタップすると、正解画面の上に不正解画面の文字が重なって表示されるバグが存在する。 評価点 クイズそのものの出来は良い。 ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞を受賞していないもう一方の人物は、イギリスの生物学賞「ダーウィン・メダル」を日本人で唯一受賞した集団遺伝子学者である。 「世界的に有名な生物学賞を、日本人で唯一受賞している」点では共通しており、クイズプレイヤーにとっては誤答を誘う選択肢となっている。これには伊沢氏も「無駄に手が込んでる」と評している。 ゲーム史上類を見ないスコア設定。 クイズに正解すると得られる点数「1不可説不可説転」とは、仏典『華厳経』に登場する実在の数詞であり、 10の37218383881977644441306597687849648128乗 、つまりおよそ 10の37澗乗 である。 音楽ゲームや弾幕系シューティングゲームのスコアがたとえどれだけインフレしても、この点数に到達することは永遠にないだろう。 もっとも、1不可説不可説転点を獲得したとして、画面に「クリア 1不可説不可説転点」と投げやりに表示されるだけであり、ハイスコアを競うような機能もないため、「だからなんだ」という話にはなる。 総評 『限界しりとりMobile』や『白地図マインスイーパ』など、QuizKnockがリリースしている他ゲームと比べると、本作は格段にクオリティの低い「ゲー無」となっている。 ただ、前述の経緯の通りこのゲームはYouTubeの企画ありきの「内輪ネタゲー」であり、その価値はゲームの面白さとは異なる部分にあるといえる。 「楽しいから始まる学び」というQuizKnockのコンセプトを考えると、動画とゲームを通じて「ルイザ・グロス・ホロウィッツ賞」及び「不可説不可説転」の存在を学べることに真価があるのかもしれない。 余談 開発にはUnityが 無駄に 使われている。 iOS版の配信も準備していたが、コンテンツが不十分であることを理由にAppleから却下されている。 「1不可説不可説転」はこの世に実在する最も大きい数詞という訳ではない。それ以上の数を表す数詞として、例えば 10の(10の100乗)乗 を表す「グーゴルプレックス」という数詞が存在する。「グーゴルプレックス」は検索エンジン等で知られる「Google」の名前の元ネタでもある数詞「グーゴル」を拡張したもの。 ただし、「1不可説不可説転」は前述の通り4世紀頃の仏典を根拠とする古来の数詞であり、半ばジョークの意味合いもある他の巨大な数詞(巨大数)に対しての正統性はある程度感じられる。 内輪ネタゲーなだけあって、Google Playストアでの平均評価は最高の★5.0となっている。 このゲームによって、ふくらPは前述の企画で優勝している。 また、QuizKnockメンバーの1人であるこうちゃんは『太鼓の達人 グリーンVer.』で獲得した約36万点を同じ企画内で提示したところ、最下位となった。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/8923.html
水晶の龍 【すいしょうのどらごん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム 発売元 DOG 開発元 スクウェア 発売日()は書換開始日 1986年12月15日(1987年2月14日) 定価 3,400円 プレイ人数 1人 判定 なし ポイント グラフィックは非常に良い出来BGMがないのが残念おそらく本編のゲーム内容より有名なウソテク DOGシリーズ 概要 ストーリー 内容 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 伝説となったウソテク 概要 1986年12月にDOGがファミコンディスクシステムソフトとして発売したSFアドベンチャーゲーム。 DOGとしては処女作となる。また電気工事会社の1部門でしかなかったスクウェアがゲーム会社として独立後、最初に発売した作品でもある。 「龍」と書いて「ドラゴン」と呼称する。 作画には漫画家やアニメーターとして有名な佐藤元氏を起用している。 更にアニメーション制作には当時放送中だった『機動戦士ガンダムZZ』を含む「ガンダムシリーズ」はじめ現在を含めその後も数々の人気アニメを手掛けた日本サンライズを起用している。 ストーリー 時は未来。国家は惑星ごとに独立し、惑星間を結ぶ交通機関はエア・バスが用いられている。 ヒューたちの住む街は超近代的都市計画に基づいて作られ、道路が広く緑豊かで様々な人種が同居する住みよい街で、広場を中心に放射状に広がっている。 ある日の放課後、ヒューたち3人はおばばを訪ね、シンシアは「水晶の龍事件」のことを聞くがおばばは何も答えず、何かを隠していると気付くものの、それが自分たちに密接に関わってくることになろうとは知る由もなかった。 そして日曜日、ヒューはナイルと一緒にシンシアからスペースランドのスペシャルコース(シャトルでの宇宙遊泳)に誘われる。 ハイテンションで乗り回していた矢先「水晶の龍」に遭遇し、一瞬のうちに襲われてシンシアのシャトルは破壊され、ヒューもまたその衝撃に吹っ飛ばされて気が付くと見知らぬ宇宙船にいた。 そこでユージンという謎の美女と出会うことになる。彼女に送られて自分の星に戻ってきたヒューはシンシア、ナイルの行方を追うために行動を始める。 内容 主な登場人物 ヒュー・ルーカス(主人公) シニアスクール3年生の14歳。運動神経抜群な少年。 シンシア(ヒロイン) ヒューの同級生で歳も同じ14歳。おてんばな性格で、実は某星の王女でもありヒューの学校に留学している。 ナイル ヒューの親友で12歳と年下だが秀才でシニアスクール3年生(飛び級)。超能力を専攻している。テレパシーの使い手。 おばば 本名は不明で、ヒュー達からはこう呼ばれている。 ユージン 物語冒頭でヒューを助けた謎の美女。 システム マウスカーソルのような矢印を十字ボタンで動かし、グラフィックウィンドウの中で直接選ぶ方式を取っている。 アドベンチャーの代表格である『ポートピア連続殺人事件』のように、文字による選択肢は一切表示されない。 移動は矢印をBボタンで選択して、その方向に行くという形式で地名の表示などはない。 ゲームオーバー(バッドエンド)のようなものはあると言えばあるが強制的に少し前に戻ってやり直す形になるため、あまりその実感がない。 ディスク故の容量的限界のためか、序章的な部分は取扱説明書に掲載された漫画で見せている。 これが22頁と非常に濃い内容になっている。また説明書そのものが全体的に漫画仕立ての作りになっている。 そのため何も考えずソフト単体で入手していきなりゲームをはじめると、よくわからないまま襲われて始まり、ゲーム中も終始わけがわからないままになる。 コマンド コマンドはそれぞれアイコンになっている(左から以下の順で並んでいる)。 移動(アイコン・4方向を指した矢印) 移動可能な方向を選択し別のシーンに移る。 見る・調べる(アイコン・目) メイン画面中のものを見たり調べたりする。 取る(アイコン・丸いものを掴む手) メイン画面中の物を取る。 話す(アイコン・口) 相手を選んで話しかける。 使う(アイコン・親指を上に立てたゲンコツの手) 持っているアイテムを選んだ場所で使用する。 開ける・閉める(アイコン・ドア) メイン画面中にあるドアなどを開閉する。 操作する(アイコン・ボタンらしきものを押す指) メイン画面にあるもの使ったり操作したりする。 手放す(アイコン・落ちていく丸めた紙) 持っていたアイテムを捨てる。「渡す」というニュアンスでも使われる。 セーブ・ロード(アイコン・ディスク) ゲーム内容を保存したり、既存のデータを読み出したりする。 評価点 非常に大きなグラフィックのウィンドウで、またディスク初期、ファミコンでもやっと中期に入るような頃でありながらグラフィックが非常に鮮明で、描き込まれている。 特にゲーム開始に現れるパッケージイラストそのままの「水晶の龍」の登場から、そのインパクトは絶大。 様々な背景があるが、いずれも非常に細かい部分まで描き込まれている。 上記の通り、グラフィックウィンドウから直接選択する方式も、このような鮮明なグラフィックあってこそできるものだろう。 スクウェアは本作以前にもPCで『Will -The death trap 2-』や『アルファ』でグラフィック面で非常に高い評価を得ており、面目躍如と言ったところ。 少女漫画風のキャラをはじめ、佐藤元氏によるカラー漫画を見ているような感覚で楽しめる。 ストーリーの出来も際立って秀逸とまではいかないものの、それなりに良くできている。 賛否両論点 全体的にノーヒント。 アドベンチャーなのに進行に纏わるヒントが少ない点は理不尽に思えるがCMでも「君の頭脳にチャレンジ」とあるように、プレイヤーの直感や判断力を試すという意味では間違いではない。 しかも、後述の通りクリアまでストレートに進めると短すぎてやり甲斐もヘチマもないので、ゲームとして成り立たせる点と見ることもできる。 もっとも当時のPCのADV界隈では進行がノーヒントなのはよくある事で、後述のBGMの問題も含めてPCゲームの空気感をファミコンに持ち込もうとしていたのだと思われる(*1)。 独特なコマンド方式。 特に移動が移動対象の名前が出るのではなく、グラフィックウィンドウに表示された矢印で選ぶと言う方式になっている。 慣れない方法なのでやりづらい点もあるが、街中の背景などでは、その位置関係などがイメージしやすいという利点もある。 問題点 タイトルとエンディング以外BGMがない。 いくらまだファミコンがブームに乗ったばかりとはいえ前年にはアクションゲームなどでもゲーム中のBGMはあって当り前も同然で、アドベンチャーとして大事な部分であるためそれがないのは今一つ盛り上がりに欠ける。 この頃にBGMがまったくないゲームはアクションやシューティングでもほとんどない。 当時のPCのADVはBGMが無いものが多く、それに倣ったと思われるがファミコンのユーザー層には受け入れられづらかった。 メッセージが一括表示なため、見る前に誤操作で送ってしまったりしやすい。 また、同じメッセージが表示される場合、再表示されている感じが全くないので、それが操作によるものか元々あったのが残っているだけなのかがわからない。 ストーリーの質は悪くはないが短かさが顕著。 実際完全解答でストーリーを進めてしまうと20分かからず終わってしまうほど。 ゲームのプレ部分にあたる内容が付属の漫画で語られているため、ゲーム単体で見た場合は導入部がやや不親切。救出対象の2人に関しても途中幻影で現れるシンシアはともかく、テレパシーでしか交信できないナイルはエンディング一枚絵でしか姿を見ることができず、若干割を食っている。 総評 アドベンチャーとして重要なグラフィックに関しては文句なしのクオリティで、ストーリーも短いながら決して悪くはないが、BGMがないせいで盛り上がりに欠ける点は非常にもったいない部分である。 ゲーム進行でノーヒントな部分に関しては物語を楽しむアドベンチャーとして考えると欠点に思えるが、そこはアクションゲームにも似た直感で判断するものと取ることもできるので賛否両論だろう。 まだアドベンチャーゲームが確固たる地位を築く前の作品ということもあり全く違ったシステムにチャレンジした姿勢は高く評価できクソゲーと呼ぶほどひどいものではないが、まだまだ名作と呼ぶには程遠い出来である。 実際現在を含めてレトロゲームブーム本格化後でも本作が注目されるのは後述のウソテクばかりでゲーム本編はそっちのけな傾向にある。 余談 本作の作画を担当している佐藤元氏は当時『月刊少年チャンピオン』(秋田書店)で『ファミコン探偵団』を連載していた(*2)。 上記作品ではアイドルグループ「少女隊」をモデルにした「少女隊(正式名称「少女探偵隊」)」が登場する。同氏は「少女隊」のメンバー「トモ」こと引田智子のファンということもあり取扱説明書のゲーム操作説明の漫画にゲスト出演させている。またモブ同然ながらゲーム本編でも登場する。 実在人物が絡むためか、その後移植や配信など一切されていない。 本作とそっくりなアイコンコマンドのシステムを採用したアドベンチャーゲームとしては1988年1月にサンソフトから発売された『リップルアイランド』がある。 伝説となったウソテク 本作を語る上で欠かせないのが『ファミリーコンピュータMagazine(通称「ファミマガ」)』のウソテク(*3)である。ある意味本作のネームバリューはこれあってのものと言い切っても過言ではない。 それは1987年第2号(2月6日号)で紹介された本作の「シンシアと野球拳」であり、そのインパクトは絶大だったようで、現在でも「ウソテクと言えば『水晶の龍』の野球拳」とほとんどの人に言わしめるほど(*4)。 当然ウソなので実際はできないが、やり方はパッケージ裏のシンシアの写真と同じシーンでシンシアの手を調べると、コマンドアイコンが「グー」「チョキ」「パー」となり選んでジャンケンし、勝てば1枚ずつ脱いでいくというもの。写真ではスカートを取ってブラウスのボタンを外させるところまで。この通り非常に簡単なやり方(試し方)なので、翌号の解答発表で「やっぱりすぐわかったかな?」と言われていた。また、実は続きの写真がもう1枚作られたが、あまりに過激なので掲載は出来ず、ハイスコアコーナー担当の机に眠っているという事も書かれた。 これが見たくて買ったのに(*5)ウソテクと知ってブチ切れた人がいたなど、いろいろこのウソテクに纏わる逸話も多い。しかし、その割には対象週から翌号までの週で売上ランキングでは本作が急浮上して再ランクインしている様子がないので、ブチ切れたと言う人を嘘吐きとまでは言わないが少数派だったであろう事がうかがえる(*6)。そもそもどれか一つはウソテクである事が明言されていたわけだし。 中にはこのウソテクを再現しようと、後年になってFlashや『メイド イン ワリオ』で「シンシアの野球拳」を作った猛者が何人も存在するほど。 このウソテクが有名すぎるのと、移植がなかったせいもあってかリアルタイム世代以外では「ゲーム本編は知らないけど、野球拳は知ってる」は元より、果ては「野球拳のゲームと思っていた」という人も珍しくない。 また、この件でファミマガ編集部はおろかキャラデザの佐藤氏にまで問い合わせが殺到したようで、中には「ウソ技に関与していたのではないか?」と誤解されたこともあったと言う(*7)。 後に佐藤元氏がキャラクターデザインを手掛けたPS1ソフト『SIMPLE1500シリーズ Vol.101 THE 銭湯』では銭湯にやってくる客として湯人(ゆーじん)と深志谷(しんしや)というキャラが登場する。 言うまでもなく本作のヒロインのパロディである。 深志谷は 全国野球拳選手権の連続優勝者 という設定で なんと野球拳で勝負が出来る。 しかし結局勝っても脱ぐことはないのであった…。 CMはのっけから上記の野球拳と同じシーンで始まっている。 + CM
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9557.html
「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 依頼内容は「賛否両論判定における『良く見て良作』及び『悪く見てクソゲー』の根拠が乏しい点の修正」です。 Nour Play with Your Food 【ぬーる ぷれいうぃずゆあふーど】 ジャンル フードアートシミュレーター 対応機種 Windows,Mac OS(Steam/Epic Games Store)プレイステーション5プレイステーション4 メディア ダウンロード専売 発売元 Panic 開発元 Terrifying Jellyfish 発売日 2023年9月12日 定価 【Steam/PS5/PS4】1,980円(税込)【Epic】1,460円(税込) レーティング IARC 3+ プレイ人数 1人 判定 賛否両論 怪作 ポイント 食べ物で遊ぶゲーム(?)ゲームというより芸術作品?芸術的&実験的過ぎる内容に賛否 概要 特徴 怪作要素 評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 米国オレゴン州ポートランドのゲームパブリッシャーPanicからリリースされたTerrifying Jellyfish開発のインディーゲーム。 タイトルに「Play with Your Food」とあるように、「食べ物で遊ぶ」というコンセプトで作られており、アート的な演出が多用されているのが特徴。 特徴 基本的なゲーム内容(PS5版で説明) スティック、方向キー、ボタンを入力することによって、食べ物を召喚するなどのアクションを起こすことができる。 召喚できる場所はある程度は決まっているが、ボタンをホールドしながらLスティックで召喚できる場所を移動させることが可能。 R2トリガーを押すことでマグネットで召喚した食べ物を引き寄せることが可能。 L3を押すことで、召喚する食べ物の動きに変化を起こすことができる「呪文」を使用可能。 R3を押すことで、ガスバーナーやナイフなどの「キッチンツール」を使用可能。 Rスティックでカメラ操作。Rスティックを下に入力することで画面からフェードアウトしていき、最終的にステージから離脱することができる。 怪作要素 芸術性を重視した作風。 「食べ物で遊ぶ」というコンセプトで作られた本作だが、第一に明確な目的や目標が提示されない上に、スコアやストーリーなども廃されている。 一応、特定条件を満たすことによりトロフィーが入手できるため、これを目標にできなくもないが。 ジャンルこそシミュレーションに分類されるが、プレイヤーが既に配置されている食べ物や食器などに干渉できることは少なく、基本的には食べ物や食材を召喚することしかできない。 しかも、ボタンを連打するなどして、食べ物を大量に召喚すると画面が虹色に変化していき、サイケデリックな状態となる。その絵面は一見ゲームのプレイ画面とは思えず、仮にプレイ動画で該当シーンだけを見たら、動画が編集されているのかと疑ってしまう程。 明確な条件は不明だが、ゲームをしばらくプレイしていくとクラゲが出現することがある。しかし、このクラゲがゲームにどのような影響を及ぼすのか、そもそもどういう存在なのか、などの情報がゲーム内で一切説明されないため、プレイヤーはただただ困惑する羽目に。 評価点 前述した芸術的な演出は感性が合うのであれば楽しむことができる。 グラフィックや音楽のクオリティはそれなりに高く、ビジュアル・デザイン面に関して言えば決して評価が悪いわけではない。 PS5版はDualSenseの機能を活かした演出が入っており、没入感を高めている。 ハプティックフィードバックとアダプティブトリガーが活用されており、芸術的な演出への没入感の向上に一役買っている。 コントローラーから音が鳴ったり、ある場面ではタッチパッドを使用するなど、サードパーティー発売のインディーゲーでありながら、DualSenseの機能をフル活用しているのは、素直に評価できる。 賛否両論点 とにかく実験的過ぎるゲーム内容 まず「食べ物で遊ぶ」という内容に偽りはないのだが、その方向性がゲーム的ではない。 基本的にステージに入った後に何をすればいいのか明示されない。あらゆるボタンを押して試行錯誤しないと、リアクションすら見れないことも。 例えるなら、「ハイスコアやエンディングを見ることを目指す」ような「遊ぶ」ではなく、「幼児が興味そのままおもちゃを弄繰り回す」という感じの「遊ぶ」である。 裏を返せば、ゲーム性が殆どない分、ビギナーユーザーでも遊びやすい内容とも言える。 ボタンや方向キーをガチャガチャ押すだけでもとりあえず楽しめるのは、他のゲームではあまり見られない特徴とも言える。 良くも悪くも、初代PS/PS2初期時代に稀に見られた前衛的な奇ゲーを連想させる内容であり、「一種のアート」「雰囲気ゲー」として受け入れられるか、「こんなのゲームじゃない」と切り捨てるかは、人それぞれの感性次第。 問題点 シミュレーションとしてはリアリティーがあまりない。 一応、シミュレーションというジャンルに分類される本作だが、リアリティーに関してはかなり微妙。 例えば、ガスバーナーで食べ物を焼いても黒く焦げるだけで燃えたりしない、食べ物をナイフで切った際の断面が黒くなっているなど。 上記はまだマシで、モノで叩いたりしても当たり判定すらなくすり抜けることもある。 前述した通り、芸術性を重視した作風である上に、あくまでもインディーゲームであるため、リアリズムを求めるのもお門違いとも言えなくもないが。 ボリュームが少なめ 定価が約2,000円近くする本作であるが、それに対してボリュームはやや控えめ。 具体的にはトロコンなどを目指さない場合、プレイヤーにもよるが1時間程度でエンディングに辿り着いてしまう可能性も。 総評 食べ物を使って遊ぶという宣伝文句に反して、ゲーム性は殆ど存在せず、演出もアート的で目的も明示されない、というあまりにも実験的すぎる内容故に、ゲームとしては評価不能と言っても過言ではないレベル。 その一方で、アート的な演出やグラフィックに魅力を感じ、プレイヤーから積極的な試行錯誤を行えるのであれば、本作を存分に楽しむことができる可能性はある。 とにかく人を選ぶゲームであるため、購入を検討する際は決して万人受けするゲームではないと理解した上で考えるべきだろう。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/9055.html
ミスターブラスター 【みすたーぶらすたー】 ジャンル アクション 対応機種 Windows 7以降(Steam)Nintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売元 Forever Entertainment 開発元 ENTERi 発売日 【Steam】2017年4月14日【Switch】2020年12月3日 定価(税込) 【Steam】198円【Switch】200円 プレイ人数 【Switch/Steamオフライン】1~2人【Steamオンライン】1~4人 セーブデータ 1箇所・オートセーブ方式 レーティング 【Switch】CERO B(12歳以上対象) 備考 【Steam】日本語非対応 判定 クソゲー ポイント ターン制なのに先攻ガン有利骨の折れる解放作業グラフィックは良好 概要 ゲームルール 問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 ポーランドの首都ワルシャワに拠点を置くインディーズデベロッパー、ENTERiが開発したターン制のカジュアルアクションゲーム。 宇宙空間上で3頭身のキャラクター達が各々の武器を投げ合い、ゲーム内通貨を稼いでいく。 プレイアブルキャラ20体にして約200円という価格設定が特徴。 ゲームルール 使用するキャラクターを選択(*1)し、パワーと角度を決めて武器を投げ、相手に命中させてHPを削っていくというもの。先にHPを削り切った方が勝利する。時間制限は無い。 リアルタイムではなくターン制のアクションゲームとなっている。感覚は固定画面シューティングに近い。 キャラ達は各々の小さな惑星の上に乗っており、天秤のようにお互いの惑星が交互に上下動している。惑星の周りには攻撃を妨害する衛星と隕石が周回している。 そういった状況下で狙いを定める事が必要。ダメージを与えた部位はガイコツになり、ガイコツ化した部位にさらにダメージを与えるとダメージが増加する。 頭部に当てるとヘッドショット、胴体はボディショットになる。隕石は1回、衛星は2回当てれば撃破となる。ヘッドショット、ボディショット、衛星へのヒットでスター(ゲーム内通貨)のボーナスが入る。 キャラクターは最初は1体しか使用できない。スターを稼ぎ、それを消費して残る19体のキャラクターを解放していく。 うち10体は回数制限のある必殺技、スペシャルアタックが使用可能。武器が分裂・爆発し攻撃を当てやすくなる。 CPU戦・対人戦共にスターの入手が可能。 CPU戦はプレイヤー側、対人戦はP1が必ず先攻となる。 問題点 ゲームそのものの退屈さ 先述した通り今作において重要なのは狙いを定める事なのだが、CPUがほとんどそれをしてこない。 プレイヤーのターンが終わるとすぐに行動を取るため、大きく軌道を外してはプレイヤーにターンが戻る、という事が非常に多い。 ゲームバランスも劣悪で、運や逆転の要素がなく、先攻を取ればそれで勝ちと言っても過言でない。 時間制限が無いという事は、極論になるが時間さえかければお互い常に最大のダメージを与えられるという事になり、後攻は絶対的に不利という事になってしまう。 勝利演出もワンパターンで、すぐにタイトル画面に戻ってしまう。対戦中の演出もスキップ不可で、テンポが悪い。 作業過ぎるキャラ解放 本作のCPU戦で入手できるスターは1戦当たり500~800程度。一方キャラの解放に必要なスターは最大で8000。キャラ毎に6000、6500、7000……と、500ずつ要求額が増加していく仕様で、全キャラ解放にはただでさえ退屈なCPU戦を5時間以上は繰り返す必要が出てくる。 それにもかかわらずSwitch版の商品説明文では「ゲームの目的は、(中略)全20のキャラクターをアンロックすることです。」と書かれている。正気か? Switch版のタッチスクリーン操作は非常に滑りやすく、まともに敵を狙えない。 賛否両論点 レーティングがCERO Bになっている事からおおよそ察しは付くが、攻撃がヒットすると流血描写がある。 全体的にゆるい作風でグラフィックはアニメ調の2D、という事であまり気にならないが。 ボリュームそのものは価格相応 スペシャルアタックを持たない10体に性能差は殆ど無い。武器の形状の違いこそあるが、微々たるもの。 キャラのモーションも全員共通。BGMは3種。 あくまで解放が苦痛過ぎるというのが問題なのであって、見た目違いのキャラの多さは良くも悪くも価格相応といった所だろう。 評価点 個性的なグラフィックは確かな魅力を持っている。 キャラクターの見た目やネーミングも様々な有名映画等のオマージュになっていて、武器もそれに合わせてある。 「ジョジョーカー」等の分裂系のスペシャルアタックを持つキャラは1度の攻撃で衛星と敵本体の両方にダメージを与えやすく、決まれば爽快。 総評 何故ターン制にしてしまったのか、何故ここまでキャラ解放の要求額を高額にしてしまったのか。 仮にリアルタイム制だったとすれば先手後手の問題もある程度は解消され、対戦ゲームとしてそれなりには仕上がった筈。 キャラの解放にしても、課金要素の無い買い切り作品でこれほどまでの周回を要求された所で誰の得にもならない。 結果として、低価格という事を考慮してもげんなりしやすい内容になってしまった。 グラフィックを始めとした確かな魅力も備えているため、この完成度はもったいないともいえる。 余談 配信当初、Switch版を所持していると同時配信となった同パブリッシャーの『泥棒シミュレーター』が50%OFFで購入できるセールが開催された模様。 なお本作に限った話ではなく、Forever Entertainment製の中価格帯の作品は他に1本でも同社の作品を購入していれば割引されるという決まりの様なものがある。 現在は『泥棒シミュレーター』は単体での大幅割引が多いため、すっかり過去の話になってしまった。 Forebear Entertainment公式YouTubeチャンネルのトレーラー(日本版)では、本来CERO BとなっているはずがCERO Aと誤表記されている。(YouTubeリンク※音量注意)
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2677.html
「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「太字の強調プラグインを多用している文章の修正」「うろ覚えでで記述したような情報の確定」「総評文の見直し」です。 ウルトラマン倶楽部3 またまた出撃!!ウルトラ兄弟 【うるとらまんくらぶすりーまたまたしゅつげきうるとらきょうだい】 ジャンル RPG 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 バンダイユタカ 開発元 インターリンク 発売日 1991年12月29日 定価 7,800円 判定 クソゲー ポイント 微妙な戦闘システム・ストーリー・キャラチョイス脳筋な各種ボス戦のギミック敵も味方も「ひらりとかわし」すぎ心折設計なラストダンジョンなのにラスボスは史上最弱ウルトラの母は強しウルトラマン倶楽部3?ああ、野球ゲーね ウルトラマンゲーム・リンク 概要 ストーリー システム 問題点 評価点 総評 余談 参考動画 概要 SDキャラクター全盛期のSDウルトラマン『ウルトラマン倶楽部』の第3作目。 前作『ウルトラマン倶楽部2』が良作と謳われる出来だったため、それなりに期待は大きかったと思われる。 しかしそんな期待とは裏腹に、プレイヤーはこのゲームを遊ぶことによって、多大な絶望と精神的苦痛を味わうことになるのである。 ストーリー 宇宙警備隊員のウルトラマン(通称・マン)は村長の願いを受け、キングマイマイの捜索に向かう。それを発端として明らかとなる敵の侵略計画にウルトラ兄弟は立ち向かっていくことになる。 エリアは主に3つに分かれ、その現場を担当するウルトラ兄弟が、それぞれで発生する事件を解決していく。 システム セーブデータがパスワード形式からバッテリーバックアップに変化。 移動時のスピードがアップ。またフィールドでBボタンを押すことでいつでも飛ぶことができるようになった。 攻撃コマンドが「そっこう」と「たたかう」の2種類に分離。前者は必ず先制できる弱攻撃。後者は外れやすいがダメージの大きい強攻撃となっている。 必殺システムの仕様が変更。ウルトラ兄弟のHPが4分の1以下になると、カラータイマーが青から赤に変わって攻撃力が上がり、同時に必殺技のコマンドが解禁される。また前作ではランダムに表示されたものから選ぶ形式だったが、今回は全ての技リストから任意で選べるようになっている。 カプセル怪獣は全てのウルトラ兄弟で共有して使うようになった。 新しく装備品の概念が登場。戦闘中に装備することで能力が上がる。 全体命令コマンドの追加。パーティ全員に一括で同じ行動を指示できるようになった。 各種ウルトラ兄弟に隠しパラメータとして「特性」が設定されている。これは戦闘時に関係し、相性の良い怪獣と有利に戦うことができる。 たとえばウルトラマンの特性は「ちから」で、同じく「ちから」特性を持っている敵に高いダメージを与えられる。 経験値システムが消失。ウルトラ戦士のステータスは「怪獣を20匹倒すごとに上がる」という仕様に変更された。 ただしこの補正ではステータスはほとんど上がらない。ストーリーのイベントをクリアしていくことでフラグが立ち、そこで初めて「レベルアップ」として基本ステータスが大きく伸びるようになっている。とはいえ、この補正のちょっとの差でボス戦の勝率がそこそこ変わったりするので侮れない。 野球盤のようなミニゲームが登場。うまくヒットが打てればカプセル怪獣を入手できる。 問題点 戦闘部分のバランスや出来が悪い。本作最大最悪の問題点である。 必殺技を使える機会がほとんどない。 『体力が減ってカラータイマーが光らないと必殺技が使えない』仕様になったため、必殺攻撃を使用できる機会が著しく減少。これにより大半の戦闘が「ひたすら通常攻撃を繰り返す」ということになってしまい、地味でグダグダになってしまった。 原作を再現したつもりが、逆にウルトラマンとしての面白みがなくなったという、キャラゲーとして本末転倒な有様になっている。 ボス戦において必殺技とカプセル怪獣が使えなくなった。 前作では使用可能でそれがきちんと面白さにつながっていたのに、なぜわざわざ制限をかけてしまったのか謎である。本来、手ごわいボスキャラこそ必殺技やカプセル怪獣を使用してピンチからの逆転を望むものではないだろうか。遊んだ誰しもが「必殺使わせろ!」と思う瞬間である。 それなら必殺技はボス戦で禁止になるほど強力なのかというとそうでもなく、全然あてにならない。 理由は命中率の低さにある。攻撃力は恐ろしい程に高いがとにかく光線技が当たりにくく、「全体攻撃を放ったのに雑魚全部に対して外した」ということも結構ある。 また先述の通り、タイマーが変化するような場面≒HPの危機であり、数発攻撃されれば死亡する状況である。大抵は玉砕覚悟で必殺を撃つことなどなく、すぐに回復カプセルを使うことになりがち。 よって積極的に必殺技を用いる場面があるとすれば、復活がしやすい町付近での戦いに限定される。敵が弱ければタイマーが赤でも長時間居座ることができ、技を外したところで被害はほぼない。また全体攻撃技はなんだかんだで稼ぎに便利。 しかし、これでは本来『ピンチからの逆転技』になるはずの必殺攻撃が、ザコ敵をなぎ払うための弱いものいじめな技と化しているのである。 そもそも必殺技のバリエーションがいろいろとおかしい。 全体に即死技を放つことができるキャラがいる一方、単体攻撃しか持たないキャラクターがいたりとバランスが悪い。またどの技が全体で単体なのかもネーミングや原作イメージからは想像しにくくなっており、使ってみないと分かりにくい。取りとめがなく適当に決めたとしか思えない。 各ウルトラ戦士の必殺の仕様もゲーム的に疑問が湧く。全体攻撃技のスペシウム光線、単体即死技の八つ裂き光輪を持ちながら、全体即死技のスプリング光線も扱えるウルトラマン、八つ裂き光輪、流星キックという、2つの単体即死技を使う新マンなど、ゲーム性を無視したラインナップばかり。 前作のようにランダムでどれか1つを選択するならこれでも良かっただろう。しかし今回は全ての技の中から任意で選べるのである。明らかに調整不足が窺える。 敵も味方も回避率が高すぎる。 なかなか敵に攻撃があたらず無駄に戦闘が長引くことが多い。味方の回避率が高い分には回復の手間が減ることもありありがたい部分もあるのだが。 「逃げる」コマンドは「怖くなった→逃げ出した」という2回の手順を踏む必要があり、無駄に時間がかかる。また「攻撃」コマンドでターゲットを指定したとき、その敵がすでに倒されていると行動を中断してしまう。昔のRPGにはよくあった仕様だが当時を加味してもかなり古臭い。正義のヒーローが戦闘をサボるな! この問題点は全体命令コマンドを使えば解消できる。「全体逃げる」はきちんと1ターンで逃げることができ(*1)、「全体攻撃」は自動で別のターゲットに切り替わってくれる。だったら初めからそうしろと(ry レベルアップの仕様がイマイチ。 どの怪獣を倒すかに関わらず『20匹倒せばステータスが上がる』という仕様のため、強い怪獣と戦う利点がない。よってステータス上げはひたすら序盤のザコ敵を狩り続けるというヒーローにあるまじき作業になる。もちろんすぐに飽きる。 ただしこの補正上げはすればその分楽になるが、ゲーム上で必須の作業というわけではない。イベントで基礎ステータスが伸びていくので、何度か挑戦すれば補正0でもクリアは可能。 ダンジョンの難易度が全体的に理不尽。 どのダンジョンも作りが広大な迷路(比喩ではなく文字通り幅1マスの通路で構成された迷路)になっており、さらには複雑な分かれ道や長く進んだ先にある行き止まりなど、プレイヤーの精神力を削ぎ落とすような作りになっている。このゲームには宝箱のような収集要素もないため、道を間違えるのは本当にただの無駄骨なのである。 またダンジョン内では移動力が半減する(*2)。さらにエンカウント率も高く、強い敵もわんさか出てくる。前述のように戦闘はやれることが非常に少なく終始地味な小競り合いが続く。一言で表すなら、「だるい」。 特にこの傾向が顕著なのがラストダンジョン。 これまでのダンジョンの2倍くらいの広さを持つ迷路が、複雑な階層に合わせて存在し、さらに鬼のエンカウント率で最強のザコ敵が次々に襲い掛かってくる。ザコ敵を倒しまくって強化されているか、カプセル怪獣の数が万全でなければ全滅は免れないだろう。そして長かった道のりの果てに待ち受けるもの、それこそが「エースロボットバグ」なのである…。 最低最悪の鬼畜トラウマ・エースロボットバグ。 ラストダンジョン後半において、今までに倒したボスとの再戦になるボスラッシュ展開が起こる。この時にエースロボットを倒すと、戦闘終了後に画面がバグった謎の空間に飛ばされ、その場から1歩でも動くと、「エリア1」の最序盤のダンジョンである洞窟奥深くの四次元空間にワープしてしまう。しかもこれは回避方法がなく、確実に発生する。 果てしなく長く鬼畜だったダンジョン攻略の基軸が、突然のバグによって全てが水泡に帰してしまうのだ。おそらくここまで頑張ってきたプレイヤーの精神もついに限界を迎えることだろう。実際にネット上ではこのバグによって当時攻略を諦めたという報告がちらほら見られる。 ただし実はこのワープが発生してしまっても詰みではなく、エリア1と最終エリアはマップが繋がっているため、再び同じ場所に戻ってくることはできる。とんでもなく長い道のりになるが……普通ならリセットボタンを押してしまうだろう。 またバグの回避方法はないが、対処法は存在する。画面がバグったら決してその場を動かずにセレクトボタンでステータス画面を呼び出してキャンセルする。これで画面のバグが元に戻り、そのまま続きをプレイできる。 それだけで直るなら知っていれば問題ないと思いがちだが、当時はまだインターネットの普及していない時代である。攻略本『バンダイ完全必勝ブック ウルトラマン倶楽部3』の中でもこのバグについては一切触れられておらず、プレイヤーはこれが確実に発生する「仕様」であることも、またその回避方法も知る術がなかったのだ。 というかラスダンの鬼畜ぷりとこのバグの存在を思うに、開発スタッフは通しでテストプレイをしていないのではないか? たまたまリカバリが効くバグだったから良かったようなものの、下手をすれば途中でバグって絶対にクリア不可能になるゲームとして後年まで語り継がれていた可能性もある。 ちなみにエースロボットと戦う前のセリフに別の場面で使うはずのテキストが混在しており文脈が意味不明なことになっている。 エースロボットバグを乗り越えた先に待つ、最弱のラスボス。 ラストダンジョンの最奥部にいるラスボスは何やら重たげなセリフを吐くが、いざ戦って見ると凄まじく弱い。HPは多いものの攻撃力がかなり低く、ここまでたどり着けるようなウルトラ戦士なら負ける要素がない。プレイヤーの主観ならば道中のザコ敵のほうが遥かに強く、拍子抜けも良いところである。 ただしラスボスの能力は決して低くはない。攻撃力は最大の999であるし、その他のステータスも満遍なく高い。なので、ここに来るまでにウルトラ戦士が強くなりすぎてしまったという認識が正しい。結果的には同じ事だが。 ラストダンジョンの道中があまりに鬼畜なので、ここにたどり着くまでの道のりこそが真のラスボスだという見方もできる。 ちなみに音楽もザコ戦と同じ。前作のラスボスには専用BGMが作られていたのに何故…。 ストーリーが全体的に微妙 序盤はひたすらお使いイベントばかり。前述のような長ったらしい戦闘が延々続くため、やっていて非常にストレスがたまる。お使いする理由やストーリの流れもヘンテコなものがある。 例えば、キングマイマイの病気を治すために「山の頂上にある薬草に綺麗な水をかけてください」と村長からコップ(いや、比喩でもなんでもなく本当にコップなのである)を渡されるイベントがある。早速一旦村はずれの井戸に行って水を汲んで村役場まで戻るのだが、なんとそれを村長にゴクゴクと飲まれてしまう。唖然とする中「底にちょっと溜まってるからこれで何とかなるでしょ」とテキトーなことを言われて山に行かされる。キングマイマイじゃなくてお前が病気になってしまえ。いくら低年齢向けの作品とは言えもう少し何とかならなかったのか。 流れを端的にまとめると、殺されてしまった人気キャラを助けるために、脇勢が力を合わせて頑張るという話である。前作でラストを飾ったウルトラマンとウルトラマンタロウは、物語序盤で敵に殺され早々に退場(*3)。新マンは初代マンを救うべく各地を奔走し、ウルトラの母はタロウの仇をとるために、助っ人のウルトラ戦士もなしに母1人で敵の基地に乗り込んでいく…とどうもヘンテコな描写が続いていく。 そして物語の最終メンバーは「セブン、ゾフィー、エース、新マン」である。今でこそ後発作品でのゲスト出演や公式のフォローもあって人気も確立しているが、当時としては相当地味なメンツといえる。 説明書の人物紹介では、マンが「やっぱり主人公は私です」とわざわざ言っているが?。 キャラクターの厚遇も激しい。新マンはエリア1から3までの全てにおいて仲間に加わり、ウルトラの母はエリア2序盤からエリア3後半までずっと付き従う。一方でウルトラマンレオはエリア2の最序盤でボスを1体倒しただけで離脱。その後はほぼイベントでしか使えない。ウルトラマンエースは敵に捕らえられていたところをラスダンに乗り込む直前のイベントでようやく救出。以降活躍の場は全くない(*4)。 文章表現が全体的に稚拙 子供向けということも見越しても、あまりにテキストがいいかげんすぎる。「エリア1」の頃はテキストの量も充実しており、セリフにもそれなりの愛嬌があって楽しめるが、「エリア2」のゴルゴダ星あたりから急にシュールで狂気的な電波文が多くなり、状況説明も投げやりになってくる。スタッフのやばい深層心理が垣間見えるようだ。 例をあげると、新マン「じゅうじかがあやしいです(一言)」。キング「テレポート(一言)」といった淡々とした様子。他にも「ヤプールプルプルー」「ウルトラのせ・ん・し・たち!」など微妙に言動のセンスがおかしいところがある。長谷川裕一か。 仲間が加わる際などのナレーター表現が「・・・しんマンがなかまにくわわった・・・・・」と中点付きで表示されるのだが、これが三点リーダのように見えてしまい微妙に気味が悪い。 ミニ野球ゲームの文章などよく練りこまれている部分もあり、本当に同じライターが担当しているのか疑いたくなる。期間不足で推敲ができなかったのか、それとも別のチームが担当したのだろうか。 その他の問題点 エリア2中盤において、ウルトラマンレオとウルトラマンキングの2人でボスを倒すイベントがあるが、この場所には回復ポイントが一切ない。ここで回復ができるカプセル怪獣を所有していなかったり、ザコと戦って体力を消耗した状態でセーブをしてしまうと、最悪ボスが倒せなくなって詰む恐れがある。 救済措置のようなものは全くない。キングの必殺技が体力を回復するリライブ光線だったり…ということはもちろんない。 場面が切り替わるにもかかわらず、ウルトラマンレオのHPはパーティから離脱したときのままで全回復していない。これもレオのイベント戦をより難しくしている要因になっている。 装備品はいちいち戦闘ごとにメニューから選んで装備し直さなければならない。 前作に引き続き怪獣や人物の名前の誤植がいくつか見られる。 ウルトラの父が石にされて倒された経緯がゲーム中で全く不明。 エンディングのスタッフロールの演出が説明不足で意味不明(*5)。 殺された石にされたと大業に騒ぎ立てられるが、結局はみんなで祈れば済む話だった。もっとも、原作のウルトラマンの設定も大体そんなものだが。 評価点 普段目立たないキャラクターが大活躍する。 ウルトラの母がガチの戦闘キャラとして使えるゲームはこれくらいだろう。全てのステータスが誰よりも高く本作の最強キャラクターになっている。 クリアはできないが母がソロの場面でラスダンに突入させても十分に戦える強さ。 ウルトラ兄弟の中では影が薄くなりがちなゾフィーや新マンも、このゲームでは第一線で頑張ってくれる。コアなファンなら必見かもしれない。 「エリア1」までのテキストは素晴らしい。 セリフの量も充実しており内容もウルトラシリーズに関するマニアックなネタが多く、ファンをニヤリとさせる部分もある。またイベントが進むごとに住民のセリフが少しずつ変化するなど、かなり細かく作り込まれている、あくまでもここまでは。 エリア1のラストシーンではボスに2回話しかければ戦闘が始まってクリアになるのだが、1回話しかけた状態であえて町に戻ってみると住民との会話が変化しているという小ネタもある。 宿屋ではウルトラ戦士それぞれがそれまでに稼いだ補正(=敵を倒した数)が確認できる。サラリーマンの成績表のような見た目で視覚的にもわかりやすく、やりごたえを感じられる。 この「成績表」には、現在加入しているかに拘らず全てのパーティーキャラが表示される。序盤では今後誰が仲間になるのか丸分かりになるため、ある意味ネタバレ要素となる。 怪獣やウルトラマンのドット絵はコミカルでかわいらしく良くできている。攻撃したり、ダメージを受けたりするアニメーションは結構頑張っている。 有名な怪獣が一通り登場する。もっともこれは前作でもできていたことなので、評価点としては微妙かもしれないが。 戦闘は演出部分では今一つなものの、インターフェイスの出来は悪くない。アイコンはシンプルでわかりやすく、操作性も良くてコマンド入力が楽。 「たたかう」と「そっこう」の使い分けが面白い。 「そっこう」は攻撃力は低いものの、敵に先手を取られてしまって命中率も低い「たたかう」とは違って、必ず先制かつほぼ必中攻撃なので、弱った怪獣のとどめを刺すのに大いに役立つ。 全てのウルトラ戦士が「そっこう」コマンドを使うことで先手を取って攻撃ができる。他のRPGでもたまに先制技を持つキャラがいたりするが、パーティ全員が先制攻撃を使える作品は珍しい。 隠しステータスの「特性」、全体コマンド「バランス」はなかなかゲーム性がある。 戦っているうちに怪獣ごとの相性を覚え、効率よく戦闘を進めていこうと考えていく様は面白みがある。 「バランス」はウルトラ兄弟同士で残りHPを割り振って、全員を同じHP値にするという珍しいシステム。体力回復に使えたり、必殺技を使うための調整に使えたりと便利。 また「バランス」はボス戦で使える唯一の回復手段であるため、この点でも貴重である。 ボス戦を含めて全ての敵からは逃走が可能。 ボス戦の途中で勝てないと判断したら一旦逃げて回復するなり戻って強化するなりして仕切り直すことができる。ボス戦が逃げられないRPGが多いので、気が付きにくいのが難点か。 BGMはまぁまぁ良い。お約束とか言わない。 各曲はウルトラマンのテーマや科学特捜隊のテーマのアレンジになっている。 ただしダンジョンの曲はかなり怖い。恐怖感を煽るというより、不安をかきたてられるような調子になっていて、これもトラウマ作りに加担している。ラストダンジョンは普通のBGMなので安心。 しかし戦闘曲などは単調で、あまり盛り上がるとは言えない。 野球のミニゲームはそれなりに良くできている。 肝心のメインストーリーやゲーム部分がひどいので、ひたすらこの野球ゲームをやっているほうがよほど面白い。『ウルトラマン倶楽部3』が野球ゲーと呼ばれる所以である。 ちなみにこのミニゲームには実況アナウンサーがいるのだが、それを担当しているのがなんとウルトラの父。まさか石化しながら実況している……のではなく、恐らくは収録された音声をゲーム筐体が再生しているだけなのだろうが、それはそれで宇宙警備隊の大隊長が声優としてビデオゲームに出演しているという謎の副業をしていることになる。それでいいのか宇宙警備隊。 総評 前作から劣化したシステムや微妙な要素がそこかしこに見られ、全体的にプレイヤーの精神をじわじわと蝕んでいくような作りになっている。エースロボットバグに関しては擁護不能であり、商品失格レベル寸前といえる有様。一方、それ以外ではクソゲーにありがちな突出した個性や笑えるネタ要素がなく、あまり話題にもならない本作だが、総合的な「つまらないゲーム」としての完成度はなかなかのものがある。特に苦痛度では歴代のウルトラマンの家庭用ゲームの中でも1、2を争う。 とはいえ、戦闘バランスはクソなりに安定しており、根気と忍耐さえあればいつか必ずクリアできる内容には収まっている。そう、これはあくまでゲームとプレイヤーの精神力の戦いなのだ。単純に苦痛ばかりで面白くないゲームだが一応頑張ればクリア自体は可能という、いわゆるストロングスタイルのクソゲーと言えるだろう。 今から遊ぶ価値はよほどのマゾゲー好きでもない限りはないだろうが、過去に理不尽なダンジョンやエースロボットバグで挫折した経緯のある当時のプレイヤーは、この記事をきっかけにリベンジを果たしてみてはいかがだろうか。ストーリーはともかくとして、数年越しのエンディング画面にはいろいろとこみ上げてくるものがあるはずである。 余談 本作のラスボスは「RPG史上最も弱いラスボス」としてときどき名前が挙がることがある。 参考動画 + エースロボットバグ~ラスボス戦の動画(ラスボスのネタバレ注意) http //www.nicovideo.jp/watch/sm1295225
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2140.html
闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光 【とうじんまきょうでん へらくれすのえいこう】 ジャンル RPG 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア 1Mbit+64kRAMROMカートリッジ 発売元 データイースト 発売日 1987年6月12日 定価 5,300円(税別) プレイ人数 1人 配信 プロジェクトEGG2020年10月20日/500円(税別) 判定 バカゲー ポイント 意欲的な要素満載謎解きと情報収集が熱いゲームバランスには大きな難があるやっぱりデコゲー ヘラクレスの栄光シリーズ 概要 バカゲー(というよりデコゲー)要素 評価点 問題点 総評 余談 概要 『ドラゴンクエストII』の大ヒットで、ファミコンにRPGブームが到来した頃。データイーストもこのRPGブームに乗って本作を発表した。 公表された開発中の画面は、いかにも『ドラクエ』のパチモンを思わせていた。だが、発売された実際の製品は、意欲的なシステムを垣間見せながらもやっぱりデコゲーだった。 一般的なRPG同様、エンカウントする敵を倒し、経験値や金を稼ぎ、武器・防具を購入していくシステム。パスワードコンティニュー方式を採用している。 「闘人魔境伝~」というタイトルからして仰々しく、人によってはパッと見RPGと想像出来るかどうか怪しい。 しかしストーリーはしっかりしており、ギリシャ神話に出てくるヘラクレスの12功業をモチーフにして、諸悪の根源ハデスを倒しビーナスを救い出すのが目的。 開発中の画面と異なり、マップと街が一体化している。 マルチウィンドウ式ではなく、コマンド選択には画面下半分をまるまる使い、ステータス表示や会話などのメッセージ表示とも兼用。 その他随所で『ドラクエ』との類似点は残っているが、両手と片手の武器の違い、武器や防具の耐久力、武器ごとで得意不得意が異なる敵の属性など、オリジナリティある特徴もみられる。 両手持ちの武器は「片手持ち武器よりも攻撃力が高い」か「特定のタイプの敵に対し特攻効果がある」かのどちらかである。例えば、極めて素早いボスに対しては両手持ち武器「ぎんのゆみ」以外ではほとんどダメージを与えられないなど。 一方で、片手持ち武器とは異なり「盾が使えない」ためにその分の守備力が引かれ、受けるダメージ量が増える欠点がある。 バカゲー(というよりデコゲー)要素 そもそも「ヘラクレス(Hēraklēs)」とは「ヘラの栄光」という意味の名前である(女神ヘラからの難業に挑む者(*1)であった為。それ以前の幼名はアルケイデス)。なので本作の題名は名前の意味だけ取れば「ヘラの栄光の栄光」という「頭痛が痛い」みたいな二重表現になっている。一応「ヘラクレス」は固有名詞であるので誤りというわけではない。 おまけとして「ビーナス」はローマ神話の美の女神であり(ただしローマ神話はギリシャ神話のコピペな部分も多い)、ギリシャ神話の美の女神は「アフロディーテ」である(*2)。なお逆なら、ヘラクレスはハーキュリーズ(*3)、ハデスはプルートになる。 尤もデコに限らず欧米人名の由来を知らない日本人にはよくある事なので仕方がない(逆に「外国人の考えた変な日本人名」もよくある話である)。 そもそもギリシャ神話に題材を取るなら、ハデスが悪役である時点で色々とおかしいのだが(*4)……なお、同じくハデスを悪役にしてギリシャ神話ファンから非難されたディズニーの『ヘラクレス』よりも本作の方がだいぶ早い。 金の単位はGだが、ゴールドではなくギルバート。 2も同様。3以降はEC(欧州連合)加盟前までギリシャの通貨として現実に用いられていたD(ドラクマ)となった。 体力を回復する食べ物としてとんかつ・はくさい・さんまが普通に八百屋や肉屋や魚屋で売っている。 とんかつはいうまでもないが、白菜と秋刀魚も古代地中海沿岸地域にはない。なぜ無難に「ぶたにく」「レタス」「オリーブ」「サバ」など、ギリシャに関係がありそうなものにしなかったのか…。 値段に見合った効果がないことやアイテム所持数制限の関係から、基本的には実用性のない遊びアイテム。ただし「にんじん」だけはイベントで役立つ場面がある。 なお、続編からは「にんじん」はマヒ状態回復など実戦的な効果の回復アイテムに格上げされている。 武器や防具の耐久力の概念があるので、耐久力がゼロになって消失する前に鍛冶屋のヘパイトスに直してもらう必要がある。これ自体は別段おかしくもないが… このヘパイトスは5,000ギルバートで雇うことができるが、何故か「かじや」というアイテム扱いになる(*5)。所持中は戦闘後に自動で修理してくれる。 さらにこの「かじや」は普通に店で売り飛ばせる。もしかして奴隷みたいな扱いなのだろうか… ところでこのゲームではヘパイトスが町の鍛冶屋のように扱われているが、本来は鍛冶神である。 なお、本シリーズでは本作以降「ヘラクレスの顔なじみの鍛冶屋が後に神になった」という設定ではあるが(*6)、鍛冶神として扱われるようになった。 戦闘では『ドラクエ』と違いヘラクレスはよくしゃべる。「ゆくぞ!」「かくごしろ!」「どうだ!」(*7) さらに、ボスキャラとは戦闘中に「はなす」コマンドで会話が可能。「こころみのまど」を使えばボスの心の中も覗けてしまう(大半のボスは「はなす」コマンドとは別のコメントを持つ)。ゲーム進行上重要なヒントが得られる場合もあるので試してみる価値はある。 中盤のボス「ネイアス」が、「はなす」コマンドで話を聞こうが「こころみのまど」で心の中を覗こうが、戦闘中にも拘らず本心から常に友好的な描写になってしまっている点はご愛嬌。 主人公を「にゃんにゃん」で誘惑するトルバとの会話は必見。 戦闘に敗北した際のメッセージは壮絶。 + 死亡時のメッセージ おびただしい りゅうけつ! ヘラクレスはそのばに くずれおちたやがて しずかに めを とじてえいえんの ねむりに ついた 普通のゲームは「死んでしまった」「気を失った」という簡単な文で済まされるところだが、妙にリアルで生々しい。また演出も相まって不気味。 尤も、普通に所持ギルバートの半分で復活するので拍子抜けしてしまうが。 ちなみに炎に焼かれても「おびただしい流血」で死ぬ。砂漠で死んだときは「体力の限界」と表示される。 ヘラクレスは一切魔法を覚えない。 原作に当たるギリシャ神話もこうなので仕方ないのかもしれないが…その代わり武器を使い分ける必要はある。 自身の覚える魔法はないが魔法系アイテムはあり、それを使う際にはHPが消費される。 移動中専用でも戦闘用でも、アイテム使用でHPが引かれて0になっても死ぬことはなく、0のままその後も使用を続けられる。その状態で戦闘に入って1発でも食らうか、砂漠や溶岩地帯を歩けば死ぬ。 ちなみに敵はHPを回復する「ヒール」、ダメージとなる「ブレス」、眠りに誘う「スリープ」、武器・防具の耐久力を下げる「ラスト」の魔法を使う。 なお、本作以降もヘラクレスは魔法を使えなかったが、最新作である『ヘラクレスの栄光 ~魂の証明~』では使用可能になっている。 アテネの街のバーで10G払うと、マスターの女性が次のレベルUPまで必要な経験値を教えてくれるが、主人公を「ヘラちゃん」と呼ぶなど性格が軽い。 先述のことを考えると女神ヘラの名を呼んでいることになるが、これもまた外国語に疎い日本人には良くある話である。 ちなみに敵を倒した際に表示されるのは入手Gのみで、入手経験値は何故か表示されない。 住民が一部おかしい。 店や宿の建物に入ると店主のグラフィックが表示されるが、何故か男も女も半笑いで右手を画面に向かって指差しているという謎の汎用グラ。建物に居るポセイドンやヘラといった神々も同様の使いまわしグラフィックで、しかも何だか顔色が悪い。 カルノフの妹を自称するキャラがいる。 ちなみにカルノフ本人らしきキャラも出てくる。情報によるとヘベの城の近くでわめいているのがカルノフらしい。 「ぷっつん!」とだけ喋る住民がいる。 「ドクターなかもと」「かにちゃん」など変な名前の住人がいる。 モンスターはボスなどを除けば、「プノトン」「きこうへい」「コジマン」など、ギリシャ神話との関連性がなさそうなものばかり。 特に「サタンきこうへい」という甲冑型のザコ敵にいたっては、「サタン」はギリシャ神話とは別の宗教や神話の登場人物である。 救出対象であるビーナスもローマ神話の女神。ギリシャ神話ならアフロディテ。 さらに文字数の関係もあるのだろうが「 レッドがいこつ 」「 りょくひる 」(緑色のヒル)などという独特のネーミングセンスも本作を彩る。 「黄金の鹿」が誤植で「おおごんのしか」になっている(*8)。 レベル1の時点で既に逃げ出す敵がいる。 パスワード(蘇生の呪文)でコンティニューすると、全てのボスと宝箱の中身も復活する。 ただし、これはDQ2でも基本は同じで宝箱は復活するし、固定敵も一部を例外として復活する(その例外も一か所以外は撃破後に手に入るアイテムがフラグになっている)。 エラーチェックが甘いのか、パスワードを適当に入力してもゲームが再開出来てしまうことがよくある。 本作のようにマップが東西南北でループしないRPGは、世界の端が進入不可能な地形(海や山など)で埋められていることが多いが、本作では街の外壁などで見られる水色の壁で埋められている。 しかもマップの北端を見る限り「壁の側面」にあたる部分が見当たらないので実は壁ですらない。この水色のものは一体何なのか? ゾラ火山のイベントのエフェクトが掛かるタイミングがおかしく、会話中の女神が突然火山を爆発させたようにしか見えない。 とある神殿は見た目がギリシャ風で、内部にスフィンクス像やモアイ像が並んでいる。 天界にはペガサスに乗って行くことになるが、その時のデモは明らかにペガサス単体で飛んでいる。 評価点 一部のモンスターに設定された武器の相性の概念。物理攻撃においても明確な相性の概念を持ち出したRPGとしてはかなり早期の例である。 戦闘中に「ぶき」コマンドで1ターン消費して装備変更が可能。これによって「相性悪い武器を持った状況で戦闘に入った」場合でも気兼ねなく装備を変えられる。 盾を持てないリスクはあるが攻撃力は高い両手持ち武器の存在に加え、鍛冶屋を雇う前は武器の耐久力も重要な要素であり、複数の武器を切り替えて戦う戦略性がある。 最終盤になるまでは片手持ち武器は全体的に攻撃力が控えめなので、両手持ち武器と使い分けを行う価値はある。 ただ、間違えて「ぶき」コマンドを選択してもキャンセルできず、1ターンの消費もされる。 戦闘用のアイテムと相まって、『DQ1』のような一人旅、かつ魔法を使えない主人公でありながら、単調にしすぎない工夫が見られる。 街とフィールドの境がないシームレスマップ。国産の家庭用RPGでは後に『MOTHER』などに取り入れられるが、当時としては珍しかった。 一部の街道をNPCが歩いていたりして多少旅情を感じられないこともない…? アイテム「旅の翼」の効果である「訪れたことのある(*9)地名を選択してワープできる」という要素は、後に『ドラゴンクエストIII』など多くのRPGで採用されたことから、先駆的であったといえる。 ボスは単体で幾つかのグラフィックパターンを持っており、攻撃時や防御時に切り替わる(*10)。 ラスボスに至っては攻撃アニメーションまで用意されている。 ザコの色違いバージョンもパーツが細かく変えられており、また表示も左右反転させたりしていて、ただの色違いではなくなっているものが多い。このあたりは『ドラクエ』の良い所をきちんと真似た形になる。 BGMはなかなか聴き応えのある名曲が多い。 当時のRPGとしては珍しく、ラスボス戦のBGMとは別に通常ボス戦のBGMが用意されている。 問題点 戦闘面でのゲームバランスが劣悪。 エンカウント率がとても高い。 厳密には、このゲームのエンカウントは「256周期でオーバーフローしてリセットされる経過フレーム数のカウンタが、一定の範囲の値を取っているタイミングに十字キーのボタンを押している」ことでエンカウントする。そのため、移動中(十字キーを押しっぱなし)にすることで特定のタイミングで十字ボタンを押している状態となってしまい、エンカウントが多発することとなる。 + エンカウント検証動画 ちなみに戦闘における逃走判定もこのカウンタが一定の範囲の値を取っているタイミングでコマンドを入力すれば成功となる。BGMでタイミング(*11)を取って逃走を確定で成功させる手法が開発されたことにより、タイムアタックのクリアタイムが大幅に短縮された。 色違いの敵(=強化版)が全種類、1つの地域にまとめて出て来たりする。 特定の敵と相性の悪い武器ばかり持った状態でその敵が頻出する地域に入ると、逃げる以外に手が無くなる。 ゲーム開始直後はザコとの戦闘でも死にやすいのだが、それなりに高いレベルと装備を揃えるとラスボスからのダメージも1に押さえられ、苦戦もせずに倒せてしまう。クリア出来ないくらいの大ダメージを受けるよりは良いのだが。 ゲーム中最強の攻撃力を持つ敵は通常エンカウントする骸骨系最強の敵「しにがみ」。なお、下位種である「がいこつ」「レッドがいこつ」も、ラスボス以上に攻撃力が高い。まともに相手をするとほぼ確実に倒されるので逃げるが勝ち。 パスワードを聞ける施設がなぜか2番目の村にしかない。どうしても時間がかかる。 一部の街はムダにだだっ広いのに加えて通路が狭く、街の人に通路を塞がれやすい。 また、建物も入場の可否やどんな建物かが見た目ではほぼ分からない。 しかも建物内のNPCはほとんど役に立つ情報を持ってないのばっかり。 街の人は通路を塞いでなかなか退かないが、室内の人は異様に軽快なフットワーク。流れるような動きでヘラクレスから逃げて行くので会話するのも一苦労。 店は大抵は他の建物と違い派手なピンク色で、大きさも変えられている場合が大半だが、看板がないので入るまでは何の店だか分からない。 重要アイテムですら簡単に店に売れる(上記のように再開時に復活するので詰むことはないが)。 イベントアイテムが多いにも拘らず、アイテム所持可能数が少なすぎる。 イベントアイテム枠と通常アイテム枠を分けるような工夫も無い。 ヘラクレスは前後左右4方向分の歩きパターンがあるのに、街の住人は正面のみのカニ歩き。『ドラクエII』発表後の作品なのにどうしてこうなった…。 総評 本作には確かにゲームシステム上の欠点が多く、同時代の『ドラクエ』と比較するとクソゲーとみなす声もある。 その一方で、他作品にはない独特な作風や長所が光り、そういった意味で意欲的な作品であったことは疑いない。 後に名作とうたわれる『III』や『IV』をシリーズとして送り出すなど、色々な意味で不動の地位を確立した、まさにデコを代表するシリーズだったといえる。 余談 奇抜な『I』や、名作として知られる『III』や『IV』と比べ、『II』は『ドラクエ』の模倣に徹してしまっており、ストーリーは高く評価されているが、やはり本作同様劣化『ドラクエ』である(しかもエンカウント率が高め)。 『II』では八百屋の類は消滅。本作のキーアイテムとなったにんじんだけは麻痺回復アイテムとして残留。なぜにんじんにこだわる? さらに『I』と『II』をつなぐ外伝的作品『動き出した神々』がゲームボーイで発売。この作品で、本作で敵対したハデスは偽物であることが判明する。 ちなみに、『動き出した神々』は2011年8月24日からニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信されている。 『III』と『IV』もバーチャルコンソールに配信されていたが、『I』と『II』は何故かバーチャルコンソールに配信されていない。 パスワードで「はんしんがゆうしようすることはありえないよ」と入力すると、レベル2でゼウスの剣を装備した状態から再開できる。現実のプロ野球の阪神タイガースは、本ソフトが発売された1987年、開幕直後から極度の成績不振にあえぎ、最終的にはダントツの最下位に終わっており、その事実を反映させたお遊びネタと言える(*12)。なお、2003年4月にデータイーストは倒産してしまうのだが、この年、阪神タイガースは18年ぶりにリーグ優勝を果たしており、何とも奇妙な因縁と言える。 実際はバグアイテムを所持・装備していることから『ドラクエII』の有名パスワード「ゆうてい~」のような偶然の産物である可能性が高い。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/4908.html
※用語集/全般の項目名は「名作・良作まとめwiki」から引用しています。 姉妹Wikiから文章を整え直して流用してもOKです。 名作・良作まとめ 用語集/全般(一部に「ジャンル」カテゴリも含む) クソゲーまとめ 用語集/全般……あ行 / か行 / さ行 / た行 / な行 / は行 / ま~わ行 注意事項は用語集を参照。 用語集/全般/な行以降 ゲームに関する専門用語や、当Wikiの記事中に登場する固有名詞に関する一覧。 新たに項目を作成したい場合は、必ず用語集スレへ相談して下さい。相談無く追加された項目は発見次第、削除します。 また、編集を行う場合は過剰な個人叩き・企業叩きを控えてください。 用語集/全般 - あ行 / か行 / さ行 / た行 / な~は行 / ま行以降 [部分編集] 内部ランク 名前登録 難易度 / 難度 難易度曲線 難易度設定 ナンバリングタイトル 2段ジャンプ 壁ジャンプ 壁走り ネタバレ Perk バーチャルリアリティ ハード格差 ハードコア パーマデス 買収 配信サービス サブスクリプションサービス パカパカ / ポケモンフラッシュ 光過敏性発作 バグ パスワード PIN ワンタイムパスワード / OTP バックストーリー パッケージ パッチ 有料パッチ ワンデイパッチ バッテリーバックアップ バニラ バフ / デバフ / パッシブ ハメ技 バランスブレイカー BAN 版権 バンドル BGM 主題歌 ビーフアップ / ナーフ 非公認ソフト PvP PvE ヒットストップ ビデオゲームの栄誉の殿堂 表現規制 ヒロイン ファストトラベル ファンディスク フォトリアル フォント 復刻版 復刻版ミニゲーム機 物理エンジン ぶっぱなす / ぶっぱ フラグ Flash フランチャイズ(Franchise) フリー・トゥ・プレイ(F2P) / フリーミアム / 基本プレイ無料 PtW / P2W(Pay to Win / ペイ・トゥー・ウィン) Play to Earn(プレイ・トゥー・アーン) プレイアブル プレイ時間 プレイ動画 PK(プレイヤーキラー) MPK(モンスター・プレイヤーキラー) プレミア フレンドリーファイア プロモーションビデオ ベータ版 ヘイト ベクタースキャン ヘッドショット ボイス フルボイス ボス ボスラッシュ BOT 没入感 ボム / ボンバー ポリゴン ローポリゴン 内部ランク 一般的に「ランク」と呼称される。この呼び方の場合は主にSTGでしばしば出てくる「プレイ中のプレイヤーの腕前(ランク)に応じて自動調整される難易度」のことをよく指す。 初期設定された難易度に加え、ランクに応じてさらに難易度が上がっていくが、難易度が上昇していることをプレイヤーに(一目で)わからせないようにしていることから「内部ランク」と言う。 一例として、生存時間や自機のパワーアップ状態等に応じて内部のランクカウンタが上昇し、こっそり難易度を上げて先に進ませないよう行く手を阻んでくる。 ここでプレイヤーがミスをすれば、内部ランクが下がる(=難易度が下がる。が、初期値以下にはならないし、初期値になるとも限らない)と言ったもの。 例えば『グラディウス』シリーズでは下手に自機をパワーアップさせるとそれ以上に敵が強くなるため、パロディウスシリーズに搭載された「自動パワーアップ」は「勝手にランクを上げてしまう罠」とまで言われたぐらいである。 また、『ピンクスイーツ』のように通常ショットを連射しただけでも上昇、ボンバーを使っても上昇、イベントシーン中も生存時間と見なされて(スキップしないと)上昇、といった極端な物も。 内部ランク自体は昔から存在し、現在ではSTG以外のゲームにも似た概念を持つものが存在するが、嘗ては一部のハイスコアラーが「稼ぐためにわざとランクを上げる」ぐらいしか気にはしなかった。 しかし、1990年代以降は「ランクの上昇を抑えないと1周クリアさえ難しい」というSTGが登場し、一般プレイヤーでも「如何にしてランク上昇を抑えるか?如何に有利な場所で自滅してランクを下げるか?(不利な場所でミスした場合、復帰が絶望的になる)」と言った計画的なプレイに神経質にならざるを得なくなった(*1)。 要するに縛りプレイじみたパターン構築を強要することになるため、内部ランクの影響が強いと初心者離れを加速させるとして批判点に上がる。 名前登録 書いて字の如くゲーム内の名前を好きに付けられる機能のこと。「ネーム登録」とも呼ばれる。 FCなどの黎明期は自由に名前を付けることが可能でRPG、アドベンチャーゲームではプレイヤーの没入感には欠かせないもの。 さらにポケモン等のモンスター収集・育成では個別に「ニックネーム」として付けられることも可能になった。 ゲームの進歩と共にボイスが当たり前になってくると名前をボイスで再現することは難しいため名前で呼ばれず「キミ」「お前」などの二人称呼びになったり、主人公の名前が固定になったことでそもそも名前が付けられないものも多くなっていった。 とはいえ一部のゲームは名前が付けられるものは少なくなく人工音声で再現、ハナモゲラ語で再現といったゲームもある。 アーケードの場合はスコアボードのリストに書き込めたり、オンラインゲームでは多数がプレイヤーとして存在するため個々の名前を付ける必要がある。 ただオンラインゲームの場合、運営方法にもよるがサーバー統合する際は他プレイヤーと被ってしまうということが起こりうるのでその際は再登録するということも無くは無い。名前に思い入れがあるなら尚更である。 人工音声で名前呼びを再現……『トモダチコレクション』『どうぶつの森』シリーズ 名前登録が裏技になる……『ダウンタウンスペシャル くにおくんの時代劇だよ全員集合!』 あることをすると強制的に名前変更……『ゼルダの伝説 夢をみる島』 ヒロインに名前を付けられるがためにトラウマに……『バハムート ラグーン』『MOTHER3』 難易度 / 難度 そのゲームがどのくらい難しいか、という指標のこと。難しいゲームであれば「難易度が高い」と、簡単であれば「難易度が低い」という表現をする。 ゲーム制作において重要かつ匙加減の難しい要素で、あまり高くしすぎるとクリアできず挫折するプレイヤーが続出し、低すぎると何も考えなくてもクリアできてしまう張り合いのないゲームとなる。 どちらも評価を下げる一因であり、幅広い層に対応すべく、プレイヤーが自分の技量に合った難易度を選べるようになっているゲームも多い。 好みは人それぞれ。世の中には難しいゲームを好む人もいれば簡単なゲームを好む人もいるため、よほどひどい場合でもなければ難易度の高低だけでそのゲームをクソゲー扱いしてはいけない。 「お前にとって難しすぎる(簡単すぎる)だけだろ」と言いくるめられるのがオチである。 現代ではライトゲーマーの増加により難易度を抑えた(または気軽に爽快感を得られる)作品の需要が高まっている。 ソーシャルゲームのオート機能などはその流れの影響と言える。 一方でソウルボーンに代表される、選択の余地のない高難易度の作品が世界的に評価されるといった事例もあり、プレイヤーを突き放すような辛口ゲームが滅んだわけではない。 難易度が低すぎるという理由でクソゲー扱いされているタイトル……『NHKおかあさんといっしょ にこにこぷん』 参考リンク その他ゲーム一覧 (不安定) 難易度曲線 難易度の推移をグラフ化したもの。 文献等では通常横軸をゲームの進行度、縦軸を難易度とするため、本項でもそれに倣って説明する。 例えば落ちものパズルでスコアの加算に応じて落下スピードが上昇する場合、単純にスコアに比例して難度が上がるので、難易度曲線は比例直線となる。 このような場合、ただ上昇するだけではプレイヤーに歯応えという名のストレスを与え続けることになり、集中力が持続できない、達成感を得にくいといった欠点が生じる。 別例として、RPGのようにキャラクターに成長要素がある場合、同じだけ敵を強くすると難度の感じ方は終始同じになり、グラフとしては平坦となる。 こうしたケースはプレイに緩急が無いため、単調・退屈と問題にされやすい。 上記のような問題をプレイヤーに感じさせないよう、ゲームを制作する側は難易度曲線の設計に注意を払う必要がある。 セオリーとしては、上昇基調の中で難度をある程度上げたら一旦少し落としまた上げてを繰り返し、メリハリをつけるのが良いとされている。 グラフの形状で言えば、ノコギリの刃を斜めに立てたようなイメージである。 とはいえ正しい難易度曲線というものは存在せず、むしろ序盤に大きな障壁を用意してインパクトを与えたり、ストーリーの都合上あえてラスボスを弱くしたり、といった形でゲームの個性を際立たせるケースもある。 前述の平坦となる難易度曲線にしても、低年齢層向けのゲームなら終始低難度寄りであることが求められ、逆に『魔界村』シリーズや『DARK SOULS』シリーズのように常に全力でプレイヤーを殺しにくることをシリーズファンから期待されている作品もある。 つまりは世界観やプレイスルー上でのプレイヤー心理にうまくハマれば「適切な難易度曲線」と評価され得るし、ハマらなければ「難易度曲線が歪」として悪評に繋がりやすくなるという訳である。 難易度設定 古くは大体のアクションゲームに、近年ではRPGにも搭載されているゲーム全体の難しさを設定できる機能。 初期エクステンド数やコンティニュー回数などの調整とは別。 アーケードゲームでは単に数字(1が最も簡単で数字が上がるごとに難しくなる)か英語(EasyやHardなど)あたりが店舗設定的な意味でも主流だったが、2000年代からは世界観に合わせた単語(和風であれば「極楽」から「修羅」など)や概念的な単語も多い。 簡単な説明がなされているものも多いが、だいたいは低難度であれば「ゲームに初めて触れる方向け」で、高難度であれば「ゲームに慣れた方向け」というような感じが通例。 だが、稀に極端な例として最低難易度なのに「シリーズ未経験者が難しく感じる難易度です」など、「難しい」という表現にこだわった説明をしているものも。 ゲームに及ぼす影響もいろいろで、簡単にすることで「敵の数が減る(*2)」「敵が攻撃してこなくなる」「取得経験値やお金が増える(*3)」もの、果ては「敵にぶつかってもミスしなくなる」「全滅してもその場で完全復活」という強烈なものまで。 一方、難しい側は「攻撃の種類・頻度などが激化する(カウンター、撃ち返しの発生も含む)」「耐久力増加、(見えない)パラメーター増強などのステータス補正」「的確に弱点を突くなどのルーチンの強化(*4)」などが挙げられる。 シミュレーションゲームでは敵AIの挙動を調整することで難易度を調整するものがあるが、『Civilization』シリーズのように低難易度ではプレイヤーにボーナスを与え、高難易度では敵AIやその勢力にボーナスを与えるという粗い難易度調整もある。 加えてゲームによっては敵AIの賢さを個別に設定することで難易度をカスタマイズするものもある。 『Stellaris』は難易度に関わる設定項目が多すぎて、初心者には設定内容がゲーム内でどのように効いてくるのかを想像するのが難しい項目があり、初期設定自体がハードルの高いものとなっている。 ゲームスタート時に難易度を選ぶとその後は難易度を変更できない物が多いが、『HITMAN』や『Sniper Elite』シリーズのようにミッションごとに難易度を変更することも可能なものがあり、『Styx Master of Shadows』『DOOM (2016)』『Ghost of Tsushima』などのようにゲーム途中でも難易度を変更できるものすらある。 選べるからには高難度の方において、主に「獲得スコアが増加する」「持ち越せるアイテムの質が向上する」といった何かしらのメリットがある場合もある。 一時期前の格闘ゲームやSTGに多かった「エンディングが変化する」ケースはプレイヤーにとってのある種の栄誉であるが、ストーリーを見たいプレイヤーを切り捨てることになる諸刃の剣でもある。 他、『新・光神話 パルテナの鏡』などの様に、難易度設定そのものをゲーム性と設定に取り込んだものもある。 ただし調整をプレイヤー側に委ねた結果、根幹のバランス調整が疎かになっている(*5)場合もあり、ここにきて「バランスのためのバランス」を取らなくてはいけないという最早パラドックス的な状態に陥っているケースも少なくない。 シリーズ作品においては、大味なバランス調整で難易度が乱高下する場合があり、1作目が簡単過ぎた反動で2作目が無理ゲー級の難度となり、その反省で3作目で簡単に逆戻りした実例や、その逆の実例もある。 アーケードゲームにおいては、原則としてプレイヤーではなく設置店舗側で設定するもの(*6)であり、遊技料金に応じて格安店ではハードランク設定にしてプレイ時間の短縮を図り、高額店ではイージーランク設定にして料金以外のサービスの一環とすることで競合店舗との差別化を図ることが多かった。 ただし、コナミの『BEMANI』シリーズやバンダイナムコの『太鼓の達人』シリーズなどの音楽ゲームでは、誰でも楽しめるようにするため、1曲ごとに難易度の異なる数本の譜面からプレイヤー自身で選択できるのが当たり前になっている。 また、筐体設定側においてもクリア難度に影響を与える設定が存在するゲーム機種も存在する(*7)。 オンラインによる配信と記録保存が前提となった今日の音楽ゲームの大半は環境統一のために筐体難易度は存在せず、2~5段階程度のステージ難易度選択が可能な場合がほとんどとなっている。 ナンバリングタイトル 番号付けされたゲーム。主に「外伝やスピンオフ作品ではない主軸作品」のという意味で使われる。 例えば『ドラゴンクエスト』シリーズは『1』から『11』がナンバリングタイトルで『ドラゴンクエストモンスターズ』や『ドラゴンクエスト不思議のダンジョン』等はナンバリングタイトルに含まれないスピンオフという扱い。 外伝でもシリーズが続くとナンバーが振られることがあるがあくまで「ナンバリングタイトル」は本編のみを指す。 何故このような使い分けがされているかというと、ゲーム業界では人気の出た作品の前日譚や後日譚が作られたり、果ては同じ世界観やキャラを使った別ジャンルのゲーム(RPG作品から派生した格闘ゲーム等)が作られたりするためである。 ただ、ナンバリングしていたタイトルも何かのタイミングでナンバーを止めたり(『スーパーマリオブラザーズ』『実況パワフルプロ野球』等)、逆にそれまで機種名等を付けていたものが途中からナンバーを採用(『マリオカート』『ウイニングイレブン』等)する場合もある。 また、『テイルズ オブ シリーズ』のようにナンバリングされていないが本編と外伝が区別されているシリーズや、本編とされる作品にナンバリングがついているものとそうでないものが混在して「"2"がシリーズ3作目」という不思議なことが発生するシリーズ(『星のカービィ』『キングダムハーツ』等)というケースもある。 さらに最近ではタイトルからナンバリングを外しながらも、ロゴにローマ数字の意匠を施してナンバリング相当の作品であることを表している『バイオハザード ヴィレッジ』のようなゲームも。 日本版と海外版でナンバリングが一致しないケースもあり、ナンバリングについてはシリーズの歴史にも関わる難しいところもある。 『スーパーマリオブラザーズ2』が日本と海外で内容が別物(詳細は『スーパーマリオUSA』を参照)だったり、『グラディウス』のように海外で『グラディウス』を名乗ったのは『III』からという事例も(しかも『沙羅曼蛇』が入るのでシリーズ4作目)。 『ファイナルファンタジーVI』が海外では『III』として発売されたが、次作『FFVII』から日本とナンバリングを同期させたため混乱を招いた。 『ドラゴンクエスト』シリーズは海外では版権が理由で長らく『DRAGON WARRIOR』として発売されていたが『VIII』からタイトルが『DRAGON QUEST』とされるようになった(*8)。 『三國無双』シリーズでは『真・三國無双』が『Dynasty Warriors 2』で、『無双OROCHI』シリーズの『魔王再臨』が『Warriors Orochi 2』となったため、これ以降で日本版と海外版でナンバリングが1つズレている(*9)。 なお、日本では『SILENT HILL ZERO』や『龍が如く0』のようにシリーズ1作目以前の物語に「0」というナンバリングを付ける傾向があるが、これは日本独自の解釈であり、海外には「0」というナンバリングの概念が存在しない(*10)。 一時期、シリーズ作品において新規ユーザーに配慮して最新作のタイトルからナンバリングを外す傾向が見られた。 しかし、実際にはタイトルにナンバリングの付いた作品の方が新規ユーザーが増える傾向があり、現在では再び最新作のタイトルにナンバリング付けるシリーズ作品が多くなっている。 実際、人気シリーズのナンバリング最新作が発売された前後には過去のシリーズ作品も売上が伸びるため、ナンバリングタイトルに大きなマーケティング効果があるのは間違いないだろう。 2段ジャンプ アクションゲームや格闘ゲームで、キャラクターが地上からジャンプした後、足場のない空中でさらにジャンプする動作のこと。 現実ではありえない動作だが、ゲーム内でこれができるようになるとアクションの幅が大幅に増えるため、採用されているゲームは多い。 しかし、多段ジャンプがどこまでもできるとバランスが壊れてしまうため多くても3段まで、など制限されている。 2段ジャンプを最初に採用したのは1985年発売のアーケードゲーム『ドラゴンバスター』であると言われている。 壁ジャンプ ジャンプしたキャラクターが壁に接触し、反動で反対側に飛ぶ動作。三角跳びとも言われる。 2段ジャンプと異なり、間隔の狭い向かい合った2つの壁があるなどの条件が整えば壁ジャンプが成功する限りどこまでも登っていけるように調整されていたりする。 壁走り 壁に対して正面からではなく斜め方向からジャンプすることで、壁を走れるアクション。『Darksiders II』などの3Dアクションゲームや、一部のレースゲームで見られる。 ネタバレ 作品の結末や核心部分等、重要な内容を暴露してしまうこと。 英語圏では害するを意味する「スポイル(spoil)」から、楽しみを害するという意味を込めて「スポイラー (spoiler)」と呼ばれる(*11)。 そのことからわかるように、核心部分を事前に知ってしまっては興を削がれるということでネタバレを忌み嫌う人は多い。 ネットが発達してからは掲示板やSNSでのネタバレが多くなってきたため、購入前やプレイ中はネットを断つという人までいるほど。 特にTwitterなどのSNSでは不特定多数に触れやすいので楽しみを共有したいのにネタバレしてしまっては…と戦々恐々となってしまう。 パッケージ版を全世界同時販売するようなゲームの場合は運賃の安い船便で世界各地に運ぶためには、発売1ヶ月以上前にはパッケージ生産を済ませて発送をしないと間に合わない。 よってそういった近年のソフトは、発売1ヶ月前にはパッケージに収録されている内容は漏れるという前提でメーカーは動いている。 一例として『スマブラSP』のように発売1ヶ月前に公式が収録キャラを全て公表したり、パッケージ版でも発売直後にパッチで要素を追加するなど新鮮味を加える対応も珍しくない。 逆にネタバレを好む人も多数存在しており、ゲーム中での対策の難しいギミックへの予習のみならず、ストーリーで予め結末や核心部分を知ればプレイする際にストーリーを更に楽しめたり(*12)、未プレイ者でもストーリーやキャラに興味を持てば購入に繋がったりする、ネタバレならではのメリットも見られる。 ネットが普及した現在においては、個人によるプレイ動画のネット配信を容認しているメーカーでもネタバレには厳しいところが増えている。 昨今では、特にADVやRPGなどのストーリー性の高い作品については、動画の投稿等に一定の制限(*13)を設けている場合が多い(*14)。 補足しておくと、ネタバレそのものは法律で禁止されていない。 法律的な観点から問題視されるのは「著作権侵害にあたる方法」で詳細な内容を公に発信した場合(*15)である。 プレイ動画のネット公開も本来はそれ自体が著作権に抵触する行為であるが、メーカー側に黙認・もしくはガイドライン制定の上で容認されているだけである。 Perk パークと読む。「Perquisite」の省略形で「特典」「役得」等を意味する。 洋ゲーで主に使われる用語で、レベルアップ等で得たポイントと引き換えに獲得する「スキル」のこと。 Interplay社が開発した『Fallout(*16)』に搭載されたシステムが元ネタで、これ以降他社のゲームでも採用されるようになっていった。 バーチャルリアリティ 仮想現実(Virtual Reality)略してVRと呼ばれる。コンピュータによって作り出された環境を現実だと知覚させる技術。 360度全てがゲーム画面になるため通常のゲームを超える高い没入感を得られるのが特徴。 研究自体は古くからされており、1990年代にはヘッドマウントディスプレイを装着させるタイプのゲームも出ていたが、画素数が粗く没入感を得られなかったうえにあまりにも高価などといった理由で普及しなかった。 2010年代になってOculus Rift、PC/Steam用となる「HTC Vive」やPS4の周辺機器「PS VR」等と言う形でようやく性能と価格の水準が落ち着いたことで、一般への普及が始まってきた。 それに伴いゲームの種類も充実するようになってきている。 日本で一番ネックなのは「部屋が狭いのでロクに歩いたり振り回したりできないこと」と言われている。 VR対応ゲーム……『バイオハザード7 レジデント イービル』『Rez Infinite』等 VR専用ゲーム……『Beat Saber』『Half-Life Alyx』等 ハード格差 各ゲーム機のスペックによってゲーム性が左右されること。 マルチリリースしているゲームソフトや同時接続ネットワークで提供しているいわゆるMORPGやMMORPGに起こりやすい問題。 データのダウンロードに長い時間を要されることもあればタイムラグがハード間によって生じやすいゲームがあったり、処理落ち、最悪ブラックアウトやフリーズしてしまうケースのものもある。 こういった問題は日本ではネットゲーム黎明期にあたる2000年代から2010年代初頭に起こっており、当時は主にゲームハードのリリースから高機能のPC、高スペックのゲームハードへのマルチ展開へなることが多く、CPUやビデオチップ、メモリの性能差の関係から開発者にとっては悩みの種となることが多い。 長くサービスが続いているゲームであればあるほど追加コンテンツ等でデータが積み重なり、結果古いハードは容量の問題で頭打ちとなるケースがほとんどでハード打ち切りとなり、プラットフォームが高スペックのゲーム機やPCに限定されてしまうということもままある。 ユーザーによってハード打ち切りは由々しき問題ではあるものの、時代の流れゆえに仕方ないと受け入れるユーザーも多い。 ハード格差が生じたゲームの例……『ファイナルファンタジーXI』『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン』『ファンタシースターユニバース』等 ハードコア 「中核」「強硬派」等を意味する英語で、ゲームにおいては主に洋ゲーで見られるモードを指す。 死んだら復活なし + セーブ消去(最初からやり直しのパーマデス制)、適度に睡眠や食事をしないと能力低下や死亡するなど、難易度設定の影響とは別の一部システムをより高難易度な仕様に変更するゲームモード。 過激なゲームプレイを所望するドM凄腕ゲーマー向け。難易度設定とは別個のオン・オフかつ、専用のセーブデータで遊ぶなどといった区別がされていることが多い。 ゲームにもよるが、概ね「最初はプレイ不可だが一定条件を満たすことでプレイ可能になる」隠し要素として実装しているものも多い。 音楽においても、「ハードコア・パンク」「ハードコアヒップホップ」「ハードコアテクノ」と呼ばれるジャンルがある。 この中でも「ハードコアテクノ」は音ゲーやSTGなどといったアーケード・アクションゲームにおいて高難易度要素に絡む形でよく採用され、ゲームミュージックやDTM業界において「ハードコア」という言葉が使用される場合は、大体「ハードコアテクノ」を指すようになった。 パーマデス 「蘇生不可能な死」を表す英語の「PermaDeath」のこと。「Permanent (永久化)」と「Death (死)」を合わせた造語。 コンピュータゲームの界隈では、長い時間をかけてキャラを成長していく要素があるゲームにおいて、一度死んでしまうと二度と復活できずにすべてを失うような仕様になっているものを「パーマデス系」などと呼ぶ。 ローグライクのジャンル、あるいは上記の「ハードコアモード」の追加要素でしばしばみられる。 パーマデス系のゲームはプレイヤーに緊張感を与えるが、死んだらプレイの全てが無駄になるという意味で、この上なく人を選ぶ要素の1つ。 「ハードコアモード」のようなオプション要素ならまだしも、根から難易度が高いゲームの強制仕様であるケースもしばしば。 関連:キャラロスト / デスペナルティ 買収 ある企業が他の企業を支配する目的で議決権の概ね過半数を買い取ったり、事業部門を買い取ったりすること。 世間一般でも大きな企業が小さな企業を買収することはよくあることだが、ゲーム業界では主にパブリッシャーがデベロッパーを買収することが多い。 ゲーム業界における史上最大の買収は、やはり2020年9月21日のマイクロソフトによるZenimax Media及びその傘下スタジオ(Bethesda、id Software等の老舗デベロッパを擁する)を買収したことだろう。 さらに、マイクロソフトは2023年10月13日にも『Call of Duty』シリーズや『Overwatch』で知られるゲーム業界の古株であるActivision Blizzardを買収している(*17)。 近年マイクロソフトは大手デベロッパーの買収に力を入れており、結果として多くの人気シリーズの最新作がCS機においてはXboxハード独占となってきている。 また、マイクロソフトはゲーム業界に参入する前年の2000年に任天堂を買収しようとして失敗したことを公式で認めており、もし実現していればゲームの歴史が大きく変わっていただろう(参照)。 なお、マイクロソフトに続くようにSIEも2022年2月1日に『Destiny』シリーズの開発元であるBungie(*18)買収する等、海外デベロッパーの買収を進めている。 だが同時にSIEは日本市場をターゲットから外しているのか、PSのJapan Studioを解体するといった行為も行っており、日本のユーザーから反感を買っている。 なお、買収されればそれでその会社は終わりというわけでもない。 例えば、『HITMAN』シリーズの制作で知られているIO Interactiveは、2004年にEidos Interactiveに買収され、さらにそのEidos Interactiveは2009年にスクウェア・エニックスに買収されたため、IO Interactiveもスクエニ傘下となった。 ところが、2017年にIO Interactive経営陣によるスクエニからの自社株買い戻しにより、IO Interactiveは再び独立している。 配信サービス 過去のゲームおよび最新作の大半が有料ダウンロード販売されているサイト。 中にはプレミア化されたゲームも配信されているため、安価で購入できるので便利である。 任天堂は「Nintendo e-Shop」が、ソニーは「Playstation Store」が、マイクロソフトは「Microsoft Store (旧Xbox Store)」が購入窓口。 PC向け配信サービスとしては日本国内ではD4エンタープライズ(旧ボーステック)の「プロジェクトEGG」と、EXNOA(DMMの子会社)の「DMM GAMES」が、世界規模ではValveの「Steam」と、GOG Limited(*19)の「GOG (旧称 Good Old Games)」と、Epic Gamesの「Epic Games Store」と、EAの「EA app」と、ユービーアイソフトの「UBISOFT Connect(*20)」が代表的。 購入の際は「ニンテンドープリペイド (Switch)」「PlayStation Store Card (PSP~PS5)」「Microsoft Point (360~XSX)」といったポイントが必要となる。 クレジットカードで購入する場合は決済時に自動的に変換されるので意識せずに済むが、持っていない場合は事前にプリペイドカードとして各所で売られている物を購入、各ストアにコード番号を入力してポイント化のあとストアで購入となる。 ちなみにだがこのプリペイドカード、レジで認証しないとコード番号が有効にならないので、万引しても無駄である。 ただし、プロジェクトEGGはゲームごとの個別購入の他、月額550円の月会費が必要となる。 とはいえ無料ゲームの配布もあるため、後述するサブスクリプションサービス使用料のついでにゲームを購入可能と思っておくべきか。 サブスクリプションサービス 通称「サブスク」と呼ばれる、ストアに月額料金を支払うことにより、100本程度のゲームが自由にプレイできるサービス。 様々なゲームをローコストでプレイ可能だが、月額を支払うというところに抵抗を感じる人も多い。 特に一つのゲームを数ヶ月単位でやり込むタイプのプレイヤーの場合、結果的にサブスク料金を支払い続けるより普通に購入した方が安あがりになる場合がある。 ゲームにはプレイ可能期間が決まっている場合があり、それを超えてプレイしたい場合は改めてゲームを購入する必要があるが、セーブデータはそのまま持ち越し可能。 現在のゲーム業界では、Microsoftが本格的なサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass(*21)」に力を入れており、これに加入すればXboxハードの新作を発売日から遊ぶこともできる(*22)。 また、Originのサブスクサービス「EA Play」ではEAの新作を発売日より10日前から最速でプレイ可能とうたっている。近年ではiOS向けのゲームサブスク「Apple Arcade」も見られている。 また「Nintendo Switch Online」「PlayStation Plus」「Humble Bundle Trove」のように、他のサービスのおまけとしてサブスクが付随しているタイプもある。 ただし、付随におけるサブスクの場合は「フリープレイ」というあくまでも有料オンラインの特典サービスであるため、他のサブスクと比べると本当におまけ程度のものである一方、元のサービスの利用権が有効な間はずっとプレイ可能という形を取っている。 一方、SIEはPS5で「Playstation Plus Collection」という新たなサービスを開始したが、こちらはPS5からしかアクセスできないため、PS5を所持していないとこのサービスの恩恵を受けられないのに加え、2023年5月9日にはこのサービスが終了する。 なお、「PlayStation Plus」では2022年6月2日から月額料金で300本以上のゲームを自由に遊べる新たなプランが導入され、初代PS/PS2/PS3/PS4/PS5/PSP (PSVを除く) のゲームがダウンロード及びストリーミングで遊び放題となった(*23)。 ちなみに、Paradox Interactiveは2021年夏から『Europa Universalis IV』や『Crusader Kings II』等で、ゲーム本体所有者に対して全てのDLCを1ヶ月間使用できるサブスクリプションサービスを開始している。 これは後追いで「Nintendo Switch Online+拡張パック」も採用している。 パカパカ / ポケモンフラッシュ アニメやゲームに用いられる表現技法で明度の強い色や光を交互に点滅させることで迫力のある演出が可能になる方法。 後述の事件から「ポケモンフラッシュ」と呼ばれる場合もある。 元々はアニメで使われていたがゲーム機の技術向上でFC時代から演出が可能になり、以降はよく表現技法として使われるようになった。 当初は問題視はあまりされなかったものの1997年12月16日放映されたアニメ『ポケットモンスター』の第38話を見た多くの視聴者(多くは子供)が光過敏性発作で倒れ、緊急搬送される事態に(通称:ポケモンショック、ポケモンフラッシュ)。 以後問題が取り立たされガイドライン制定。チェックが厳しくなっていった。テロップに「テレビを見るときは部屋を明るくしてから見てください」と表示されるようになったのもこの出来事があってのことである(*24)(*25)。 ゲームソフトも例外ではなく、『ファイナルファンタジーV』の一場面にてプレイヤーがてんかんを起こすという問題も過去に起きている。 「バーチャルコンソール」や「ゲームアーカイブス」等で復刻されているレトロゲームはこの出来事に配慮して「修正」される場合があるが、ハード根本のソフトウェアでは修正のしようがないため、以下のソフトはプレイには注意を払った方が良いだろう。 読んで字の如くだが、この出来事のせいで『ポケットモンスター』は不名誉な語句を残すことになってしまったのは言うまでもない。 他にも、上述の事件の影響で当時は1998年4月に発売予定だったGBCが半年後の同年10月に発売が延期される等という弊害も起きている。 フラッシュや点滅が激しいゲームソフト……『トランスフォーマー コンボイの謎』『ドラえもん (FC)』『アトランチスの謎』『クインティ』『ムーンクリスタル』『ファジカルファイター』 使い方によっては危険を伴うソフト……『マリオペイント』 光過敏性発作 上記のパカパカが原因で発生する可能性のある体調不良や、その症状をこう呼ぶ。 かつては『光過敏性てんかん』とも呼ばれていたが医学的なてんかんの定義に合致する症状とは限らないため現在の呼称となっている。 人類の脳や目が人工的な光の明滅に晒されるようになったのは比較的最近のことであり、それをもたらすテレビやパソコン・携帯電話などが個人レベルに普及してからはさらに歴史が浅いためにまだ研究が進んでいない。 しかし、概ね「数千人に1人程度の耐性が少ない者が、激しく光が明滅するなどの刺激を受けると発症する」ことが多い。 条件が同じでもその映像に熱中する、つまり画面に物理的に近づいてより刺激を受けたり、映像内容に意識が集中することでさらに危険性が増す。 2021年時点では家庭用ゲームのハードメーカーは光過敏対策として、光の表現を抑えるガイドラインを定めている。 激しい光の明滅描写が一定限度を越えるゲームが発売されることは少なく、レトロゲームを復刻する場合も該当しそうな場面があれば修正している。 だが、スマホ用アプリやゲームでは厳格な基準ができていないため、例えばガチャで大当たりした等の「演出を盛り上げる」時に激しいフラッシュの明滅を起こすアプリも存在する。 またCSゲームでは考慮されているといってもあくまで見る側の体質による個人差がある。 加えて、ゲーム表現側でたまたま特定のエフェクトが重なって眩しくなることで光過敏性発作を起こすことはありえる。 そのため、普段から自分の体調を考慮してゲームをプレイし、それらしい症状を自覚したら医師に相談することが望ましい。 既存の映像作品で光の描写を修正すると言っても、例えばテレビアニメの再放送の場合は、映像データはあってもアニメのセル画などの元の素材をいじることは難しい。 それ故に、激しく光る表現を「描き直す」ということはせずにその場面全体を暗くすることで対応することが多い。 見る側からすれば「修正する必要があるのはわかるが雑なやり方」と感じるが、現実的には他に対応法がないケースと言える。 ゲームで同様の修正を行う場合も、ゲームデータを書き換えることが可能ならばなるべく描写を損なわず光の表現だけを直すことは可能。 ただし、それが難しい場合はいわゆるフラッシュを消すだけだったり、やっぱり直せないので再配信を諦めるなどケースバイケースである。 バグ 製作側の意図しない不具合のこと。「Bug」とは元々「虫」を意味する英単語。 言葉の由来は、コンピュータに混入した小さな虫が原因で不具合を引き起こしたという逸話からプログラムの不具合をバグと呼ぶようになった、という説が有力。 なお、プログラムの世界ではおよそ1960年代よりテスト手法の体系化や用語の定義がなされてきた。 しかし、この「バグ」という言葉は文脈や使用者の立場によって意味が異なる。 なお、海外ではバグではなく「グリッチ」の呼び方が一般的。 一般に、ユーザーがバグと言った場合、明らかに正しくない挙動が発生した状況そのものを指すことが多い。 例えばキャラクターがオブジェクトにめりこんだり、ゲームがフリーズして動かなくなってしまったりと言った時、その事象自体が「バグ」であり、そのバグが発生したという意味で「バグった」と表現される。 一方、開発者側の専門用語としてのバグは「要件や仕様を満たさない不備」のこと、即ちプログラム上のコードの書き間違いや認識不足によって製品に仕込まれてしまったミスのことを意味する。 そのため、「バグ」という単語を読み解く場合は書き手がどのような立場で、どのような意味で用いているかを解釈する必要がある。 時折、特定のバグを紹介する文脈に対して「それは○○なのでバグではない」という反論や論争が起きるが、こうした解釈の違いにより発生するものなので一概にいずれが誤りとは言えない。 とはいえ丸く収めるためには、発生した事象について「バグ」ではなく「不具合」と表現するのが良いだろう。 不具合と言っても、パラメータの狂いから進行不能になるものまで、その範囲や発生頻度はピンキリ。 そのため、プレイヤーが得をするようなバグはプレイヤーから「裏技」の一種とも解釈される。 また、グラフィックが狂ったり、本来侵入不可の場所に行ける不具合は役に立たなくても「笑えるバグ」として有名になる場合もある。 しかし、不具合というだけあってプレイヤーの意表をつく動作をするので、被害の生じるタイプは非常に困る。 特に、発生頻度が高い・再現性が高い・現象のタチが悪い・数が多いといった形で不具合の目立つゲームは「バグゲー」と呼ばれ、時には「商品未満」「欠陥品」などクソゲー以下の扱いを受けることにも成り得る。 プログラムの仕様、納期や予算の都合からバグを根絶するのは不可能であり、発売から時間が経ってから気づかれるケースも多い(*26)。 このような事情から不具合について「仕様」「裏技」などと開き直るメーカーもあるが、バグは欠陥である。本来なら無いに越したことはない。 なお、発生するバグの傾向は、今と昔で異なっている。 昔は開発者の想定を超えた数値の変動による変数の桁あふれを始めとする単純な理由で、ゲーム内要素の変化・無限増殖や、「数値が一巡してゼロに戻る」といった現象がよく見られた。 ある程度開発環境が整備されてデバッグ技術が進み、大容量のメモリを容易に扱えるようになった時代では、その手のバグはほとんど淘汰された。 その代わり、複雑化・多機能化したプログラムのバグは、画面が停止して一切のボタン操作を受け付けなくなる「フリーズ現象」や「セーブデータ破壊」などの大損害を生じさせる物が増えている。 総じて裏技と呼べるようなバグは減少傾向にあり、不快なバグは増加傾向にある。 また、カートリッジ媒体を採用し比較的小型/軽量だった初期の据置機は物理的な起因により不具合が起きて進行不可能、果てはセーブデータ消去になるケースも多かった。 普通にプレイする分には問題はないが「ペットがゲーム機に触れてバグった」「母ちゃんの掃除機アタックでバグった」などの悲劇も、今は昔の話である。 有用な裏技になりうるバグで有名な例……『ポケットモンスター 赤・緑・青』『ファイナルファンタジーVI』『ドラゴンクエストV 天空の花嫁(SFC)』『ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説』『サガシリーズ』『メトロイド ドレッド』 被害しかないバグで有名な例……『四八(仮)』『摩訶摩訶』『MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー』『アルナムの牙 獣族十二神徒伝説 (PCE)』『ファイナルファンタジーIVアドバンス』 バグが酷すぎて回収対応になった例……『将棋新世紀 PonaX』 進行困難になるバグが好意的に受け入れられた例……『ゲイングランド』(AC版の初期出荷版) 一方で、カセットを半端に挿す(接触不良を起こす)等の方法で強引に不具合を引き起こす裏技も存在するが、当然これをやってカセットやゲーム機が壊れても補償対象外であるし、クソゲー判定には一切影響しない(というかさせてはならない)。 また、CD-ROM等でも「データ読み込み中に蓋を開ける(ディスクを抜く)」等の方法で同様の不具合を起こす行為がある。これでゲーム機が壊れる可能性は低いものの、CDの方に引っ掻き傷が付くのを覚悟する必要はあるだろう。 半挿しをすると挙動がおかしくなる作品の例……『スーパーマリオブラザーズ+テニス』『ファイナルファンタジーVII』『スーパーマリオ64』『F-ZERO X』『ドラゴンクエストV 天空の花嫁 (PS2)』『ゴールデンアイ 007』等 ボードゲームやカードゲームをコンシューマーゲームで再現したものの場合、本来のルール・仕組みとは異なる動きをしてしまう現象をバグと称することもある。 本来のルールと異なる現象のバグで有名な例……『ジャンライン』『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX めざせデュエルキング!』 さらにプログラム上の誤りとは少し異なるが、誤植・誤訳・誤記などもバグと分類することができる。例を挙げるとゲーム内用語や取説(readme.txt含む)での間違い、クイズの嘘問・悪問(*27)のようなプレイヤーに不利益をもたらすものや、「役不足」「敷居が高い」などの誤用といったプレイに影響の無いテキストのミスがある。 また、ゲームの世界内でバグを取り扱うゲームもある。この場合検索エンジンで検索する時にちょっとややこしいことになる。 ゲーム内で「バグ」と呼ばれるものが登場する例……『パロディウス ~タコは地球を救う~』『ロックマン エグゼ3』『デジタル・デビル物語 女神転生 (FC)』『ジェネレーションエクス』『.hack』シリーズ 最後に余談だが、調理家電にも複雑なプログラムが乗るようになった現代、世界中のあらゆるソフトウェアの中で、ゲームはかなり不具合修正に対する意識が緩い。 それも当然で銀行のATMや医療機器、飛行機の制御システムにバグがあったら大問題だが、ゲーム内の不具合が人命に関わることはまずないからである。 そこでソフトウェアテスト界隈にはこんな話がある。 「では、ゲームにおける最大のバグ(不具合)とは何か?」 答えは「そのゲームが面白くないこと」である。 パスワード プレイデータを文字列化したもの。厳密にはパスワード(合言葉)ではなくエンクリプション(暗号)。 プレイヤーの個人認証用の文字列 1はセーブデータシステムがまだなかった時代のゲームにおいて、ゲームの状態を保存・記録するために生成された文字列のこと。 現状のデータからパスワードを生成し、それをプレイヤー側が保存。再開時にはパスワード入力画面にてそれを入力し、正しければ続きから再開できる…というもの。 間違えると前回のプレイが水の泡になる、扱うデータ量に比例して文字の種類や長さが増えていく、よく似た文字が両方使われると判読・入力が厳しくなる(特にアナログテレビ時代)…といった欠点が大きい。 一方で「パスワードの正確性および保管が完璧なら、例え数十年経っても続きから遊べる(*28)し、セーブデータの枠数を気にする必要もない」「遠くのゲームセンターや友達の家などでデータを持ち寄る際、外部機器を必要としないため安価・便利」といったメリットも存在している。 中には熱心なプレイヤーによってパスワード生成システムが解析され、面白語句のパスワードや生成ツールが公開されたゲームもあったりする。 パスワードといっても形は様々で文字や数字で入力するものや、アイコンやキャラの顔の向きによるもの、ボード版に色の異なるビーズを敷く、といった様々なものがある。 また、開発者のお遊び要素や偶然の発見により1つの文章や語呂合わせとして纏められたパスワードも存在し、チート級の強さになって再開できたり、デバッグモードになるという隠し要素もあるがこちらは「裏技」として扱われることの方が多い。 データの簡略化のために再現が100%ではないものが多々存在し、パスワードの文字数を減らすために再開時にプレイヤー名を入れなおすといったケースも存在する。 扱えるデータ量が少ないFC時点でも欠点が厳しかったため、パスワードは管理項目の少ないアクションゲームで採用される程度になっていった。 パスワードの文字数が多くなっていく例……『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』『桃太郎伝説』等 パスワードによる再現が不完全な例……『星をみるひと』 パスワードの文字数を減らすためにネームと一緒に入力する例……『ラサール石井のチャイルズクエスト』 2は本来の意味でのパスワード(合言葉)。最近のアーケードゲームやオンラインゲームにおける、ID(ICカード等)に加えて入力するユーザー自身が設定した文字列のこと。 こちらはあくまでもIDや個人情報保護のためのセキュリティであり、上記のゲーム内容を保存するためのパスワードとは別物で関連性は薄く、後述のPINに分類されるものもある。 ちなみに、当Wikiでは扱えないある種の遊技機において、スタンドアロン動作でなければならない/遊技者の手による操作以外の入力を行ってはならない/遊技球(遊技メダル)以外の払い出しを行ってはならないという風適法の制限からパスワードロード/QRコードセーブが採用されている。 PIN 「Personal Identification Number」の略で、本人認証のために使うパスワードのうち比較的短い桁数(4桁程度)の数字という形式のもの。 ゲーム関連だとコナミなどのアーケードゲームで暗証番号の入力が存在する。 ワンタイムパスワード / OTP ログインの度に変化する「一度しか使えないパスワード」のこと。 ログインした(通常パスワードを入力した)後にスマホやトークン(OTP専用の機械)に表示されるPINを入力しないとパスワードが成立しない二段認証用のパスワード。 紐づけしたスマホやトークンが無いと本人でさえOTPが判らずログインできなくなるため、ある意味物理認証とも言える。当然、一度ワンタイムパスワードの入力に失敗したら最初からやり直しであり、OTPも新しい物に切り替わる。 一方でスマホゲームでは「OTPを同じスマホに表示させたら意味が無い(スマホをもう一台用意するなら別だが)」という理由から採用される事はほぼ無い。 トークンに関しても「スマホの手軽さが失われる(一緒に持ち歩くのが面倒)」「そもそもスマホと一緒に持ち歩いたらセキュリティの意味がない」という理由で使われない。 OTP関連の事件 外部OTP(*29)を提供していたサードネットワークス社が(クラッカーの攻撃を受けたのか)散々接続障害を起こした挙句、最終的に音沙汰無しに。結果、採用していたSEGA等の企業はOTPを諦めるか自社で運営する必要に迫られた。 なお、SEGAは自社運営に切り替えたがトークンは作らなかったため、スマホを持たないユーザーはOTPを使えなくなってしまった(*30)。 バックストーリー ゲーム内で直接は描かれない裏話のこと。 手記やメモ、音声データやアイテムテキストといった形で示されることが多い。「フレーバーテキスト」とも。 これによりプレイヤーはじっくりとテキストを読んでストーリーを楽しむこともできるし、ストーリーを無視してゲームプレイに集中することもできるという利点がある。 また、ゲームの主人公視点で、ゲームの物語の中で何が起きているのかという情報を集めていくことになるので、特にホラーゲームなどで没入間を高める効果もある。 一方で、人によってはストーリーが分からないままエンディングを迎えてしまったり、毎回テキストを読むことでゲームテンポが悪くなってしまうこともあるので、一長一短である。 シューティングゲーム等、どんなにストーリーが良くてもそれが評価点になる事が滅多に無いジャンルでも、バックストーリーの主体性が作中の描写よりも強すぎる、或いは乏しすぎる・シナリオが明らかに駄作・広げた風呂敷を畳んでいないと「明らかに手抜き」として問題点になりうる。 関連 環境ストーリーテリング パッケージ ゲームソフトを梱包している外装箱・化粧箱のこと。 ディスク媒体が主となっている現在ではDVDやブルーレイの規格のケースに収められ、同時にディスクの保護的収納な意味で一般でも収められていることが多い。 かつてカセットが主流だった頃は紙製の箱に、内部はプラスチックの枠に保護されて説明書と共に同封されていることがほとんど。 例外としてナムコ製の商品は独自のプラスチックケースという仕様になっていたこともある。 しかしカセットの耐久性とコンパクト性の高さ故に「紙製で安っぽい箱」という要因も絡んで「場所を取るパッケージは不要」というケースに陥りやすく、捨てられることも少なくなかった。 そのため、中古市場で出回っているカセット媒体は箱なしがほとんどで、箱有りはレアリティの高さ故に場合によっては額が上がったり時にはマニアに高額売買される例もある。 気づき難いことだが、意外にもパッケージは「メディアの進歩」と共に歩んでいる。 例えばPCEのHuカードはCDケースを流用したものになっており、SFCのパッケージはVHSカセットとほぼ同サイズ。 ディスクメディアが主流であるPS/SS以降はCD・DVDに準拠したケースになってゆくのは周知の通り。 近年はフラッシュメモリの跳躍的な進歩により、PSP (UMDディスク) → PSV (メモリ型カード)、WiiU (12cm光ディスク) → Switch (メモリ型カード)という様に据置機ではディスクメディア、携帯機ではフラッシュメモリが使用される傾向にある(*31)。 言うなればカセットメディアへの回帰ともいえるが、その上でパッケージはプラスチック製で頑丈、薄く、小さく、進歩している。 コンパクトさなどから、かつての「ソフトの邪魔者」から「保護者」として認識が変わりつつある証左と言える。 パッケージ自体が復刻版としてサイズを変えて登場する例もある。GBAの「ファミコンミニ」シリーズがその一例である。 また、ダウンロード版の対義語として店頭購入するメディア媒体に入った形態のゲームソフトのことをパッケージ版と呼称する。 また、小売店で売っているという意味でリテール版とも呼ばれる。 パッチ 英語の「patch」のこと。「バッチ(batch)」だと誤用になるので注意(*32)。元々の意味は「(衣服に開いた穴をふさぐための)充て布」のこと。 ここから転じてコンピューターソフトに存在する不具合を直す(通称:穴をふさぐ)ための修正プログラムを指す。さらに転じて特に不具合とは関係のない追加データを指すようにも。 PCゲームではオンライン環境が早くからあったこともあり、パッチを配布することは珍しくなかったが、オンライン接続ができないハードの場合は修正版と交換したり、修正プログラム入りのUSBメモリが店舗に送られて店員がバージョンアップを行う…といった形で対処することが多かった。 しかし、PS3/360/3DSといったオンライン接続可でHDD式あるいはSDカードを使用するハードが登場したことなどもあり、据え置き機や携帯機でもオンラインでパッチを配布できるようになった。 こうしたゲームの場合は本体に備え付けた記録媒体に更新データとして記録しておき、そのゲームが起動した際に内容を変更するという方法で対応している。 パッチが無いとクソゲーと言われるようなものでも、パッチを当てることによって改善する(というより改善しない方がおかしい)ため、パッチが配布されている場合は極力全部当ててからゲームをプレイすることを勧める。 オンライン技術の発達によって上記のような恩恵が得られるようになった一方、バグが多かったり、明らかに商品未満の未完成品としか言えない内容になっているなど、発売されたゲーム本体の内容の質があまりにも悪い状態でパッチ配布による修正が入った場合、制作側の手抜き・怠慢とみなされて批判の的となる。 実際、悪質に近いレベルで「有料β版」「有料デバッグ」と称されて批判されている事例も見受けられている。 結果、「どうせ未完成品であとでパッチが当たるんだろう」という考えから発売直後に買い控えして様子見をするというユーザーも多く、特に家庭用ゲーム機ではパッチ前提で出されたゲームは確実に批判を受ける傾向にある等、却ってユーザーからの信頼を損ねることになりかねない本末転倒な事例が定着してしまった。 また、SNSなどにおいてはパッチで修正された部分が十分認知されるとは限らず、パッチ適用前の状態での知識で語っているという事例は多く、下手なクソゲーよりも悲惨な状況となる場合も。 ただし、ゲーム開発において納期優先でバグや未完成部分が残ってしまうのは現代に限らず、昔から連綿と続いていることである。 修正パッチで即座に修正を入れられる環境になったことで「昔なら直していたのに未完成で売るようになった」という誤解・過去の美化が広まってしまうことになったという側面も考慮する必要はある。 今の環境に甘えている企業の存在も否定はできないだろうが、多くのバグや不具合を「裏技」と称して利点や純粋な遊びとして転化している事例が過去に多くあったように、今の時代に修正パッチで直しているようなバグや不具合は昔も大量にあったのである。 パッチで改善された(元)クソゲー……『カルドセプト サーガ』 パッチの意味がないクソゲー……『Big Rigs Over the Road Racing』『将棋新世紀 PonaX』 パッチで悪化したクソゲー……『ジャンライン』『アジト×タツノコレジェンズ』 バグが大量過ぎてパッチの容量が凄まじくなったゲーム……『Summer Days』 パッチの製作に時間がかかったゲーム……『RAIDEN FIGHTERS ACES』『怒首領蜂大往生 ブラックレーベル EXTRA』 かつて家庭用ゲーム機では不具合修正のための手段としてのパッチが多かった。 しかし、ゲーム機のオンライン接続が当たり前になると、追加要素を後から加えるための手段(いわゆる無料DLC)として、拡張パッチを出す例も増えてきた。 例えば、新しいキャラクターやイベントの追加、社内企画で作られた新機能の搭載等があり、ゲームによっては発売前からパッチによってつける予定の機能を予告することもある(*33)。 PS4/One/Steam(Win)以降のゲームはダウンロード版の主流化に加え、ストレージ容量の増加でパッチが大きく記録しきれないことが減少したため日常的に行われるようになっていったが、3Dデータ自体も高密度の物が求められるためにパッチ容量が増加しまくっている。 例えば毎月新型の車が複数台投入される『Forza Horizon 5』は、定例アップデートパッチですら毎回5GBは楽勝で超えてくる。 有料パッチ 不完全・不出来な製品を売った後にユーザーの反応を見たり意見を募集したりして有料のアペンドディスクなどを販売すること(*34)。 ファンの要望に応える姿勢とも取れるが、有料デバッグさせておきながらそれで直接お金を稼ぐ畜生行為なので有料デバッグと同じく批判されることの方が圧倒的である。 開発者達だけでは満足に面白いゲームを開発出来ないという裏付けも変わらないので、結局その会社への信頼を大きく損なう行為であることに違いはない。 ワンデイパッチ Day1パッチとも。要するにゲームソフトの発売日当日に配布される修正パッチのこと。 マスターアップに間に合わなかった修正やアップ直後に見つかったバグなどの修正が入っていることが多い。 新作ソフトを楽しみにゲームソフトを挿れて起動したらパッチのダウンロードが始まり、一刻も早く遊びたいのにお預けを食らったような状態になる(*35)のでユーザーからはあまり受けはよろしくない。 数百MBならかわいいほうで、酷い時にはワンデイパッチが数GBほどに及んでいたことも。 バッテリーバックアップ データ保存形式の1つで、電源式の外部記憶装置にセーブしたデータを保存しておく形式。 例えばFC版『ドラクエIII』等、これを採用したカセットの中にデータ保存のための電池が入っており、この電池が切れるとセーブ・ロードが実質不可能になる。 メーカー等が無償・安価で電池を交換するサービスも有った。 それまで主流だったパスワード式に比べ多くのデータを扱える(*36)が、バッテリー切れや接触不良でのデータ喪失という悲劇も生み出した(*37)。 中にはリアルタイム性を表現するため時計機能内蔵式のカートリッジも登場したがこちらは時計機能の電源を電池で賄っているため非常に消えやすいものとなっている。 FC/SFC/MD/N64/GB/GBA/GG/WS等、ディスクメディアが普及する以前の時代のROMカセット媒体で多く用いられていたが、 保存に電力を必要としない大容量・高速書き換え可能な不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)が普及し始めると電源を用いない保存形式(メモリーカード)が主流になり、データ消失の危険性が劇的に改善されてデータの持ち運びも容易くなったため、この形式は完全に衰退した。 データが消えやすいことで有名なソフト……『ファミコンウォーズ』『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』『星のカービィ スーパーデラックス』『ポケットモンスター 金・銀・クリスタルバージョン』 バニラ ゲームでMODや改造を入れていない状態のこと。主に海外のPCゲームで使うが、最近はDLC等のオプションを入れない状態も示すので、海外の家庭ゲープレイヤーの間でも言及されることがある。 特殊能力を一切持たないカードを指すカードゲーム用語。 どちらの意味でも、「味付けやトッピングの無いバニラアイスのような」といったイメージの表現。 元々は同性愛の世界で使われていたスラングで、当初は「普通すぎてつまらない」というニュアンスもあった。 バフ / デバフ / パッシブ 「バフ(buff)」は対象を一時的に強化する効果及び行為の事。 逆に、対象を一時的に弱体化する効果及び行為を頭に「打ち消し・否定」を意味する「de」を付けて「デバフ(debuff)」と呼ぶ。 ドラクエで例を挙げるなら、スクルトやピオリムがバフ、ルカナン・ボミオスがデバフにあたる。 語源はMMORPG『Ever Quest』の最大HPを越えて回復する呪文であるとされる。 MMORPGでは今でも現役で使われ続けているほか、最近では日本のオフラインRPGなどでもそれらの影響を受けたゲームが多く発売されているため、徐々に浸透しつつある。 なお、「発動行為を伴わず(スキルの持ち主が生存・登場している限り)常に永続する効果」は「パッシブスキル(passive skill)/パッシブ」と呼んで区別されている。 ハメ技 主に対戦格闘ゲームで使われる「一定のパターンを繰り返すだけで、高確率で決着に持ち込んでしまえる、または攻撃の回避が困難あるいは不可能になるコンボ」のこと。 対戦格闘は特に攻防の駆け引きとせめぎあいが魅力であるため、ハメを成立させやすいタイトルは「一方的な展開になって楽しめない」と低評価に陥りやすい。 内部の調整ミスやバグが原因で想定とは異なる挙動に陥っている場合もあるが、人智を超越したやりこみプレイで強引にシステムの穴を見つけハメ技を成立させてしまう猛者も存在する。 例えば世紀末格闘ゲームとして名高い『北斗の拳 (AC)』では、ほとんどのキャラにハメ技に類する高等テクニックが存在している。 最弱扱いのジャギですら、その1つ「バスケ」(後述)に適したコンボレシピなどを開発しダイヤを覆すほどの大番狂わせを見せたプレイヤーも存在する。 しかし、そのジャギのコンボレシピの研究は「外車一台分の投資が必要」といわれたほどの難関であり、その実行難易度も強キャラのものに比べればかなり難しい。 原作中の言葉を借りるなら「怒りに勝る執念」がまさにふさわしい。 近年では3Dゲームの隆盛に伴って、オブジェクト埋まりや認識範囲・戦闘突入判定などの穴を突いて一方的に攻撃するテクニック(裏技)も「ハメ技」として扱われる。 ハメ技の一例 トリカゴ……『ストII』時代から存在するハメ戦法の一つで「波動昇竜」とも呼ばれる。ステージ隅に相手を追い込んで飛び道具を放ち、相手が前方ジャンプで躱して飛び込んできた所へ強力な対空技を叩き込む。 バスケ……『北斗の拳』特有の仕様の穴を突いた永久コンボで、バスケットボールのドリブルのように相手をバウンドさせ続けるというもの。連続ヒットによる補正が不十分で、コンボが続くと追撃可能のままどんどん接地バウンドの高度が上がっていってしまうのが原因。 バランスブレイカー 単独でゲーム全体のバランスを著しく崩してしまうもの。突出して強力なアイテム・キャラクター・オプション類。 元々のバランスは均整が取れているのに、ある要素のせいで台無し(その要素を除外すると元通り)になる場合によく使われる。 不正な改造で性能をいじったかのような存在が元々入っているという様子から、ネットスラングで「公式チート」とも呼ばれる。 逆に、極端に弱い場合に対しても使われることがまれにある。 普通にゲームをプレイして正規に使える要素の内にバランスブレイカーがあると、ただ適当に振り回しているだけでゲームが有利に進んでしまう。 もちろん使うも使わぬもプレイヤー次第という側面はあるが、どのような形で提供されるかによっては、それなりに評価を落としてしまうことになる。 ゲームクリアなど特定の条件達成によって解禁される場合 条件達成のご褒美も兼ねる、通常プレイの外にある変則的な存在。まさに公式チート。 プレイ中に普通に取得・選択できる要素の中にある場合 他の選択肢を駆逐するとして批判されやすい。中には公の場で使用禁止になった格闘ゲームキャラクターやTCGのカードもある。 隠しコマンド解禁など、存在を知っていれば誰でも使える場合も、こちら寄りの評価になる。 いずれの場合でも、使用するとランキング対象外などと言った制約が付いていることもある。 バランスブレイカーをむやみに使うと、対戦プレイでは敬遠されたり、協力プレイでも興を削ぐ等の要因になる。 1人用のゲームならば実害は少ないが、それでも本来のバランスに基づく醍醐味は味わえない。 直進する道がなくて迂回路が一番の近道な場合と直進する近道があるのにわざわざ迂回路で遠回りする場合では感じ方が違うのも人情で、公式側でバランスブレイカー要素をオプション選択に修正してシステム的に制限できるようになったことで自主的に縛るのと実質的に同じでも不満の声が激減したような例もある。こうした点には注意が必要。 もっとも「強力すぎる」を自分基準/俺ルールで設定して他人に押し付ける行為もまた、単なる無知のわがままである。 昨今では、特にオンライン対戦タイトルの場合に、予期しないバランスブレイカーに対しては管理者によって弱体化(ナーフ)が施される傾向にある。 あまりにひどい場合、「緊急対応」と称して短期間で修正が施されることもある。 近年はオンラインアップデートによるバランス調整により修正されるものが次第に多くなった。 入手難度が高い公式チートの例……『ロックマンDASH』のシャイニングレーザー、『FF7』のナイツ・オブ・ラウンド 著名なバランスブレイカー……『ファイナルファンタジータクティクス』の雷神シド、『戦国BASARA X』の毛利元就、『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の神器フォルセティ・神剣バルムンク、『ポケットモンスター ソード・シールド』のザシアン。 設定ミスが原因……『モンスターファーム2』のヴァージアハピ、『スーパーロボット大戦COMPACT3』のフォルカ・アルバーク&ヤルダバオト 短期間で修正された例……『Wonderland Wars』のリンとかぐや、『モンスターハンター ワールド』の斬裂弾 バグレベルに弱い例……『大乱闘スマッシュブラザーズDX』のカービィ BAN 「禁止」を意味する英単語。主にオンラインゲームにおいて特定のユーザーがログインを禁止されることを指す。 通称「垢(アカ)BAN」と呼ばれており、ハラスメントやチート、BOT、さらにはRMTといった違反行為を行ったユーザーに対する懲罰行為であることが多い。 数日で解除される場合もあるが、解除のために自発的に運営に働きかける必要のあるゲームまである。 違反行為が度重なったり、重度の違反だったりすると後述のような媒体凍結に加えてアカウント消去というそれまでの積み重ねが水泡に帰する事態に陥ることもある。 もっとも、その多くは自業自得であるが。 BANの深さも段々進歩していて、当初はアカウントBANだったのでメールアドレスを変えて再登録すればまたゲームには復帰できたが、現在は極めて悪質と判断された場合アカウントどころか本体のIDがBANされるようになった。 これは初期化しても履歴が残るため、同じ本体を別のアカウントで使用するとそのアカウントごと本体BANが再発してしまう。 中古でPS4を買って、PS3と同じアカウントでログインしたら、その中古品が本体BAN済みだったせいで、PS4のソフトどころかPS3のダウンロード版ソフトまで全て失ったという事例が存在する。 中古で購入した場合は念のためアカウントを分けた方がいいかもしれない。 近年ではアリーナ型のMOBAやFPSでの対戦で「数種類のキャラやマップから交互に一定数を使用禁止にして、それ以外の物から選択してバトルスタートする」という大会ルールが浸透しており、これらは「キャラBAN」や「マップBAN」と呼ばれる。 自分らのプレイスタイルでは○○が苦手だからBANする、逆に自分がメインに使っている○○がBANされたら代わりに××を使って作戦はこうする…等の駆け引きがある。 Steamでは規約を破ったパブリッシャー/メーカーがBANされたことがある。 例えば、Steamでは暗号資産を用いたゲームを禁止しているが、暗号資産の要素をゲームに加えたことが運営にバレてBANされたメーカーや、お金を払って都合の良いユーザーレビューを書かせていたパブリッシャーなどがある。 ゲーム単位のBANも行われる。他社のアセットを盗用したとされるゲームが、盗用されたと主張する会社によるDMCA申請に基づいてBANされた例がある。 どちらの場合も、それらのゲームを所有していたユーザーはそのゲームを遊べなくなる。 TCGでは運営者による禁止カード指定を指す事もある。 環境を壊す要素をBANすることでバランス調整を図るのは、『マジック:ザ・ギャザリング』に始まり現在までずっと変わらない手法である。 版権 1875年(明治8年)から1899年(明治32年)まで、著作権のことをこう呼んでいた。 ただしこの頃の「版権」は小説のように文字で書かれた物のみを対象としており音楽や映画などは対象外だった。 版とは印刷原版(版下)のことであり、これを用いて印刷(複製)、出版(頒布)してもよいという権利である。 現在「版権」という言葉は法律用語としては存在しないが、著作権や商標権などの著作物に付随する権利を総称する俗語として用いられている。 主にビジネスの場で用いられる言葉であり「その作品を使って商売をする権利」とでも言うべきだろうか。 当然、版権は作品の作者(又は企業)が所有するのが原則だが、作者が他人に版権を委託して代わりに商売をしてもらうことも頻繁に行われる(*38)。 さらには、作者が完全に版権を売り渡すこともよくある話(*39)であり、作者(法人)が破産(倒産)の憂き目にあった場合、作品の版権は財産として債権者に買われてしまう。 版権を買い取った者が大切に扱ってくれれば良いのだが、なかなかそういう例ばかりではなく、作品に対して何の理解も思い入れもないまま粗雑に作った作品を乱発される例もある。 また、会社の倒産処理はたいてい混乱の中で行われるため、混乱の中で版権の所有者が明確でなくなってしまうことも珍しくない。 複数の企業や人物が所有者と主張したり、日本の法律が通用しない海外企業に版権が渡ることもあり、こうなると「作品の原盤は確かにそこにあるのに再生産・販売ができない」という事態になってしまう(*40)。 かつては版権を持っている者が許可しない限りその著作物を利用できなかったが、現在は「誰が版権を持っているのかを相応に調査したが不明なので許諾を求めることもできない」という場合、その旨を文化庁に申し出て権利者に払うべき正当な額の権利使用料を国に預ければ、著作権者が不明なまま版権を使えるように法整備された(著作権者不明等の場合の裁定制度)。 そのため、「プロジェクトEGG」などのレトロゲーム配信サービスが一部のゲームをこの制度を利用して配信している。 2018年発売の復刻ゲーム機である『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ創刊50周年記念バージョン』に収録されている『北斗の拳』と『北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝』はこの制度を利用して収録された。 また、有限会社M2から発売されている『M2 Shot Triggersシリーズ』に収録されている一部のCS版タイトルもこの制度を利用している。 なお、著作権の保護期間が満了するとパブリックドメイン化(*41)し、複製や販売に許諾を必要としなくなる。 よって、どんなおかしな権利者が死蔵していたとしても、著作権満了を待てばいずれは使えるようになる。 例えば、ワンコインなど、極端に安価に販売されている映画DVDは、著作権満了によって著作権料を払わずに商品化できるようになったものである。 版権がロクでもない者の手に渡ってしまった悲劇の例……『メタルマックス2改』『サンダーフォースVI』 等 版権は渡っていないがライセンス契約が悲劇を生んだ例……『重装機兵ヴァルケン (PS2)』等 版権が前向きに活用された例……『ぷよぷよフィーバー』『メタルマックス3』『メタルマックス4 月光のディーヴァ』『Fallout』シリーズ『星をみるひと』等 状況が複雑でわけがわからなくなった例……『Wizardry』『魔導物語』『セプテントリオン』等 原作の方に版権問題がある例……『スウィートホーム(*42)』『ハリー・ポッター』シリーズ(*43) 版権が譲渡されないまま会社が倒産してしまい、再販やリメイクができなくなった例……『ワンダープロジェクトJ 機械の少年ピーノ』 BGMの使用許諾が切れて一時販売中止……『ALAN WAKE』 実在する兵器の「ゲームでの使用ライセンス」更新を忘れて販売中止……『R.U.S.E.』 紆余曲折の後に下請けだった開発会社が版権を買取……『RollerCoaster Tycoon 3』 80年近く経ってあるキャラクターの版権が返還されゲーム化された例……『ディズニー エピックミッキー ~ミッキーマウスと魔法の筆~』 自社オリジナル作品なのに、アニメ版準拠にしたために版権問題が出て国内発売中止となった例 - 『Pokémon Puzzle League (日本名:パネルでポン64)』 アニメの版権を元に企画されるもオリジナル企画として生まれた例……ポパイ →『ドンキーコングシリーズ』『マリオシリーズ』 / 鉄腕アトム → 『ロックマンシリーズ』 転じて、創作者自身が版権のすべてを所有していない、いわゆる二次創作・同人作品を指して「版権イラスト」「版権キャラ」などと言う場合もある。 プロのイラストレーターやアニメーターが仕事として描いた絵でも、版権所有者からの依頼で描いたものは「版権イラスト」となる。 「版権が他者に帰属しているイラスト」といった意味合いである。 また、原作付きのゲームを「版権モノ」と表記することもある。メーカーのオリジナルではなく、借りた版権を利用して制作された二次創作の商品を意味する。 逆に、ゲーム版権をもとに(公認で)作られた小説や漫画を「ノベライズ」「コミカライズ」と呼ぶ。 バンドル 英語の「Bundle」のことで、ある製品に対し別の製品が付属している状態で販売すること。 ゲーム業界においては、小売が複数のタイトルを1つのパッケージにまとめて割引販売する形式のことを指す。 いわゆる「セット商品」であり、個別に購入するよりも金額が安く済む分、ユーザーにとってありがたいシステム。 小売ではなくパブリッシャー指定のセットは「G.O.T.Y Edition」のように「Edition」が使用されるのが一般的である。 主にSteamと言ったPCゲームのプラットフォームでよくみられる販売形式であり、バンドル専門の販売サイトもあったりする。 Humble Bundleがバンドル専門の販売サイトとして有名で、月1回販売されるHumble Choice(旧 Humble Monthly)などが目玉。 Steamのバンドルは既存の単なるまとめ売りセットとは異なるもので、例えば『1』と『2』のナンバリングタイトルが有って、Steamで『1』のみを所有していて『2』も欲しくなった時に、Steamで『1』+『2』のバンドルがあった場合に、そのバンドルを購入すると、既に所有している『1』の分の値段を差し引いた上でバンドルの割引が適用される。 よって、『1』の既存購入者は、『2』単体ではなく『1』+『2』のバンドルを購入したほうが安くなる…という場合が多い。 Fanatical(旧Bundle Star)やHumble Bundleでは、10から数十個の商品の中から欲しい物を選び、その購入数に応じて値引率が上がるまとめ買い「Build Own Your Bundle」もある。 BGM 「Back Ground Music」の略称。ゲームに限らず、映画・テレビ番組・舞台劇などで流される音楽(*44)。 喫茶店やスーパーなどで流されている音楽もこう呼ばれることが多い。音楽を聴くのが主目的ではなく、他に別の主体があって、その背景(バック・グラウンド)になる音楽のことである。 ゲームのBGMは、「ゲーム音楽」と「ゲームミュージック」と呼ばれ、音楽ジャンルの1つとして扱われることもある(*45)。 また、ゲーム上で音を中心に考える(例えばゲームアワードの曲部門など)場合は、BGMではなく「VGM (Video Game Music)」と呼ばれる。 ゲームのBGMはゲーム会社所属の作曲家(*46)によって製作されることが多く、優れた作曲家が所属しているメーカーの作品は、自然と音楽の注目度も高くなる。 また、BGM製作を外注のクリエイターに依頼することも当たり前に行われており、ベイシスケイプやスーパースィープなど、いわゆる「音屋(*47)」を業務として手掛ける会社も多い。 話題作りも兼ねて、他分野(アニメ、J-POP、現代音楽など)の作曲家を起用するケースもあり、どちらの分野でも著名な作曲家も存在している。 BGMはゲームの雰囲気作りに重要なものであり、これが低品質だったり、使いどころを間違えていると雰囲気が台無しとなりプレイヤーに悪印象を与えてしまう。 ただし、BGMの質が良いからといって他の酷い要素をフォローしきれるかというとそういう訳でもない。 さらにBGMのクオリティは、音楽担当者の個人的技量に左右される面が大きく(*48)、他のすべての要素が壊滅的なクソゲーであってもBGMだけは水準以上のクオリティを持つという作品も珍しくない。 当Wikiでクソゲー判定の作品の記事に「取り柄と言えばBGMは良いこと(の筈なのに本作にはその最後の砦すら無い)」という記述が目立つのもそのため。 ちなみに、作品で使われたBGMを集めて収録したアルバムのことを「オリジナルサウンドトラック (サントラ、OST)」と呼ぶ。 映画・テレビ番組、舞台同様にゲームのサウンドトラックも多く発売されており、ファングッズとしても重要な役割を持つ。 CDショップではゲームのサウンドトラック専用コーナーが設けられていることも一般的になった。 過去にゲームのBGMはピコピコ音という印象と共に『題名の無い音楽会』で司会者から「こんなものは音楽と認めない」「無機質な音源」と評されるなど冷遇を受けてきた過去がある。 だが、近年は当番組の特集に取り上げられたりしている他、トヨタ自動車「AQUA」のCMに『ドラクエ』『FF』『モンハン』のBGMが起用される、『Sid Meier s Civilization IV』のテーマ曲「Baba Yetu」に至ってはグラミー賞(*49)を受賞するなど、時の流れと共にゲームのBGMが純粋な音楽として認められている証拠といえる。 さらには、2021年に開催された東京オリンピックの開会式における選手入場曲で日本の数々のゲーム音楽がオーケストラで使用されるという快挙をなし得ており、こちらも純粋な音楽として認められているケースとなりSNSで話題にもなった。使用された音楽の詳細はこちら。 一方、現在ではあえてレトロな雰囲気を出すためなどで意図的にPSG音源っぽいピコピコ音・オルゴールICっぽい音・ビープ音・ノッカー音やベルといった音源を用いることもある。 更にそこから派生した「チップチューン」という音楽ジャンルも産まれて、ゲーム音楽に留まらない盛り上がりを見せるようになった。 このチップチューンも「実物のゲーム機で出せる音じゃないと名乗れない」だとか「それっぽければOK」だとかで派閥が存在しているが、むやみに喧嘩はしないように。 ゲーム黎明期だった時代は、サウンド専任(高い作曲スキルを持つ)スタッフが少なかったことに加えて、著作権問題を避ける目的(*50)であるのと同時に、馴染みのあるクラシック音楽や民謡を引用している作品も少なくなかった。 『LET IT DIE』の運営会社が同作のプレイ動画をネット上で公開する際はBGMをミュートにするように呼びかけている。 同作の一部のBGMはゲーム内での使用許諾しか取られておらず、ネット上でプレイ動画を配信した人にBGMの使用料が発生する恐れがあるためである。 同様の懸念はおそらく他の作品においても存在するであろう。 曲はいいゲームの例……『ジョジョの奇妙な冒険 (SFC)』『サムライスピリッツ 斬紅郎無双剣』『SILVER SURFER』 曲が(も)酷いゲームの例……『所さんのまもるもせめるも』『アンシャントロマン ~Power of Dark Side~』 曲だけが酷いゲームの例……『グラディウスジェネレーション』 著作権侵害などでBGMが問題になったゲームの例…『ダライアスR』『スーパーロボット大戦K』『ファイナルソード 英雄の誕生』 BGMが存在しないゲームの例……『ポートピア連続殺人事件』など昔の作品、『Big Rigs Over the Road Racing』 クラシック音楽・民謡を引用したゲーム……『パロディウスシリーズ (多数)』『美味しんぼ 究極のメニュー三本勝負 (展覧会の絵、エリーゼのために、トルコ行進曲など多数)』『テトリス (FC・BPS版) (カリンカ、コロブチカ、トロイカ)』『忍者ハットリくん ~忍者は修行でござるの巻~ (天国と地獄、組曲「アルルの女」第2組曲)』『スーパーマリオランド (天国と地獄)』など 主題歌 一般的にテレビ番組のドラマやアニメなどと同様にゲーム自体の「テーマソング」としての意味を持つ。 広告で流れるものは明確にはイメージソング、CMソングとして扱われており主題歌とは意味合いが異なる。 今でこそ主題歌付きのゲームは当たり前だが容量が少なかった頃のゲームは単に「BGM」として扱いがほとんどだが、1995年SFCの『テイルズ オブ ファンタジア』に主題歌が取り入れられるのを皮切りに大容量の32ビット機が台頭し始めると次々と主題歌入りのゲームがリリースされるようになっていった。 ゲーム中の主題歌とあって黎明期はチャートシーンとしてはニッチな存在ではあったもののキャラクターソングとしての側面も持てることも相まって徐々に浸透し始めていった。中には思わぬヒットを飛ばすタイトルの主題歌もある。 作中の主題歌がヒットチャートに……『ファイナルファンタジーVIII』の「Eyes On Me」・『サクラ大戦』の「檄!帝国華撃団」 ビーフアップ / ナーフ 「続編発売時やオンラインゲーム等のバージョンアップの際に開発者・運営側が行う、特定の要素への上方修正/下方修正」を指す用語。 前者は「牛の様に引き締まった体にする」ことから転じた、「強化する」という意味の慣用句。 これがオンラインゲームやTCGにおいて「上方修正」という意味で用いられている。 後者は元々は米国のハズブロ社が販売しているおもちゃの銃「Nerf」のこと。 これがFPSにおいて「強かった銃が下方修正された → 実銃を玩具銃(ナーフ)にすり替えられた」というニュアンスで用いられるようになって広まり、転じて「下方修正」を指すようになった。 日本においては英語圏のゲーム(洋ゲー)をプレイするプレイヤー間でしか使われなかったため広まるのが遅かった。 だが、2010年代になって『ハースストーン』やそのフォロワー作品である『シャドウバース』等のDTCGにおけるバランス修正に対して使われるようになったことで、ようやく一般的な日本人プレイヤーにも浸透した。 非公認ソフト ハードメーカーの許可を得ずに発売されたソフトである非公認ゲームのこと。 初のカートリッジ交換型ゲーム機「ATARI2600」ではソフトを作るのに許可などが不要で、それ故に『Custer s Revenge』のような粗悪なソフトが公に大量に現れた。 その後のアタリショックなどを踏まえて任天堂を始めとするゲームハードメーカーは、ゲームソフトの発売に認可と独自の基準を設けることとなる。 その手続きを踏まえずに、特定のハードで動くよう作られたものを非公認ソフトという。 認可制は元々粗製乱造・不適切表現や違法コピーを防ぐための措置であり、後にハード自体にもプロテクトが設けられるようになったが、非公認ソフトはそういった網の目をくぐり抜けて取引される。 多くはまともにカセットを生産することはなく、ワゴンのクソゲーを安く買い叩き中身を入れ替えるなどして売られる(*51)(*52)。 改造の土台となったソフトに「裏」という冠をつけてタイトルの通称とすることも多い(例:『SM調教師瞳2』→「裏ジーコサッカー」など)。 非公認ソフトのゲーム内容は、絶対に許可が下りなさそうな18禁ものなどが中心。質に関しても推して知るべしというものが圧倒的に多い。 2000年代に入ると、環境が解析しつくされているFC/MD/PCE等のオールドハード向けに「自作ROMキット」なる開発ソフト等をひとまとめにした物が出現している。 エミュレーションだけでなく、ちゃんとパッケージ版のソフトを分解してROMを差し替えたり、一部で売られている互換基板を用意すれば実機でも動作可能。 メガドライブミニに搭載された『ダライアス』も、最初はゲーム業界と関係ない個人が、この自作ROMキットで制作したのがベースとなっていて、2021年にはMD互換機向けとして実ROMが販売された。 PvP 「Player vs. Player」の略。その名の通りプレイヤー同士の対戦を指すが、格ゲーのような対人戦をメインとするゲームでは使われない。主にMMORPG等で行われるプレイヤー同士が対戦するコンテンツのことを指す。 ゲームによってフィールドのどこででもPvPが可能だったり、どこでも可能でも双方合意しないとPvP開始できなかったり、PvP専用エリアが分かれていたりする。 レベル差がそのまま戦力差になるRPGでは一方的展開になりがちなので近年はPvP専用エリアでは全員レベルが同じになる処理がされたりする。それでも装備やスキルの差で著しく戦力差が出たりするのだが。 PvE 「Player vs. Environment」の略。プレイヤー対環境という意味。 こちらもMMOで浸透している区分の1つで、PvPと違い多人数でボスやダンジョンを協力しながら攻略するコンテンツを指す。 同様な単語としては「レイド戦」もある。 ヒットストップ 格闘ゲーム等で攻撃が当たった際に自分と相手が一瞬硬直することで「手ごたえ」を表現するための演出。 強力な攻撃では長く停止し、弱い攻撃では短く停止するなどで攻撃の強弱を表現したりする。 ヒットストップが無いと攻撃が当たった実感が得られないと言われるが、無双シリーズなど、一度に相手する敵が非常に多い場合は爽快感がそがれるため敢えて導入していない場合もある。 ビデオゲームの栄誉の殿堂 正式名称は「World Video Game Hall of Fame」で、アメリカ・ニューヨーク州のストロング国立演劇博物館が2015年に新設したタイトル。 毎年春に選定基準を元にいくつかのゲームタイトルが選ばれ、学者やジャーナリストなど、専門家で編成された選考委員会によって受賞タイトルが選ばれる。 選考基準は以下 認知度:ゲームが広く認知されていること。 期間:一時的な流行以上のもので、長い時間親しまれてきたもの。 地理的範囲:国境を超えて上記の基準を満たしているもの。 影響力:他のゲームの開発に影響を与えたもの。他のエンターテイメント分野に影響を与えたもの。一般的な大衆文化や社会に大きな影響を与えたもの。必ずしも3つの条件を全て満たす必要はなく、基準に基づいていれば良い。 殿堂入り作品 年 タイトル メーカー(発売年) 2015 Pong アタリ(1972年) パックマン バンダイナムコ(1980年) テトリス Alexey Pajitnov(1984年) スーパーマリオブラザーズ 任天堂(1985年) DOOM id Software(1993年) World of Warcraft Blizzard Entertainment(2004年) 2016 The Oregon Trail ミネソタ教育コンピュータ協会(1974年) スペースインベーダー タイトー(1978年) ゼルダの伝説 任天堂(1986年) The Sims MAXIS/Electronic Arts(2000年) ソニック・ザ・ヘッジホッグ セガ(1991年) Grand Theft Auto III Rockstar Games(2001年) 2017 ドンキーコング 任天堂(1981年) ストリートファイターII カプコン(1991年) ポケットモンスター 赤・緑 任天堂(1996年) Halo Combat Evolved マイクロソフト(2001年) 2018 スペースウォー! Steve Russell(1962年) John Madden Football エレクトロニック・アーツ(1988年) ファイナルファンタジーVII スクウェア・エニックス(1997年) トゥームレイダース Eidos Interactive(1997年) 2019 コロッサル・ケーブ・アドベンチャー ウィリアム・クラウザー(1976年) Microsoft Solitaire マイクロソフト(1990年) Mortal Kombat ワーナーブラザース(1992年) スーパーマリオカート 任天堂(1992年) 2020 Centipede アタリ(1980年) king s quest IBM(1984年) Bejeweled PopCap Games(2001年) Minecraft Mojang(2009年) 2021 Microsoft Flight Simulator マイクロソフト(1982年) Where in the World is Carmen Sandiego? ブローダーバンド(1985年) スタークラフト Blizzard Entertainment(1998年) どうぶつの森 任天堂(2001年) 2022 Ms.Pac-Man Bally-Midway(1981年) ダンスダンスレボリューション コナミ(1998年) ゼルダの伝説 時のオカリナ 任天堂(1998年) Sid Meier s Civilization MicroProse(1991年) 2023 Wii Sports 任天堂(2006年) コンピュータースペース ナッチング・アソシエイツ(1971年) The Last of Us ソニー・コンピュータエンタテインメント(2013年) Barbie Fashion Designer Mattel Interactive(*53)(1996年) 2024 アステロイド アタリ (1979年) MYST Cyan (1993年) Ultima Richard Garriott / Origin Systems (1981年) バイオハザード カプコン (1996年) SimCity Maxis/Electronic Arts (1989年) 表現規制 日本では表現の自由が認められているが、社会に多様な価値観が存在する以上、それが無制限に許されるわけにはいかない。 そしてゲームも表現物である以上、倫理や法律による行き過ぎた表現の規制を受けるのが宿命である。 暴力表現、性描写、未成年の飲酒、麻薬の使用など細かい差異の他にも、海外では国ごとに文化を背景にした独自の規制基準もある。 R18作品(インディーズ含む)はさらに細かく、日本国内でも扱うサイトによって「実在の動物による獣姦(*54)は禁止」などの理由による差し替えがある。 電子決済に携わるクレジットカード会社の大半が海外の会社であるため、海外の規制の影響を受けるからとも言われている。 表現規制に関する事柄は非常に多く、一項目では書ききれないため、以下のリンク先の項目も参考にしてほしい。 組織→ ソニーチェック→ ソニーレイ→ レーティング→ CERO→ IARC→ ソフ倫 内容→ ゴア描写→ 差別表現→ ポリティカル・コレクトネス→ 宗教上の理由→ 赤十字マーク→ 第二次世界大戦→ 第一次世界大戦→ 第三次世界大戦→ 乳揺れ→ 不謹慎ゲーム ヒロイン 英語の「Heroine」のことで、「Hero」の女性形。要するに女性の主人公を指すのだが、日本においては主に「男性の主人公と恋仲(もしくはそれに近い親しい間柄)になる女性」「主人公以外で物語で重要な役割を担う女性」を指し、主人公が女性だった場合は「女主人公」と呼ばれ、ヒロインと女性主人公が区別されることが多く、女性主人公とヒロインが同時にいることも。 恋愛ゲーム等では攻略対象になる女性キャラのことで複数のヒロインがいることも。また、基本は攻略対象ではないが、特定の手順を踏んで裏ルート的に攻略ができる女性キャラのことを「サブヒロイン」等と呼んだりする。 女性キャラが複数登場するゲームで、ストーリー中にヒロインらしい扱い(恋仲になったり、活躍が目立っていたり)がなかったり、公式が「この女性がヒロインです」と明言していなかったりする、とユーザー間で「誰がヒロインか」というヒロイン論争が巻き起こったりすることも。 また、明確にヒロインがいるのに、ヒロインじゃないキャラと冒険している時間の方が長くて(*55)、そちらに感情移入してしまうケースもあったりする。 ヒロイン論争の例 『ファイナルファンタジーVII』のエアリス・ティファ論争……物語の核にいて、重要な役割があるが途中退場するエアリス派と、クラウドの幼馴染で最後まで寄り添うティファ派に分かれる。 『ドラゴンクエストV』のビアンカ・フローラ論争……公式的にはビアンカなのだが、フローラにも一定のファンがついたため論争が起こった。 ヒロインより人気になった女性キャラ 『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』:ゼシカ……ヒロインのミーティアの出番が少ない影響もあってゼシカの人気が高い。そのため3DS版ではゼシカと結ばれる結末も追加された。 主人公の敵になるヒロイン 『ロックマンX4』のアイリス……ゼロ編のラストステージ『ファイナルウェポン』でアイリスがゼロの前に立ちはだかる。 直接的な原因は、兄であるカーネルがゼロの敵として倒されたからだろう。 ファストトラベル 一部のゲームにおいて、広大なゲームの舞台を乗り物やワープ等、一瞬で特定の地点から一定以上の離れた地点に移動する機能。 昔から『Wizardry』の「マロール」「エレベーター」や、『ドラゴンクエスト』シリーズの「ルーラ」「たびのとびら」等、多くのRPGでこの概念は存在していたが、2000年代のMMORPG以降、そう呼ばれるようになった。MMORPGではプレイヤー同士で時間を合わせて集まる必要があるため「集合地点に向かうのに数十分掛かる」ではゲームにならないからである(常に野良パーティーなら別だが)。 ただし、広大なマップの場合は予め膨大なマップデータを読み込まなければならないためロード時間が長くなりやすく、ファストトラベルによる移動を行うと移動距離によっては基本的に30秒~1分台の長いロードが発生するという弊害も起きるたりもする。 とはいえ、作品によっては街から街まで歩いて数十分は掛かるので(*56)十分「ファスト」と言えよう。 ファンディスク 元の作品のファンユーザーに向けて制作・販売するソフトを指す和製英語「Fan Disk」のことで、頭文字をとって「FD」と略される。 ゲーム業界ではアダルトゲームで多く用いられる言葉であり、ゲーム本編のヒントやゲームデータをパソコンのアクセサリーとして提供するタイプの物や、ゲーム本編のエピソードを補完するタイプのものがある。 コンシューマ業界では『スパロボ』シリーズが時々「スペシャルディスク」として出しているものの、類例は少ない。 本来の意味では元作品のおまけ的存在に位置付けられるが、外伝・続編やスピンオフにあたる独立した作品をFDと称して発売する事もある。 ファンのための追加コンテンツと言いつつ、絵や音楽といった素材を流用してもう1本ゲームを作れるというセコい思惑が見え隠れするが、大抵のアダルトゲームメーカーは零細企業なのでこういう「努力」もある程度は仕方のないところだろう。 しかし、普通には考えにくいことだが「ファンディスクでファンを怒らせる」という事態がしばしば見られる。 元作品の売上や会社の状況次第ではFDを世に出せない可能性もあるとはいえ、制作スタッフの独り善がりが出過ぎてファンを置いてけぼりにしたFDが出るよりはマシなのかもしれない。 近年はFDとしての発売ではなく、外伝やアフターエピソードとして大型DLCで代用してしまうこともある。 制作側は低予算で開発できて販売本数の予測も立てやすく、マーケット側は在庫を抱えずに済む、そしてプレイヤーは料金が安く済むと、どの視点からでもお得というのもある。 そもそもFDから買うなんて人は99%存在しないので、FD扱いのDLCであれば本編必須というDLCの弱点は弱点にならないのである。 フォトリアル CGの目指す方向性の1つ。文字通り「写真のようなリアルさ」を指す。 リアリティのあるグラフィックはゲームプレイへの没入感を増す要因となるが、そのためには大容量でパワフルなマシンスペックが必要になる。 また、リアリティにこだわると「写実的な背景にあってゲーム的な動きをするキャラクターが浮く」「動きまでリアルに凝りすぎてもっさり」といった問題も出てくる。 特に人物の場合はいわゆる「不気味の谷現象(*57)」も立ちはだかるため、まだまだ課題の多い問題である。 16ビット機時代、主に海外製ゲームで「実写取り込みのテクスチャをポリゴン/スプライトに貼り付けたらリアルだろ!」と言わんばかりの稚拙なフォトリアル系ゲームが乱発された。 そのほとんどは極端な低フレームレート(しかも実写部分以外は高フレームレート)でリアルどころかシュールとしか言いようのない出来栄えのものが多かったが、『Mortal Kombat』など気を吐いた作品も存在する。 フォント 本来は数字や文字を意味する言葉だが、狭義では「同じサイズで、書体デザインの同じ活字の一揃い」を指す。 ゲームにおいても同様、数字や文字を指しており、ハードの進歩と共に音源やグラフィックと一緒に進歩してきた。 かつてのゲームは容量が少なかったため、初期は英数字が主でナムコ(アタリ)フォントが長い間汎用的な面でも長らく使われてきた。 多くのFCのゲームで目にしたであろう英数字が、このナムコフォントである。 ハードが進歩するとともにカタカナやひらがなが登場し、SFCの時代になると漢字フォントの登場でフォントの進化は完成の日の目を見、PSの時代になると文字にエフェクトが付いたり、何倍にも大きくなったりと表現が多彩になっていった。 近年は同一ソフト内で多言語機能を搭載したゲームの登場により、日本語版や英語版のゲームでキリル文字(ロシア語)やハングル(韓国語)、アラビア文字(アラビア語)等、日本語版や英語版のゲームではマイナーな他言語フォントも見かけるようになってきた。 音源やグラフィックに比べるとやや地味だが、進歩には欠かせない要素の1つであることに変わりはないだろう。 アーケードゲームやFCなど、ビットマップフォント全盛期は複数の色を用いたフォントも存在したが、プロポーショナルフォントが主流の現在は単色が基本となっている。 時代の流れに伴う解像度の向上とともにゲームのフォントサイズは小さくなって見え辛くなっている。 特にフルHD以上の解像度のゲームが多いPS4/One以降の据置ゲームで顕著で、人の視力によっては老眼鏡や拡大鏡をかけないと見えないことすらある。 故にゲームによってはフォントサイズ変更のオプションがあったりする。 それとは別に、いわゆるアルファベットは漢字と比べると1つの字で表現できる情報量が少ないが、それだけ形状がシンプルなので文字表記が小さくても認識しやすい。 そのため漢字、特に画数の多い文字はフォントサイズを大きくしないと読み取りにくい。 つまりは欧米圏の半角英字で表示する前提のゲームをそのまま日本語や中国語ローカライズして2バイトの漢字に変換しただけのゲームは文字が小さくて読みにくい作品となる。 要はちゃんと手間をかけてチェックできていないのだが、洋ゲーで妙にフォントサイズが小さくて読みにくい作品はこういう理由もあったりする。 容量を工夫してカタカナの字数制限と共にとひらがなを混合使用したゲーム……『ドラゴンクエスト』 FC時代に漢字フォントを使ったゲーム……『ヒットラーの復活 TOP SECRET』『ファザナドゥ』『サラダの国のトマト姫』 1倍角ひらがな・カタカナと4倍角の漢字を使ったことでアンバランスな表現になってしまったゲーム……『ロマンシング サ・ガ』 復刻版 一度生産が終了した商品を再製造した商品のことであり、ゲームにおいてもたびたび行われている。 当時のパッケージなどをそのままに復刻する場合も多く、レトロゲームのダウンロード販売もこの範疇に入る。 人気はあったがプレミアになっていたゲームや遊べる環境がなくなったゲームが復刻されるのはゲームファンには純粋に嬉しい措置と言える。 復刻版ミニゲーム機 任天堂が発売した「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」に端を発するレトロハードをサイズを縮小して復刻した商品のこのWikiでの総称。 内蔵されたゲームを実際にプレイでき、映像・音声出力はHDMIに、電源供給やコントローラーの接続はUSBで行われる。 電源スイッチなども可動し、中断セーブを残せるのが共通仕様で、インテリアとしての需要も高い。 バーチャルコンソールなどで購入した場合の合計価格より安価で購入できる上、ダウンロード販売を利用しないようなユーザーにも優しい商品となっている。 現在ではプレミアで取引されているタイトルやVCなどで復刻されなかったタイトル、当時発売中止となったタイトル、果ては完全新規開発のタイトルまで収録される場合もあり、レトロゲーマーなら見逃せない商品と言えるだろう。 復刻版ミニゲーム機収録タイトルリンク 物理エンジン 正しくは物理演算エンジン。質量、速度等の古典力学的な法則をシミュレーションするミドルウェアライブラリで、複雑な地形でのバウンド表現などを行う機能などとして利用される。 物理エンジンを史上初めて搭載した家庭用ゲームは『Rocket Robot on Wheels』(N64、日本未発売)。 物理エンジンを搭載されるまでのゲームは、ダメージによって吹き飛ぶ動作などは予め用意されたパターンしか表示されなかった。 だが、物理エンジンの登場で行動が起こってから計算され、その結果が反映される「生きた世界」の表現が可能になり、よりリアリティのある世界の構築が可能になった。 しかし、ユーザーの千差万別の行動全てをシミュレートできるわけではなく「計算外」の行動によりバグの温床となる弊害も生まれている。 代表的な物理エンジン「Havok」はバグが起きると関節が伸びたりそれこそ物理法則を無視したような勢いで吹き飛ぶなど「Havok神」と呼ばれる事象も起きている。 物理エンジンの有名なバグは『Grand Theft Auto IV』での「ブランコに何かを押し付け続ける → ある所で力が反転してしまいものすごい勢いで射出される」というバグや『Skyrim』で巨人の攻撃を食らうと高々と打ち上げられるなどがある。 近年では物理エンジンから発展して「火を放ったら燃え広がる」といった現象を演算する化学エンジンというものも開発されている。 余談だが、日本や日本のオタク文化の流れを汲むアジア製ゲームでは女性キャラクターの乳房を揺らす「乳揺れ」に力を入れすぎて「他に力を入れるべきところがあるだろ」と言われることもある(*58)。 乳揺れに物理エンジンを使用しているゲーム……『ファンタシースターオンライン2』『DEAD OR ALIVE』シリーズ等 ぶっぱなす / ぶっぱ 本来は「豪快に放出する」ことを意味する言葉。 ただし、ゲームにおいては「大技を何も考えずに使用する」ことを指すことが多い。搦め手を織り交ぜるなどして上手に使っていくニュアンスがなく、苦し紛れも含めて後先考えずに用いるような場合に使う。 大抵のゲームでは大技にはコストが高かったり使用前後の隙を無視できないといったリスクが存在するため、考えなしに使うことは結果的に自分の首を絞める悪手と言える。 特に格闘ゲームなど短い時間で濃厚な攻防の繰り返されるゲームでは、超必殺技のまぐれ当たりに頼る消極的な姿勢の表れとして嫌われやすい。 もっとも、どんな行動であれゲームにおける選択肢の1つなのは確かである。 実際には結果論で「当たれば読み勝ち・外れればぶっぱ」とされるは場合もあり、その程度や考え方次第で、受け止め方が多少変わってくる言葉と言えるだろう。 ちなみに、それ単体が単純に強い技をただ振り回すことがリスク回避も兼ねた上策にあたるようなゲームを「ぶっぱゲー」という。 また、ステータスの割り振りが可能なゲームにおいて、特定のステータスに割り振り可能な数値を全て振る際にもしようされる。 フラグ 「旗(flag)」のことであるが、ゲームにおいてはほとんどの場合下記の意味を指す。 特定の動作をさせるための条件、またはその条件が揃った状態を指すコンピュータ用語。 1から転じてADV等で特定のストーリーを展開させるための条件のこと。 2からさらに転じてストーリー中に「このあとこうなるだろうな」と伏線を感じたときに「○○フラグが立った」と呼ばれる。フラグが立ったあと、実際に予想通りの展開になると「フラグ回収」、そうならなかった場合は「フラグが折れる」等と俗に言われる。 フラグメンテーション・グレネード(破片手りゅう弾)の略称。旧来は「グレネード」と呼ばれることが多かったが、軍事技術の変化に伴ってゲームにも「スモーク~」「スタン~」などグレネードの種類が増え、「フラグ」の略称も一般的になっている。ちなみに「fragmentation grenade」の略なので、英語の綴りは「flag」ではなく、「frag」が正しい。 Flash 旧マクロメディア(現アドビシステムズ)が提供していた動画作成ツール。 最盛期にはブラウザ上で動作する動画やゲームが多数作られ、WEB界隈を賑やかした。 2020年に開発・配布終了が宣言され、1つの時代が幕を閉じた。 なお、Flashで作られたブラウザゲームは当Wikiでは対象外ではあるが、完成度と人気故にコンソールやスマホアプリ等に移植されたゲームもある。 『Trials HD』……Flashゲームで十分な物を超真面目にフル3D化したというぶっ飛んだ作品 『フェアルーンコレクション』……シリーズの大本となるFlashゲームを『フェアルーンオリジン』の名で後世に残した 『NANACA†CRASH!!』……『CROSS†CHANNEL』を題材にしたFlash製同人ゲーム。たぶん本編より知名度が高い。10年後に公式化し、スマホアプリが配信された。 当然のようにFlashエミュレーターが制作され、一部のサイトではエミュレーター用の元データ配布が行われている。 Internet ArchiveでもFlash含みのページではエミュレーターによって再現されるようになっている。 フランチャイズ(Franchise) 一方が自己の商号・商標などを使用する権利、サービスを含む自己の開発した商品を提供する権利、営業上のノウハウなどを提供し、提供された側がそれらの使用に対して使用料を支払う事業形態のこと。 そこから派生して、ゲームを含むエンターテインメント業界では、キャラクターや世界観のフランチャイズするという意味でシリーズ作品をフランチャイズと呼ぶこともある(関連 IP)。 フリー・トゥ・プレイ(F2P) / フリーミアム / 基本プレイ無料 無料でプレイ開始できるゲームのこと。 「Free to Play」の「to」に数字の「2」を当て「F2P」と略され、日本では「基本無料ゲーム」と呼ばれている。 ゲーム開始前には料金が発生せず、基本的なプレイ料金は無料であるのが特徴。 ただし、 その多くが「アイテム課金」と呼ばれていたビジネスモデルを採用 しており、主に「ガチャ」と呼ばれるランダム提供方式(*59)を主軸にしている作品が多い。 遊ぶだけなら無料だが、有料オプションを販売することで利益を上げており、この課金要素が基本無料ゲームにおいて収益の要である。 有料オプションはキャラクターを飾る衣装を個別に販売しているものから、月額を支払うことで倉庫が拡張できるようになるもの、ゲーム性の根幹に影響するユニットや武具の販売まで様々である。スタミナ(燃料)制のゲームだとそれを必ず販売している。 最近のPCオンラインゲーム・携帯電話/スマートフォンのソーシャルゲームサービスで頻繁に見かける形態であり、その間口の広さはユーザー側にも企業側にもメリットと言える。 CSソフトでの導入も含めてその歴史はまだ浅く、コンテンツを提供する各企業はそのサービスの充実と顧客獲得に取り組んでいる。 逆は「ペイ・トゥ・プレイ(Pay to Play)」で、基本プレイ有料。月額料金制などが主で、F2Pでも『役満 鳳凰』のようにプレミアム料金として課金することでプレイ回数の制限を解除できるものもある。 ゲームを気に入った人がより深く遊ぶ分だけお金を払うこと自体は個人の好みで済むのだが、他のプレイヤーとの絡みなどが小さくないゲームでは課金層と無課金層の間に大幅な熱意・能力などの格差が発生する。 そしてハマってしまったり、アジア圏・特に日本のF2Pでは運次第で天井知らずにお金がかかるイメージとその事実は根強い(見方によってはDLC商法とは比べ物にならないほどえげつない)ため、お試しプレイのハードルは低くとも抵抗感を拭えない層はやはり存在する。 このような背景もあってか、任天堂はこの形式を「フリー・トゥ・スタート (始めるのは無料)」と呼ぶことを提唱していたりする(*60)。 しかし近年はスマホの普及でF2P、特にガチャ式のアイテム課金が一般化し、それに伴い「ゲーム=基本プレイ無料」と考えるユーザーが増えてしまった。 その結果、オンラインがメインのゲームはF2Pでなければ人が集まらなくなってしまい、買い切りだとオンラインが初めから過疎化するゲームが多くなった。 これにより、近年ではオンラインがメインとなるFPS/TPSの新作は大半がF2Pとなっており、『Call of Duty(*61)』のようなCS機も視野に入れていた分野のFPSでもF2Pが増えつつある。 ただし、2020年代になるとユーザーに遊ばれるF2PのFPS/TPSが『FORTNITE』『Apex Legends』などの人気作に固定化されていき新規参入が難しくなったため、2023年以降はCS機での展開を予定していたF2PのFPS/TPSが相次いで開発中止になっている。 一方、F2PのFPSには元々『サドンアタック』や『Counter-Strike Online』と言った人気作があったが、現在主流となっているのは後から出てきた作品ばかりである。 そのため、衰退しつつあったこれらの作品が時代の流れに乗って復活することはなく、逆にとどめを刺される形となり前述の無料FPSは2010年代の終わりにサービス終了している。 ちなみに、アーケードゲームでも一部F2Pが導入されているが、サブカを大量に作り「げんき」を回復している間に他のカードを回すという(*62)「連カ」が問題となり、結果として『ぷよぷよクエストアーケード』は比較的短期間で運営終了となった。 コンシューマーゲームでのF2Pの例……『バッジとれ~るセンター』『だるめしスポーツ店』『インフィニタ・ストラーダ』 アーケードゲームでのF2Pの例……『ぷよぷよ!!クエスト アーケード』『CODE OF JOKER』 批判されたF2Pの例……『エースコンバット インフィニティ』 PtW / P2W(Pay to Win / ペイ・トゥー・ウィン) 対戦ゲームに勝利するために、基本料金とは別に課金が重要なゲームのこと。課金額で格差が出てしまうため、これらの要素が強いゲームは基本的にe-Sportsとは認められない。 発売直後にコピーが出回るせいでパッケージ商売が壊滅した韓国において、メーカーが利益を確保するために考案したものが発祥。 この言葉が生まれる前に出たTCG(例:『マジック・ザ・ギャザリング』)などもPtWの要素(*63)が強く、似たシステムは古くから存在している。 「有料でのみ、通常プレイで入手可能なものより性能の高い消費アイテムや装備を入手可能」「特定要素の解禁までにかなりのお金がかかる」というものが主。 無課金でもそこそこ勝負になるものから、無課金対重課金ではゲームにならない、中には課金額の多寡だけで勝敗が決まるという酷いものも存在する(*64)。 そのため、無料だった筈なのにゲーム機1台どころかゲーミングPCを1台買うより高くつくこともザラであり、中には数百万円から数千万円分もの課金をしているユーザーもいるほど。 また、低年齢層にも広がりを見せた結果「親のクレジットカードを勝手に使用し課金する」と言った笑えない事件も起きている。 旧来ゲーマーからは課金アイテムについてはキャラクター性能には無関係のアバターアイテムが好まれる傾向にあり、ゲーム性を崩しかねないPtWは基本的には忌避される存在である。 だが、ソーシャルゲームが日本で流行してから状況が一変し、似たような傾向か醸成されつつあった(「マラソン」参照)アーケードビデオゲームにまで、加速度的にPtWの傾向が広まっていくこととなった。 一定金額が投入されると難易度(ランク)が下がる(というか、一定金額投入しない限り無理ゲーだったりする)メダルゲームやプライズゲームも同類と言え、メダルゲーム『エターナルナイツ』では通信対戦の前にメダルを無駄に消費して筐体のランクを下げるというテクニック(?)さえ存在する。 Play to Earn(プレイ・トゥー・アーン) ブロックチェーン技術を用いて、F2Pゲーム内において現実で使用可能な暗号資産を稼ぐことが可能なシステムのこと。 このシステムを導入したゲームは「NFTゲーム」と呼ばれ、海外を中心に市場規模が広がりつつあり、少数だがこれで生計を立てている人も存在する。 近年ではこのシステムを応用し、歩いたり自転車に乗るだけで暗号資産を稼げるシステムまで登場している。詳細はこの動画を参照。 プレイアブル プレイアブル(playable)とはゲームを行える、操作を行えるといった意味で、特にプレイヤーがそのキャラクターを操作できることを意味する。 操作ができるキャラクターのことを「プレイアブルキャラクター」と呼ぶ。 最初はプレイできなかったが、DLCやアップデート、続編でプレイできるようになることを「プレイアブル化」などとも言う。 英語圏でも通用はするが、プレイヤーキャラクター(player character)のほうが一般的。 プレイ時間 そのゲームをプレイする時間。ソフトの価格はだいたい同価格帯であることが多いのでプレイ時間が長いほうがコストパフォーマンスがよいということで評価の対象になることがある。 雑誌などのインタビューで開発者から「クリアまで○○時間」と言及されることもある。 やり込みや寄り道要素の多い昨今では「寄り道せずにクリアすれば50時間、やり込みすれば100時間以上」というような言われ方をする。 ジャンルではRPGが豊富なクエストやランダム要素によりプレイ時間がとりわけ長くなる傾向があり、特にBethesda Softworksの『The Elder Scrolls』シリーズと『Fallout』シリーズには1作品で1000時間以上遊ぶプレイヤーも多い。 しかし、プレイ時間が長ければ良作で短ればクソゲーというわけでない点には注意。 例えば、大作ゲームであれば長時間遊べる方が良いという風潮があるが、アーケードゲームであれば(1周)クリアまで1時間ほどという作品も珍しくない。 また、マルチプレイやハクスラ要素がメインのゲームにおける平均的なプレイ時間は一概には測ることはできない。 特にオンライン対戦がメインとなるFPS/TPSではアップデートで常に新しい要素が追加されるため、プレイ時間が際限なく伸びるのが当たり前である。 そして、ゲームにも依るが現在では実績の達成や隠し要素の解放条件等にプレイ時間が絡むというケースも存在している。 上記を含め単純な作品の良し悪しを決める要素としては希薄であるという考えも増えている。 一部のゲームハードでは本体自体が個々のソフトのプレイ時間を記録する機能が備わっており、ゲーム内にプレイ時間を計測する時計が付いている作品もある。 『ゼノブレイド』はプレイ時間が膨大になりやすいにもかかわらず99時間までしか計測されないことが指摘され、「ゼノブレイドの平均クリア時間は99時間59分」と言われることも。 New3DS移植版では999時間まで計測されるようになり、後継作の『ゼノブレイドクロス』では9999時間に至った。 RTAはニューゲームからエンディングまでのプレイ時間を極力減らす競技だが「RTAのタイムが短い=プレイ時間が短い」というわけではないので注意。 むしろ研究と練習・NGテイクによる再スタートなどにより、普通にプレイするより何十倍、何百倍も総プレイ時間を費やしていることが多い。 プレイ動画 ゲームをプレイしている様子を動画サイト『YouTube』や『ニコニコ動画』や『Twitch』等にて配信すること。 ゲームを持っていない人も参考になるが、再生時間の都合上読み込みや見所のない長距離の移動等を編集でカットしていたり倍速をかけている場合も多く、加えて動画だけでは操作性まではわからないので、動画を見ただけでプレイした気にならないよう注意(*65)。 また、1回の動画で終わらない場合は諸事情(視聴者数が伸び悩んだ、単純に飽きた等)によって投稿者が投稿を中断するケースも多く、動画が最後まで完結するとは限らない。 一口にプレイ動画と言っても動画作者(≒プレイヤー)の手法は様々である。 特に編集せず淡々とプレイ、プレイヤーの肉声やテキスト読み上げソフトによる実況(*66)や雑談入り、解説や攻略法等をつけて攻略・検証動画として編集、様々な制約をつけて縛り・やり込みプレイ、凄まじい実力を披露する魅せプレイ、ゲームのストーリーを最初から最後まで配信するものもあれば、難所をクリアするものや、マルチプレイを配信するものなど、その種類は多種多様。 ゲームソフトも著作物であるため、プレイ動画を権利者に無断で向けて公開することはれっきとした著作権法違反なのだが、悪質な場合を除いてあまり取り締まりがされていないのが現状であり、著作権者(原作者やメーカー等)よって対応や方針は大きく異なる。 明確に対応を取っている場合は「(主にストーリー性重視の作品で)投稿を一切許可しない方針であり、メーカーがアップロード禁止令を出す」「規約を用意して投稿を許可する(コミュニティの活性化、宣伝としての役割を狙う)」「(主にアーケードや対戦・競技ゲームで)簡単に投稿用動画を作れるサービスを公式で行っている」のいずれかに大別される。 一部は「特定要素だけ動画公開を許可(例:対戦格闘でバトル部分のアップロードは可能だがストーリー部分は禁止)」としている場合もある。 逆に動画投稿を許可していない作品の場合、投稿すると法的措置をとられる可能性があり、2023年には禁止されている作品の動画をYouTubeに投稿した人物が実際に逮捕されている。 このように対応が分かれる原因として、プレイ動画が「ゲーム実況」というエンタメの1つとなっている現状があり、クリエイターの中にも有名実況者の動画を視聴していることを公言している者もいる(参照)。 プレイ動画のアップロードが推奨されている例……『Wonderland Wars』『ボーダーブレイク』『三国志大戦』シリーズ等(*67) プレイ動画のアップロード支援機能が組み込まれている例……『maimai』シリーズ(*68) プレイ動画のアップロードが禁止されている例……『ペルソナ』シリーズ(*69) PS4/One/Switch以降の据置機はスクリーンショット・動画を撮影しアップロードする機能(*70)を内蔵し、これらに合わせて著作権者側から「この区間はアップロードOK/NG」という信号を埋め込めるようになっている。 しかし、OK/NGの切り替わる頻度が高かったり、不必要に撮影・録画が制限されているなどの場合、不評を買うソフトもある。 プレイ動画や他人の評価を見ただけでプレイした気になり知ったかぶりで批評すると、どこかでボロが出て「動画評論家」「動画勢」「エアプレイヤー」等と叩かれるのがオチなので批評は慎むべし。 PK(プレイヤーキラー) MMORPGのようにいつでもPvPできるタイプのゲームで、一方的に攻撃を加え他のプレイヤーを殺すプレイヤーのこと。 お互い合意の上で戦うPvPとは違い、一方的に戦いを挑んで殺す事を指す。MORPGにも存在する(*71)。 当然ながら迷惑行為として忌み嫌うプレイヤーもおり、そう言った人の中にはPKを狩る「PKK (PKキラー)」なる者も存在する。 古い作品では「悪人を演じるのもロールプレイのうちでMMORPGは自由だ」と放任されていたが、次第に「初心者狩り(*72)」「カモを見つけてひたすら付きまとう」などの「演じているでは済まないガチの悪人プレイヤー」が登場する。 さらに、「公式イベントの妨害」「超レア装備をPKで奪われた廃人が引退」などの運営にとっても好ましくない問題が表面化したことで、新作ではほぼ採用されなくなっていった。 「PKには犯罪者アイコンが付く(PKKをする分には付かない)」というルールの作品もあるが、所詮はゲームなので「PKを楽しみたい時以外はサブアカウントで遊ぶ」「時効になるまで全財産を銀行に預けて裸で放置(*73)」「いっそのこと身内やサブアカウントでPKキャラを殺して名声値や賞金を得る(*74)。要はマッチポンプ」等で無意味な場合も多い。 PKが認められているMMORPG……『ウルティマオンライン』『ウィザードリィオンライン』『黒い砂漠』等 MPK(モンスター・プレイヤーキラー) MMORPGにおいて、自分を追いかけてきたモンスター(プレイヤーのペットは含まない)を他のプレイヤーに押し付けて殺す行為。 ただし、他プレイヤーを殺せたとしてもPKが不可能なMMORPGでは相手の財産を奪うシステムは無いので、純粋に嫌がらせでしかない。 PK可能なゲームでも「自分の手を汚さない(犯罪者アイコンが付かない)」方法として使われることがあるが、モンスターがMVPになってしまう以上、財産を奪うことはできない場合が多く、やはり嫌がらせがメインである。 往年の「ラグナロクオンライン」ではモンスターを召喚する「古木の枝」を町中で使う「枝テロ」という嫌がらせが有名だった。 一方で、3D作品の場合は「移動中に視界外のモンスターの標的にされてしまい、知らずに追いかけられていた」等で、そのモンスターが他のプレイヤーを襲ってしまいMPKと認定されてしまう場合も。 プレミア 英語の「premium」のことで、「割増金」が転じて「付加価値」を意味する。本来の発音は「プレミアム」だが、語呂の関係か「ム」は省略される(*75)。 「プレミア価格」とも言われる。価格ではなく、「プレミア料金」と表記された場合、それはゲーム内課金のことを指すまったく別の概念である(*76)。 ゲームソフトもその希少性の度合い次第では、中古でも定価並みかそれ以上の値が付きコレクターグッズと化し、市場に出回らず入手が非常に困難な状態にもなる。 抽選で当たる・一部の人間に対してのみ作られたという特殊性があり格の高いプレミアソフトはもはや一般のショップには並ばず、マニア向けの店の目立つケースに飾られ、非売品として展示されていることも。 数段価値の下がるものであってもショーケースで保管・陳列されており、数万円から十数万円の値が付き一般的な中古商品とは別格扱いされている。 近年では各種ゲーム配信サービスによって多くのプレミアゲーを安価でプレイできるようになった。 だが、表現に修正が入っていたり、実機環境の完全再現はできなかったりで、高い金を支払ってでも実物を求める本格趣向のこだわり派ゲーマーも依然として存在する。ハードもまた然り。 生産数が少ない・再生産されないという理由で中古市場に出回りにくい物は希少価値が上がりやすい。 また、出回りの少なさはストレートに希少性につながるため、元々生産数が絞られたハード末期のソフトや一般PCゲームなどにはプレミアが付きやすい。 その上、開発にこなれて完成度を高めたり製造元が現存しないものなどは人気が高く、結果ファンや店舗の保有(保管)率と現物を求める層との差も大きくなりさらに高いプレミアが付いていく。 もっとも、中古価格は中身を保証するものではない。筋金入りのクソゲーでも、絶対数が少なく認知度が高ければプレミアは付く。 なお、「限定生産品や非売品などではない一般流通したゲームソフトで最も日本国内での中古流通価格が高いソフト」はおそらくNGの『ちびまる子ちゃん まる子デラックスクイズ』であり、箱説明書付きで200万円という驚愕の価格で販売されたこともある。 ……というか仮に非売品を含めても正真正銘世界に1本しか存在しない『キン肉マン マッスルタッグマッチ』の金カセ版ですらオークションで100万円前後なので、「ゲームソフト」の取引価格としては『まる子デラックスクイズ』が最高額である可能性も高い。 国外を含めるなら、『スーパーマリオブラザーズ』の未開封品が200万ドルで落札された事例があり、恐らくこれが最高値。 プレミアの付いた名作の例 『メタルスレイダーグローリー』『風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! (特にWin版)』『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』 入手困難なゲームの例 『オプーナ』 プレミアのついたクソゲーの例 『デスクリムゾン』『ケロケロ7』『将棋新世紀 PonaX(*77)』 配信サービスによって安価でプレイ可能な例 『ギミック!』『ファイアーエムブレム トラキア776』『ファイナルファイト タフ』 大手の中古ショップであればある程度は大丈夫だが、プレミア狙いの偽物ソフトも出回っているので購入の際は注意を要する。 他のソフトのカートリッジの中身だけ入れ替えてコピーしたシールを貼ったものなど、精巧なものだとプロでも見分けるのは困難。 なお、稀にピンボールメーカーの「premier (プリミアテクノロジー、旧ゴットリーブ社。会社組織は既に解散)」のことを指すこともある。ゴットリーブ社の代表作には『Qバート』がある。 また、メダルゲームなどのゲーミング分野では、「大当たり(高配当)が保証された状態」を指すことがある。 プレミアムリーチ(必ず当たるリーチ)、プレミアムフラグ(引き当てると確実に高配当を期待できる役)などと表現される。 フレンドリーファイア 友軍(味方)への攻撃のこと。主にFPS/TPSなどのマルチプレイが前提のゲームで採用されていることが多い。略称はFF。故意か過失かは問われない。 誤射であれば理解は得られるが、謝罪しておくのが無難だろう。 ただし、あまりに頻繁だったり意図的に味方を撃ちまくるとゲームから追放されたり、度重なるとBANなど重い処罰を下される可能性もある。 ルールでFFをオンオフできたり、銃弾は無効だがグレネードなど範囲攻撃は味方や自分を巻き込むというゲームもある。 「瀕死の場合、回復アイテムを数個使って回復させるより、あえてFFで殺してから復活させたほうがコストが低い」「味方に当てると回復させる武器(*78)」なんてのもあるので、タイトルごとの事情は考えよう。 プロモーションビデオ 販売促進用の映像作品のこと。略してPVと呼ばれる。映画文化の強いアメリカではトレイラー(予告編)と呼ばれている。 ゲーム雑誌等に掲載されている写真ではなく実際に動いている場面や使用される音楽等が確認できるため、ゲーム購入にあたって重要な情報となる。 昔は店頭に置かれているテレビでしか見れなったり、雑誌の付録DVDを見るくらいしかなかったが、昨今ではYouTubeやホームページ等でも気軽にPVを閲覧できるようになっている。 ゲームがある程度動く状態まで完成していないと作れないためユーザーとしても信頼度の高い情報として受け取ることが多いが、公開されたPVと実際のゲームが違いすぎると「PV詐欺」等と言われてしまって評価を余計に落とす場合もある。 PV詐欺と呼ばれたゲーム 『プロゴルファー猿』……このゲームからあのPVを作り出す手腕に脱帽。 『ファイナルファンタジーXIII』……プリレンダムービーに戦闘画面風UIをつけてリアルタイムだと言い張る芸風が生まれた。 『ファイナルファンタジーXV』……『ヴェルサスXIII』から『XV』に変遷する過程で変更された箇所はもちろん、最終PVからすら削られた場面も。 ベータ版 製品の開発段階の1つで、完成前にユーザーにテストしてもらうサンプルバージョン。「βバージョン」「ベータテスト」等とも呼ばれる。 MMOやFPSと言ったバランスが大事なゲームでは社内のテストだけで不十分な場合があるため、様々な人に実際に使ってもらうことで不具合や改善点を洗い出すことを目的としている。 ちなみに、社内でのみ行われるテストのことは「アルファ版」「αバージョン」「アルファテスト」と呼ばれる。 また、ベータテストに参加できる人数や団体を絞って行うことを「クローズドベータ」と、誰でも参加可能(*79)なテストを「オープンベータ」と呼ぶ。 ヘイト 「Hate (憎む)」という意味の英単語。英語圏では単に「大嫌い」という意味で使われることも多い。 ゲームでは主にMMORPG等で使われ、敵NPCがどのプレイヤーを攻撃するかを決定する内部ステータスを指す。 ヘイトが高いほど優先的に狙われる仕組みになっているが、誰が狙われているかを表示するゲームは増えてきたもののどの行動がどの程度ヘイトが上昇するかを表示しているゲームはほとんどないため、ある程度推測しながら行動しなければならない。 その中で、敵からのヘイトを引き受ける役割を担う参加者のことを「タンク」と呼ぶ。諸説あるが戦場で目立つ「戦車(Tank)」が由来と言われる。 タンク役は高い耐久力と敵からのヘイトを集めるための専用技を併せ持つ事で、耐久力が低いそれ以外のメンバーに敵の攻撃を向けさせないようにすることが求められる。 基本的に与ダメージまたは回復量に比例して大きくヘイトが蓄積されることになるため、耐久力重視(≒攻撃力軽視)なタンク役には往々にして「挑発」などのように、ヘイトを直接加算する行動が実装されるのが常である。 ここから転じてFPS/TPSなどの多人数対戦ゲームでも目立つ行動を行い、相手の注意を引く囮役が「ヘイトを買う」「ヘイトを集める」などとも言う。 『Civilization』シリーズなどの戦略シミュレーションでは、相手の領地の近くに入植するなどの行為によってCPU勢力からのヘイトを買うことがある。『Stellaris』ではethic(志向)の異なる勢力に対してCPUは攻撃しやすくなっている。例えば「軍国主義」と「平和主義」は対立し、「(通常の)平和主義」の勢力は「軍国主義」の勢力へ「イデオロギーの違い」を理由に宣戦布告が可能となっている(*80)。 ベクタースキャン ブラウン管の輝点やレーザーなどを、特殊な方式のモニター(*81)上に直接図形の形状に沿って振り動かしながら描画する技術(*82)。 その仕様上、描画できるのは点と線のみで簡易的な図形描画は可能だが、面に色を塗ることができないため独特な趣の画面になる。 利点は画面を塗りつぶさないため高速表示が可能なこと(*83)。当然CPUやVDP/GPUの負担も少ない。 ゲームへの使用例としてはアーケードゲームが多いが、家庭用機(Vectrex/光速船)も存在する。 その性質上、ベクタースキャンゲームの基板だけ保存していたとしても出力信号が特殊なため通常のモニタでは表示できない。前述の家庭用機もモニター一体型である。 ヘッドショット FPS/TPSにおいて敵の頭を撃ち抜くこと。 人体にとって最重要の器官である頭部(厳密には脳)を破壊されれば死に直結するため、ゲームでもヘッドショットは即死になる場合が多い。 ただ、ルーターシューターのようなRPG要素のあるシューティングでは、ゲームバランスのため大ダメージで済む場合もある。 『Sniper Elite』シリーズなどのようにヘッドショット成功時にスコア・経験値にボーナスが加算されたり、規定数のヘッドショットでトロフィーが獲得できるようになっていることで、必要以上にヘッドショットを狙わせるようなゲームデザインになっているものもある(*84)。 のみならず、『HITMAN』(2016)のコントラクトなどのようにヘッドショットが必須である場合もある。 『Splinter Cell Black List』ではヘルメットをかぶった敵(防弾チョッキも着用)はヘッドショット無効となっている。 未プレイ者にはこれはヘッドショットをさせないためのルールと感じるだろうが、ヘルメット兵はヘッドショットでヘルメットが確定で脱げるため、実際は「2発連続でヘッドショットを決めろ」ということである。 人体の先端にあり、的も小さいため難易度が高い。そのため、現実では頭部を狙った狙撃というのはほとんど行われず胴体を狙うことが多い。 戦場では「殺害」と「負傷」は差が小さく(当然ながら本人や家族にとってはその限りではないが)、場合によっては「負傷」の方が人員的な負担(*85)が大きいことから上位になる場合がある。故に体のどこかに当たれば良いというのが主な理由。 それとは別に狙撃銃の弾薬は長射程への対応のために高威力が必要となり、たとえ胴体に当たっても負傷どころか「真っ二つになる」レベルの致命傷を与えることができるという理由もある。 ただ、相手に人質を取られているなどの場合で、相手の即死が求められるような場面ではヘッドショットを狙うこともある。 他のジャンルでもプレイヤーや敵の部位が設定されている場合は、頭が銃器や弓矢と言った飛び道具専用の弱点扱いになっていることも多い。 ボイス 音声、またはそれを吹き込む声優の声のこと。後者の使い方をする場合、役者の名を先に入れ「○○ボイス」となる。 特にキャラクターの声、あるいはキャラ紹介時に併記されるその声優のことは「キャラクターボイス(CV)(*86)」とも。 メディア容量の増加によりゲームに挿入されるようになり、キャラゲーやキャラクター自体も売りとするゲームでは重要視される。 昔のゲームに多いが、スタッフ等がボイスを収録したケースも多く、独特の味のあるボイスが未だにネタにされ続けるは場合も多い。 また、スペックや容量等の関係で生音の声を挿入できない場合は「音声合成」という技術でボイスを制作することもある。 一方で映像のクオリティが上がった最新ゲームでは「棒読み」や「キャスティングのミス」がマイナス評価の一因になることも。 ちなみに、声優が有名であればあるほどギャラが高くなりゲームの制作費も高くつくことになる。 PS2以降はメディアの大容量化がさらに進んだことでマニア、オタク向けのゲームを中心にフルボイスのゲームが多くなったが、近年ではゲームの製作費削減のためあえてパートボイスにするゲームも少なくない。 独特の味と評価されたゲーム……『ストリートファイターII』『GUILTY GEAR』『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』等 悪い意味で話題になってしまったゲーム……『ファイナルファンタジーXII』『ローグギャラクシー』『リズム怪盗R 皇帝ナポレオンの遺産』等 起用した声優のギャラが安かったゲーム……『METAL MAX Xeno -滅ぼされざる者たち-』『死印』『NG』等 本職が声優ではない人物がナレーション……『7~モールモースの騎兵隊~』 本職が声優ではない人物がキャラクターボイス担当……『天外魔境』『ファイナルファンタジーシリーズ(*87)』『ドラゴンクエスト』『真・女神転生IV FINAL』『ブレス オブ ファイアIII』『双界儀』 フルボイス ボイスを採用したゲームでセリフがあるシーン全てにアテレコされていること。会話の一部だけに声が当たっている場合は「パートボイス」と呼ぶ。 何気ない会話シーンにもボイスがあることで豪華なゲームとされるが、会話シーンが冗長的に感じるということも。特に会話をスキップできないような場面だとそう感じやすい。 そのため会話シーンの多いRPGやADVでは重要なシーンやムービーはフルボイス、サブイベントなどはパートボイスまたはテキストのみといった使い分けをするゲームもある。 ボス もともと「上司」等を表す英単語。ゲームにおいては特定のステージの区切りやストーリー上の要所で登場する強力な敵キャラクターを指す。「雑魚敵」の反対語。 特にゲームの最後に戦うボスを「ラスボス」と、ステージの途中で戦うボスを「中ボス」と呼ぶことが定着している。 また、隠しステージや特定の条件を満たすと登場するボスを「裏ボス (隠しボス、真ボス)」と呼ぶ。 雑魚敵と明確に区別(特定の演出がある、専用BGMや専用ステージがある、等)されていることが多く、攻略するのに特殊な行動が必要な場合もある。 大抵は雑魚敵より巨大なグラフィックなので「デカキャラ」とも言われていたが、対戦格闘では(巨大ボスが登場するものもあるが)敵味方全員人間というのは当たり前、昨今はシューティング等でも自機・主人公達と同じくらいの背格好のボスキャラも多い。 ストーリー上の役割ではラスボスは悪役のリーダー、あらゆる事件の黒幕など、それ以外のボスはラスボスの手下だったり、ラスボスとは無関係だが主人公と対立する存在など様々。 いずれも主人公(=プレイヤー)とは対になる立場からストーリー・ゲームの世界観を支える存在であり、 キャラクター自身の魅力や、なぜ主人公と戦うかの筋が通った行動原理、そしてゲームの攻略難易度に応じて適度な実力が求められる、主人公と並んで最も大きな役を背負うキャラクターである。 PC-98あたりのゲームには「ボスが来たモード」として、特定のボタンを押すと実用ソフトっぽく見える画面に切り替わる機能が搭載されていたことも。 このボスは本来の意味のボスである。当時のPCは高価で自宅への導入が難しかったり、PC自体も1つのソフトしか動かないので、画面の切り替えが今ほど容易では無かった故の機能である。 コンシューマーでの採用は少ないが『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩』にママキタボタンとして存在する。音声はそのままなのであまり意味がない気がするが。 ボスラッシュ 今まで倒したボスともう一度戦うステージのことを指す。 基本的には、ラストバトル直前に配置されており、それまでのボスたちと連戦で戦い抜くという構造になっているのがもっぱらで、ラスボス戦前の緊張感を高める効果もある。 弱点やアルゴリズムが全く同じ場合もあれば、それらが強化されて通常時よりも強くなっている場合もあったりする。 また、特殊モードとしてボスラッシュのみのタイムアタックモードが搭載されているゲームもある。 採用されているゲーム ラストステージ(ダンジョン)で同じボスと再戦するゲーム……『ロックマンシリーズ』『アテナ』『ガイア幻想紀』『星のカービィ』『アクトレイザー』等。 BOT ボット。人間に代わって作業を行うコンピュータープログラムの総称。ゲームにおいてはFPSやオンラインゲームなどで使われるCPU/AIプレイヤーのことを指す。 FPSにおけるBOTは古くから存在しており、90年代に『QUAKE III Arena』や『Unreal Tournament』等のマルチ対戦FPSにおいて発展し始めた。当時のFPSゲームには大体BOTが搭載されており、中には開発環境までがメーカーによって準備されている物も存在する。 用途としては個人プレイでの練習用やマルチプレイでの欠員の穴埋めであるが、チューニングしたBOT同士を対戦させるといった使い方もされた。 近年ではブロードバンド環境が整うにつれマルチプレイでの対戦が容易になったことから前述のBOTは廃れていったが、代わりに不正ツールにおけるAIMBOT(*88)の登場からネガティブな意味合いで使われるようになった。 オンラインゲームにおけるBOTは、主にMMORPGなどの収集や成長の要素のあるプレイ時間に成果が比例するゲームにおいてよく見られる。 経験値・資金稼ぎやアイテム収集などの目的で使用されていることが多く、そうして得たお金やアイテムをRMT業者が売買することすらある。 その結果大量のBOTによる狩場の独占とそれに付随するユーザー間同士のトラブル多発、アイテムや通貨の供給過剰 → 通貨価値がインフレーションを起こしてゲーム内経済の崩壊といった弊害が発生してしまう。 そういったことを未然に防ぐため、ほとんどのMMORPGにおいてはBOTの利用は規約違反とされ、違反した場合はアカウントBANなどの重い処置がとられることがほとんど。 しかし、人気ゲームに数多くのBOTが出現することはもはや業界の常となっており、対策はイタチごっこの様相を呈している。 ちなみに、『Magic Online』には「カードの売り買いを仲介するBOT(*89)」なるものが存続している。 またオフラインゲームに視野を戻すと、TASで運操作を高速化するため、フレーム単位で別の操作を試行させるBOT(*90)なんてのも存在する。 要するに、悪い目的でBOTを用いること自体が悪なのでであって、BOTそのものが悪というわけではない。 なんでもかんでもBOTを叩けばいいというわけではないのでそこは気を付けよう。 没入感 音楽・映画・ゲーム・VR等の創作物に触れた際、その世界に入り込んだような感覚のこと。 またそれらに意識が注がれ他のことが気にならなくなる様子や、その度合いのこと。 ゲームに熱中できることと言い換えることができるが、FPSの隆盛やCGフォトリアルの向上、VRの登場によって現実とゲームの境が曖昧になる様子を指すキーワードとして取り上げられるようになってきた。 ゲームのデザインにもよるが没入感が高いほどよいゲームとされるため、ゲーム内でメタなメッセージが多発しすぎたり、グラフィックが粗いなど没入感を阻害する要素があるとマイナス要素として捉えられることがある。 ボム / ボンバー ゲームでの爆弾を表す用語。「ボム (bomb)」はそのまま英語で爆弾の事だが、「ボンバー (bomber)」は爆弾を使う者=爆撃機や爆弾魔」であり実は誤用である。 特にSTGで通常攻撃以外に用意された自機の特殊攻撃のことで大抵の場合、ボム専用のボタンがありそれを押し発動する。 基本的に 効果範囲内の敵に大ダメージを与える。 使用した直後に自機が一定時間無敵になる、効果範囲内の敵弾が全て消滅するなど、緊急回避手段として用いることができる。 使用回数または条件に制限があり、何度でも使えるわけではない。以上の3つの条件を満たしていれば、爆弾を投下する演出や爆発のエフェクトを伴っていなくても、一般的に「ボム」と呼ばれる。TCGではいわゆるブースタードラフト(*91)で遊ぶ時、特に強力で出せば勝ちのカードのことを、このシステムに絡めて「ボム」「爆弾レア」なんて呼び方をすることがある。 元祖は『ディフェンダー』の「スマートボム」だが当時は追随する作品が存在しなかった。 その後『タイガーヘリ』で基礎システムが作られたのち、『TATSUJIN』にて緊急回避を主眼に置いたボムのシステムが確立されると、それが他のゲームにも広まり「ボム型シューティング (ボムシュー)」というジャンルとして定着した。 現在ではSTGにはボムやそれに類似するシステムが登場するのが一般的になっている。 広まった理由だが、自機に緊急回避手段を持たせることで初心者の救済手段になると同時に、「ボムを使わなければボーナス点が入る」ことにすれば上級者(スコアアタック)向けの難易度も両立できる。 通常攻撃より派手で威力の高い攻撃を用意することでゲームにメリハリがつく、ボンバー回避前提の弾幕で見た目を派手にできる(*92)、等がある。 また、逆にボムを使用することでスコアが伸ばせるようになっている作品も多い。 余談だが、本来bomberは英語発音だと「ボンバー」でなく「ボマー」に近い(*93)。 ちなみに、『ボンバーガール』では「ボンバー」と「ボマー」が(単なる表記ゆれということではなく明確に)意味の異なる用語として使い分けられている。 なお、「ドイツ語が由来だからボンバーで正しい」と主張する勢力も存在する(*94)が真偽は定かではない。 ポリゴン 多角形のこと。現在一般にゲームグラフィックを描画する際、三角形を多数組み合わせたものにテクスチャを貼って表現している。 ポリゴンの数が増えるほど繊細な表現が可能になるため、1秒間に処理できるポリゴン数がハードウェアの性能の比較に用いられることもあった。 いくら繊細になるといってもポリゴン数が多すぎると処理や容量に負荷がかかるため、細部の表現には適宜カスタマイズしたシェーダーが利用される。 ちなみに「ポリゴン=3D」というイメージがあるが、ポリゴン描画に特化したGPUが普及した現在では2Dグラフィックもテクスチャを貼った板ポリゴンで表現される。 そのため、画面に映る全てのオブジェクトがポリゴンで描かれているゲームがほとんどである。 ポリゴン描画はかつては「Zソート」や「タイルベースレンダリング」(*95)等、簡易的な手法で描画されることもそれなりにあったが、現在では「Zバッファ」という、力技による手法で描画される場合がほとんどである。 ローポリゴン 少ないポリゴン数で作られた3Dモデルのことで「ローポリ」とも呼ばれる。対義語は「ハイポリゴン(ハイポリ)」。 1990年代中盤~2000年代前半くらいのゲームはこうしたローポリゴンが多かった。 少ないポリゴン数でキャラクターやオブジェクトを表現するのはセンスも求められるため、ドット絵とはまた違った職人技術といえる。
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/2888.html
ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦! 【ちびまるこちゃん おこづかいだいさくせん】 ジャンル じゃんけんRPG 対応機種 ゲームボーイ メディア 512kbitROMカートリッジ 発売元 タカラ 開発元 アドバンスコミュニケーション 発売日 1990年12月7日 定価 3,400円(税3%込) プレイ人数 1~2人 周辺機器 通信ケーブル対応 判定 クソゲー ゲームバランスが不安定 ポイント あらゆる部分が運頼み理不尽なお母さんの徴収ズバリ、貯金が半分になるでしょうセーブ・コンティニュー・パスワード一切なし ちびまる子ちゃんシリーズ 概要 内容 問題点 「お母さん、襲来」の巻 「ズバリ、ヤミ金より真っ黒でしょう」の巻 「まるちゃん完全一発勝負」の巻 その他の問題点 補足 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 さくらももこ原作の国民的人気アニメである「ちびまる子ちゃん」の記念すべきゲーム化第一作。 原作・アニメ共に人気絶頂の時(*1)に発売された作品。 ―タカラ・キャラゲー・クリスマス商戦と、豪華三本立てでお送りしていたのだが果たして購入者の運命やいかに? 内容へ続く。― 内容 本作は主人公のまる子を操作してお金を集め、デパートで5つの品物を買い集めるのが目的である。 5つの品物は合計で10350円、一方まる子の最初の所持金は30円。目標までは遠い。目的の品物は以下の通りである。 まんが 350円 わらいぶくろ 1000円 ままごとセット 2000円 おるごーる 3000円 フランス人形 4000円 40円以上持っている状態で自室にある貯金箱に触れると、30円を手元に残して残りを貯金する。所持金が20円以下なら貯金箱から取り出して30円にする。 所持金と貯金が0になるとゲームオーバーとなる。端的に換言すれば、お金=まる子の体力を意味する。 屋外では町の人とじゃんけん勝負をすることができる。お金は必要とせず、会話でランダム発生するので何度でも可能。 じゃんけんに勝つと気力が上がり、気力が高いほどミニゲームの賭け率も上がる。気力1と10では実に10倍の差がある。 勝敗にかかわらず福引券をもらえることがある。福引をすると景品が当たることがある。 ストレート勝ちすると5種類の中からランダムにカードが1枚貰えたりする。カードについては後述。 建物内で町の住人とミニゲーム勝負をして勝つとお金がもらえる。ミニゲームをするには10円が必要。ミニゲーム終了後に気力が1減る。 ミニゲームはサイコロゲーム・スロット2種・坊主めくりもどき・Big or Smallの4種類が存在する…がっ…! まてっ…! ミニゲームとはよく言ったものだが…どれもこれも運任せなだけの代物…ようはギャンブルじゃねえか…! 要するに、このゲームはちびまる子ちゃんの登場人物に運任せな博打を仕掛けて小銭を巻き上げるゲームなのだ。 あまりの運ゲーさ故に、インターネット上では某ギャンブル漫画になぞらえて 『賭博黙示録マルコ』 (*2)などという渾名が定着している(*3)。 まる子の所持金上限は500円。まる子カードを使うと倍の1000円まで持てるようになる。 ある程度集金したら自宅に戻って貯金箱に入れる。当然、1000円以上の商品を買うためには貯金が必須である。 品物を買う時は貯金と所持金の合計額から差し引かれ、30円を手元に残し残りは自動的に貯金される。 ―かくして小金を片手に上機嫌で帰宅するまる子であったが、数秒後に人生の無情さを思い知ることになるのであった― 問題点 「お母さん、襲来」の巻 + 画像 まる子のお母さんが自宅の玄関で待ちかまえていることがあり、出会ったら最後、問答無用で所持金全額を無残にも取り上げられてしまう。 事前警告なし+ランダム発生+強制イベント+発生回数上限なし という、ヤクザ顔負けの金の取り立てである。それでも人間かっ……! この時のまる子の「あんた おにだね・・・」というセリフが全てを物語っている。 とはいえ、金を巻き上げているのはまる子の方なので、このお母さんの行動は人道的な面で正しいと言えなくもないのだが(*4)。 厳密には完全ランダムではなく、「所持金と貯金が合計2000円以上」の時に画面を切り替えると確率でフラグが立つという仕組み。しかし、一度フラグが立ってしまったら徴収イベントを消化するまで消えることはないため、金額条件を満たしている状態で何度も画面を切り替えているとほぼ出現が確定してしまう。 自宅マップに入るまで居るかどうかが分からないのが最大の難点。居ると分かってもその時は既に家の中で、入った瞬間に強制的にイベントが始まるため回避不能。 お母さん登場後はお母さんにミニゲームを挑める(稼ぎ相手が1人増える)というメリットがあるが、到底デメリットと釣り合っていない。 また、自宅ではおじいちゃん・お父さん・おばあちゃんの3人(お母さんが出現していれば4人)にミニゲームを挑むことができるが、それらが終了した場合であってもお母さんに襲われる可能性が存在する。 さらにメニュー画面を閉じた途端に突然現れて所持金を奪うこともある。なのでフラグが立っている状態では貯金後すみやかに自宅から撤退しないと危険である(*5)。 貯金がなければゲームオーバーのオマケが付いてくるのも見逃せない。 貯金を使い切った買い物帰りにお母さんとエンカウントすれば強制ゲームオーバーとなる。 品物を買って所持金が0円になった際は店員が10円くれるが、このケースでは貯金はゼロなので、救済になっていない。 唯一の回避法は福引きで当てた景品を持っていること。景品と引き替えに没収は免除される。 一応景品を入手できるまで家に帰らないプレイを徹底すれば徴収の完全回避が可能だが、ただでさえ入手の可否が不安定なので時間がかかる。 ちなみにお母さんは町中にも登場するが、この場合は話しかけてもお金を徴収されることはなく、他のキャラ同様にじゃんけんを挑まれるただの対戦相手の立ち位置(*6)。 ―ならば母を避けて貯金さえ上手くできれば後は何とかなる、と思っていたまる子であったが、世の中そうそう甘くはないのである― 「ズバリ、ヤミ金より真っ黒でしょう」の巻 本作では、一度ギャンブルをした相手とはすぐに再戦できない(じゃんけんを除く)。 しかし、気力を高め町内を一周して全員と勝負したとしても手に入るのは約1500円(*7)…なかなか集まらないため、クリアするには何度も戦うしかない。つまり、再戦が必須になってくる。 再戦するには「たまちゃん」のカードを使う必要がある。使うと「全ての住民と再び戦えるようになる」というとても便利な効果だが、カードは1種類につき1枚しか持ち歩けない。 よってクリアのためには何枚か「たまちゃん」のカードを手に入れてなくてはならないのだが… 前述の通り、カードはじゃんけんに勝つとランダムで1枚手に入る。カードは上記の「たまちゃん」の他、「まる子」「おじいちゃん」「おかあさん」「丸尾君」の全5種類存在する。「まる子」のカードは使うと前述の通り持てる所持金の上限が倍になる(ただし1回だけ)。「おじいちゃん」と「おかあさん」のカードはどちらも使うと気力が上がる有益なカード。ここですんなり「たまちゃん」が手に入ればいいのだが、もし「丸尾君」のカードを引いてしまうと… 「ズバリ、貯金が半分になるでしょう」 しかもこれまた強制差し押さえである。 厳密には、丸尾君のカードを所持した状態で貯金箱に触れると「ちょきんが へってしまった!」と表示されて半額になる仕様である。 タイミング悪く連続で引いてしまうと、あっという間に貯金が無くなっていく。3000円のオルゴールや4000円のフランス人形狙いで貯金している時など、丸尾君はその鬼畜メガネっぷりを遺憾なく発揮してくれる。劇中での丸尾君はそんな悪役キャラではないのだが、なぜ彼が割り当てられたのだろうか…… ―所詮は、あぶく銭。小遣いを失ったまる子が、やり直しのきかないことを知るのはまもなくである。後半へ続く― 「まるちゃん完全一発勝負」の巻 当時はバックアップ無しのゲームもそれなりに見かけられたとはいえ、これだけ運任せな仕様のくせにデータセーブ、コンティニューの類は一切無い。ゲームオーバーや電池切れになれば最後、それまでの苦労はすべて水の泡となり最初からやり直しである。 したがって、クリアするためにはプレイ環境の充実が不可欠。その上で運と根気と地道な作業が要求される。 GBでプレイするならばACアダプター、他の据置ゲーム機ならばスーパーゲームボーイ(SFC)やゲームボーイプレーヤー(GC)を利用すれば電池切れは避けられる。そうでなければ新品の電池が望ましいが、電池切れのリスクは常につきまとう(参考 電池寿命の目安)。 セーブが無いのはギャンブルでのリセマラ防止のためと思われるが、それなら勝負ごとにオートセーブを付ければ済む話である。 ―どこまでもギャンブルである。― ちなみに苦労した末にたどり着くエンディングはこちら。苦労した割にはあっさりし過ぎである。 そしてスタッフロールも流れないまま何事も無かったかのように再びタイトル画面へ。ことごとくやり甲斐というものに欠けている。 その他の問題点 やたらと扉のある建物があるが、入れる建物は一部だけ。 入れる建物とそうでない建物の区別もつきづらいため、場合によってはストレスとなる。 そういった建物内にしかいない人物は丸尾くんとたまちゃんだけなのが救い。花輪君の家や学校は大きい建物なので見分けがつく。 キャラゲーとして残念な表現や仕様がある。 じゃんけんの画面で「おねえさん」と表記されているおねえちゃん。 普段彼女は「お姉ちゃん」と呼ばれており(*8)、漫画読者およびアニメ視聴者は確実に違和感を抱く。 6文字になる「おじいちゃん」「みどりちゃん」はそのままなので、別に文字数の表示制限のせいというわけでもないようだ。単に制作スタッフの認識不足だろう。 唇が分厚く描かれており、あまり美人とは言えない。お母さんの回避法のヒントを教えてくれる優しい存在なのだが…。 じゃんけんコマンドとミニゲーム後のはなすコマンドで無視を貫く静岡のおばあちゃん。 静岡のおばあちゃんにはこれらのセリフデータが設定されていないようで、話しかけてもリアクションが一切なく不自然。 マップ画面のドットキャラはキャラクターの特徴を捉えているとは言えず、再現性や愛嬌に欠ける。 もともと特徴の強い丸尾君・はまじ・みどりちゃんはマシな部類で、おとうさんやおねえちゃんはドットキャラをぱっと見ただけでは一体誰なのかわからない。 まる子に関しても、横方向に歩く姿がヤクザ歩きさながら妙に前傾姿勢で違和感がある。 ただ低容量で色も使えないGBソフトであること、キャラクターを16×16ドットに収めることが主流だった当時の状況を考慮すると仕方ない面もある。 2人対戦ゲームが手抜き仕様。 この手のミニゲーム集における2人用モードは「1人用ではCPU相手だったミニゲームを対人戦で遊ぶ」というのがセオリーだが、本作の2人用は上記1人用と同じギャンブル集金ゲームを2人同時にプレイする最速クリア競争というもの。 購入する品物は任意選択の1つだけになり、先にその品物を購入するか、相手がゲームオーバーになれば勝ち。品物が5つのままだったらどうなっていたことやら…。 品物は1つとはいえ、1人用でも条件が辛いフランス人形やオルゴールを選んでしまうとお互い膠着状態となり、険悪になること必至。これらを選ぶのはやめたほうがいいだろう。 登場カードのうち、おじいちゃんカードは相手の所持金を減らし、おかあさんカードは相手側にお母さんの所持金徴収イベントを仕掛けるという凶悪な妨害アイテムに変貌する。これらカードによる強制徴収はどうやっても回避できない。 しかし、相手への介入要素はこれだけしかない。強制徴収イベント以外は各々淡々とゲームをプレイするだけである。 勝敗決着後に表示される画面も1人用のエンディングやゲームオーバーと大差はなく、あっさりタイトル画面へ戻される。 1人用でも運頼みでストレスのたまるゲームを、さらに妨害要素を2つも加えて2人個別にプレイさせる対戦モードの存在価値とは……? あえていうなら友人と協力すればあっさりEDを見れることくらいか。 説明にないカードのデメリット効果 「まる子」と「おじいちゃん」のカードは、実は所持していると裏のデメリット効果が存在する。これらの効果は一切ノーヒントである。 「まる子」は一度使うと財布上限がアップするというのは先に説明した通り。なので、2度目以降は不要カードとなるのだが、実は「まる子」カードを持ったまま貯金箱に触れてしまうと、まる子カード自動消費と同時に持っている福引券と景品も消滅するというデメリット効果がある(*9)。そのため、2枚目以降が手に入ってもしっかりと消費しておかないと悲劇が起きる。 「おじいちゃん」は1人用では気力2アップ、2人用では相手の所持金減少と有用な効果を持つカードなのだが、実は「おじいちゃん」カードが手持ちにある限り他のカードが新たに入手できないという罠がある。そのため、早めに消費しておく必要がある。 いずれも使用時の効果にデメリットはないため消費しておけば対策できるのだが、プレイヤーへの嫌がらせのような仕様となっている。 補足 ミニゲームはほぼ運ゲーだが、戦略的要素はある。 じゃんけんに勝って気力が上がるほど、ミニゲームで勝ちやすくなる。ある程度気力が上がるまでは、勝負を避けてじゃんけんに徹するのも一つの手。 「みつや」で50円のお菓子を買うと気力が2上がる。お金を払ってでもとにかく気力を上げたいときは利用できる。 基本的には運任せなものの、スロットゲームではリールを「目押し」で止められるため、この技術介入要素を使えるならば運に頼らず勝つことができる。 ゲーム内容も画面構成で判別可能なので厳選もできる。例えばスロットが苦手なら、キャンセルして別のゲームに変えればいい。 スロットは揃える絵柄によって賭け率が変わり、たまちゃんの絵柄が最大(*10)。 理不尽とも言えるお母さんの所持金徴収だが、景品を手に入れるまで家に帰らないことで回避できる。 丸尾くんカードも貯金箱に触れない限り発動しないので、手に入れてしまったら速やかに貯金を使用することで被害を最小限に抑えることができる。 このため安い商品は貯金の消費用に残しておき、高額な商品から買っていくという立ち回りが有効。 おじいちゃんは勝つと1000円ももらえるという原作同様まる子にとっては救世主である。ただし勝敗に関係なく気力0になるという強烈なデメリットがある。 しかも再戦するにはたまちゃんカードが必要なため、この方法だけで楽して稼ごうとすると丸尾くんカードを引いてしまうという諸刃の剣。1000円、1000円、1000円と来てもう1000円でフランス人形などという読みはまさに泥沼。 静岡のおばあちゃんは気力も賭け金もなしでスロット勝負できる。ただし勝つと気力0になる。うまい話にはウラがあるのである。 実はおじいちゃん以外にももう一人(?)救世主がいる。 + クリックで表示 神社にお参りをすると10円拾えることがある。このゲームで唯一の安全確実にお金を稼げる方法である。 ランダムイベントのため発生確率はせいぜい2割程度だが、お参りは無制限に行えるので、根気よく続ければ何度でも拾うことが可能。 もちろん時間的効率は悪いので大金を稼ぐには向かない方法だが、とにかく10円でもあればゲームオーバーになることはないので、この方法を使えば確実にゲームオーバーを回避することができる。 ただしゲーム内では一切ノーヒントなので、この方法は自力で発見しなければならない。 一番の問題点は、場所が場所だけにまる子が賽銭泥棒のように見えてしまうことか。拾っているのは恐らくは誰かが賽銭箱に投げ入れようとして入らなかった小銭だと思われるので、まる子が本当に泥棒しているわけではない(*11)。 賛否両論点 良くも悪くもシンプルな操作性。 町中を歩く、会話を進める、カードや選択肢を選んで決定、くらいの操作しか必要としない。アクション要素も、スロットを止めるタイミング決定くらいしかない。 前述の通り本作はクリスマス商戦に投入されており、「ちびまる子ちゃん」初のゲーム化作品でもある。このためクリスマスプレゼントがこの作品という子供も多かったと思われ、さらにゲームに初めて触れた者でも少し慣れれば問題なくプレイできる内容である。そういった層には決してハズレゲーではないと言えるだろう。 町中を歩いている人物に体当たりすればメニューが出る仕様のため、普通のRPGのように話しかけようとしてボタンを押した瞬間に移動される、といった事態も起きない。 評価点 前述の通りまる子の最初の所持金は30円であるが、原作でも「まる子のこづかいは1日30円」なので、この点は原作を忠実に再現した結果と言える。 タイトル画面や町内のBGMには原作アニメED曲「おどるポンポコリン(*12)」のアレンジが使用されている。このためパッケージ裏にはJASRAC表記や認可シールが貼られている。 苦労の果てにクリアしてタイトル画面に戻った時に聴けるED曲は嬉しい。狙ってこういう仕様にしたのかは不明。 マップ画面以外のグラフィックは当時のキャラゲー及びGBソフトとしては平均以上で良質。デモシーンのまる子の顔アップ絵は漫画そっくりで、ミニゲームの画面やカードの絵柄としてよく見る各キャラの顔グラもそこそこの出来。 負けると引きつった顔でタバコをふかすおとうさんや、困り笑いするおじいちゃん、平静を装いつつも動揺を隠しきれていない花輪君など、原作の細かな性格描写を反映した絵もある。 ただし、はまじとみどりちゃんの負け顔はかなり独特。人によっては腹筋崩壊、もしくは気味が悪いと感じるかも。 キャラクターを始めとする会話テキストが原作に忠実で雰囲気をよく捉えている。 やや冷笑的で本作の仕様上プレイヤーの神経を逆撫でしてしまっている時もあるが、アニメにおける毒舌ナレーターのツッコミ具合も忠実に再現できている。 ナレーターのセリフ冒頭には 専用のマイク記号 を付記しており、明確にそれと分かるよう配慮されている。 総評 人によってはGB版『マインドシーカー』と言う人もいるほどの運ゲーという評価を受けている本作だが、ミニゲーム勝率や賭け率に介入できる余地が存在するため、一応完全な運ゲーというわけではない。 ゲームの仕様を知り尽くし、プレイヤーが常に最善手を取り続ければ、いつかはクリアできる。 しかし所持金徴収や貯金半減といった運要素が強い割にデメリットの大きすぎるイベント、ほぼ運ゲーのじゃんけんやミニゲームを繰り返す作業が必須、セーブ機能がないなど大きな問題点が多く重なった結果、多くの人がクリア前に投げ出すクソゲーとなってしまった。 無理してクリアしようなどと考えず、「気軽に原作の雰囲気を楽しめるキャラゲー」程度にとどめて楽しむのがいいだろう。 余談 原作でもまる子が家族相手にギャンブルを持ちかける場面があるが、毎回最後はお母さんに怒られている。 本作の反省を踏まえてか、これ以後タカラの「ちびまる子ちゃん」のゲームは軒並み難易度が下げられており、開発元も変更されている。 が、まる子のゲームソフトとしては未だにこれが一番売れたソフトのようなので信頼は回復できなかったと思われる。 ちなみに、本作におけるファミ通でのクロスレビューは40点満点中22点(*13)。これでもまる子のゲームソフトの中では点数が良い方であり、後続のソフトの点数は総じて芳しくないため、これが売上が振るわない一因と思われる(*14)。 ちびまる子ちゃんのゲーム化権は機種ごと複数のメーカーにライセンスされていた。本作発売元のタカラは自業自得といえるが、翌年以降他機種でゲームを発売することとなったエポック社やナムコ、コナミはいい迷惑である。 後に発売された『人生ゲーム伝説』と同じ開発元とされている(よく見るとグラフィック・フォントがまる子とそっくりで、途中セーブが無いところまでそっくり)。案の定、これも本作に負けず劣らずのクソゲーとして悪名をとどろかせるのであった。 ちなみに開発元のアドバンスコミュニケーションはFC時代にも同じスタッフによる『ジーキル博士の彷魔が刻』や『燃える!お兄さん』(いずれも発売元は東宝)といったクソキャラゲーを開発していた。 セーブ機能がないゲームはGB初期では珍しいものではなく、ちょっとした時間に軽く楽しむだけのゲームも多かった。そのためゲームクリア自体はあまり重要視されておらず、本作のようにクリアを目指すとなると途端に異常な難易度になるものも結構ある。『アレイウェイ』や『ワールドボウリング』などが代表例。 説明書の文章は「ですます調」と「である調」が混在している。 終わりだけ突然「である調」になる文が目立つ。作中のナレーターを再現しているのだろうが、説明のための文章としては読みにくい。 パッケージや説明書には原作者描き下ろしと思われる「ゲームボーイを持ったまるちゃん」などのイラストが使用されている。1970年代を舞台とする原作の設定から考えると、わりと貴重な組み合わせのイラストと言えるかもしれない。 本作でのお目当ての品物総額より遥かに高価そうだが、これも家族や友人との賭博とお母さんの目を盗んでの貯金の末入手したのだろうか。 説明書の表紙ではまる子のほか、たまちゃんや花輪君もゲームボーイを持っている。が、丸尾君はひとりだけ持っておらず、横で羨ましがっている。かあさまがゲームを許してくれないのだろうか。 たまちゃんは説明書内のイラストで「コレ おもしろいね」と言っているのだが、本作の出来を考えると何か別のゲームで遊んでいるのだ、と思わざるを得ない。